Lost Boundaries

スコットは黒人だが色が白く白人のように見えた。医学校を卒業し、同じく白人のように見えるマルシアと結婚した。
黒人経営の病院に就職しようとしたが、白人に見えるために断られた。
生活していくことができず、白人として医師になった。子供が二人産まれて、子供も白人のように見えた。
地域にも溶け込んで順調であったが、黒人であることが知られた。


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製作年:1949、監督:Alfred L. Werker、脚本:Charles Palmer、Eugene Ling、Virginia Shaler、Ormonde de Kay、Maxime Furlaud、原作:Document of a New Hampshire Family(1947、William L. White)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

スコット・カーター(メル・ファーラー) 医師
マルシア・ミッチェル・カーター(ベアトリス・ピアソン) 妻
ハワード・カーター(リチャード・ヒルトン) 息子
シェリー・カーター(スーザン・ダグラス) 娘
モリス・ミッチェル(ウェンデル・ホームズ) マルシアの父親
ミッチェル夫人(Grace Coppin) マルシアの母親

ウォルター・ブラケット医師(モートン・スティーヴンス)
ジェシー・プリダム医師(レイ・サンダース) スコットの大学の同級生
アーサー・クーパー(ウィリアム・グリーブス) ハワードの同級生
アンディ(カールトン・カーペンター) シェリーのボーイフレンド
ジョン・テイラー牧師(Robert A. Dunn牧師)

◆ 補足

本作は実話とのこと。白人と間違えられてしまうような肌の色をした黒人の話である。演じているのは白人。

(1949)ピンキー/Pinky」は白人に見える女性の話。主演はやはり白人のジーン・クレイン。ピンキーは看護師。

「ピンキー」の動画のコメントを見ると「白人に見える黒人」はそれなりに存在するようである。
 


■ あらすじ

◆ スコットは医学校を卒業したが、

1922年、スコット・カーターはチェイス医学校を卒業して医師の資格を取得した。そして恋人のマルシア・ミッチェルと結婚した。

スコットもマルシアも実は黒人である。だが二人とも肌の色が白く、白人と間違えられた。

スコットと同時に卒業した黒人のジェシー・プリダムは、黒人経営の病院に就職を希望したが空きがなく、荷物運びのアルバイトをした。

スコットも同じように黒人の病院に就職を希望していた。

ジョージア州の黒人経営の病院に応募した。だが驚いたことに「黒人を優先する」と言われて採用されなかった。自分は黒人であると言っても見た目が違うことが問題のようである。

◆ 研修医となった

スコットとマルシアはボストンのマルシアの両親の家で暮らした。両親や周囲の人々も白人として暮らすように勧めた。

スコットは黒人として応募し続けたが、採用されなかった。

だがついに屈服し、ニューハンプシャー州ポーツマスで白人として一年間の研修を受けることになった。

◆ スコットは白人として就職した

ここでスコットは緊急事態に遭遇する。灯台でケガをし出血多量の患者を手術することになった。

スコットは見事に手術をやり遂げた。この患者は地元の高名なウォルター・ブラケット医師であった。

感銘を受けたブラケット医師は(ニューハンプシャー州)キーンハムの医師にならないかと提案した。スコットは黒人であることを明かした。注、「キーンハム」は架空の町。

ブラケット医師は「黒人であることを秘密にして仕事をしろ」と提案した。

マルシアは妊娠しており、マルシアの両親にまたこれ以上の迷惑をかけられないので、この仕事を引き受けた。

◆ 住民の間に根を下ろす

キーンハムで仕事を始めた。そしてマルシアは男児を出産した。ハワードと名付けた。

ハワードは両親と同じように白人に見えた。スコットとマルシアはなぜかほっとした。

後ほど娘のシェリーが産まれた。シェリーも白人に見えた。二人の子供には自分たちが黒人であることを伏せて育てた。

スコットは徐々に住民の信頼と尊敬を集めるようになった。そしてしっかりと町に根を下ろした。ただし白人として。

◆ 黒人の同級生

1942年。ハワードはニューハンプシャー大学に通い、シェリーは高校生であった。

またスコットはプリダムがボストンに設立したクリニックに週に一度通っていた。

ハワードが黒人の同級生アーサー・クーパーをバーティに招いた。シェリーは自分の友達がアーサーのことをどう思うのか心配した。スコットは「そのような話はするな」とシェリーに注意した。

だが他の白人の招待客は、アーサーに対して偏見に満ちた態度を示した。

◆ 黒人であることが知られた

スコットとハワードは海軍に入隊した。

だがスコットは中佐に任官されなかった。スコットが黒人であることが分かったからである。

子供には自分たちの素性を話さざるを得なくなった。ハワードは白人のガールフレンドと別れた。ニューヨークのハーレムにアパートを借りた。

シェリーのボーイフレンドのアンディが「巷の噂」について尋ねた時、「それは本当のこと」と伝えた。アンディからダンスパーティに誘われたが断った。

ハワードは黒人二人の喧嘩に出会った。仲裁に入ったが、一人は銃を取り出した。

この件でハワードは身柄を拘束された。アーサーが警察署に赴き、彼の身柄を引き取った。

◆ 黒人医師として

スコットとハワードはキーンハムに戻った。

日曜礼拝でジョン・テイラー牧師が海軍が人種差別政策を廃止したことを語った。

スコットは今度は黒人医師としてこの町で医師を続けていく。