ルーは子供を残してアリゾナに来た。牧場で働いたが、ひょんなことから強盗を捕らえた。
それで州で初めての女性保安官に任命された。だがしかし悪人に誘拐された。
製作年:1961、監督:ヴィンセント・シャーマン、脚本:オスカー・ソウル、セシル・ダン・ハンセン、原作:リチャード・エメリー・ロバーツ
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ルクレシア・ロジャース(デビー・レイノルズ) ルー、二児の母親
ロジャース夫人(イソベル・エルソム) ルーの義母
ダン・ジョーンズ(スティーブ・フォレスト)
パット・コリンズ(アンディ・グリフィス)
リーナ・ミッチェル(ジュリエット・プラウズ) ダンの恋人
アギー・ゲイツ(セルマ・リッター) 牧場主
ジョン・バーンズ保安官(ケン・スコット)
シャック(トム・グリーンウェイ) 副保安官
トラスク夫人(エリノア・オードリー)
◆ 補足
これは楽しいコメディである。文章で紹介するのは限界があるので、ぜひとも見てほしい。The Second Time Around。
論理的におかしなところはいっぱいある。それも楽しみ。
日本語版は見当たらないが「ママは二挺拳銃」という邦題がある。昔、日本で上映されたようなので、その時の邦題であろう。「(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk」(アン・バクスター)と同じく、二挺拳銃は使われない。
どうしてこのような卑怯なことをするのか?このようなことをしている担当者は、いつの日か、突然の体の不調、あるいは思いがけない不運に見舞われないとも限らない。注意するように忠告しておく。
「ママは保安官」は私が勝手につけた。
■ あらすじ
◆ アリゾナへ行く
1911年、ニューヨーク。ルクレシア・ロジャース=ルーは夫が死亡した。子供二人、義母と住んでいる。
わりと立派な家でメイドもいる。傍目には金に困っているとは思えない。
しかし働きたいと思っている。ちょうどアリゾナの知人から誘いを受けている。しかし義母は反対している。
ルーはアリゾナに向けて出発した。子供二人は義母に預けていく。
◆ 牧場で働くことになった
列車はアリゾナのチャーリービルに到着した。しかし町の中が何かと不穏である。
列車から下りようとしたところでルーがよろめいた。ある男性が抱っこして下ろしてくれた。左胸に☆のバッジ、ジョン・バーンズ保安官である。保安官にしては、いってみればやくざっぽい雰囲気である。ルーは持っていたパラソルでジョンを叩いた。
到着した列車に棺桶が積み込まれている。
仕事を紹介してくれる人が来ているはずなのだが、待っていても来ない。聞いてみると銃撃事件があり死亡したそうである。
荷馬車に乗った女性が来て、ルーに話しかけた。牧場主のアギー・ゲイツ。
アギーはルーをジロジロと見ました。ルーはアギーの牧場で一か月間の試用で働くことになった。
◆ 牧場での仕事
牧場とはいっても小さいもので他には従業員はいないらしい。
大部屋の一部が棚になっており階段がある。その二階に住むことになった。
ルーにとっては、すべては慣れない仕事で、一生懸命にやったが、失敗ばかり。それでもアギーは大目に見てくれたようである。
しばらくすると、なんとか仕事に慣れてきた。
◆ パット・コリンズ
パット・コリンズという青年が訪ねてきた。なかなか好青年である。
三人で話していると、突然アギーが「腰が痛い」と言い出した。「町に医者を呼びに行って」という。
パットが行こうとすると、ルーにも行けと言う。
パットとルーは馬車に乗って町に向かった。
だが、我々には分かっている。アギーはパットとルーを結びつけるために偽の腰痛を装ったのである。
二人は楽しく話しながら町に向かった。
◆ 乱闘事件
またルーはダン・ジョーンズという青年とも親しくなった。二人はカフェに入ってアイスクリームを食べた。それをリーナという女性が偵察している。
実はダンとリーナは恋人同士のはずである。しかしダンはルーにも興味を持ったようである。リーナとダンの睨み合いが発生した。
またルーと保安官のジョンの間にもトラブルが発生し、ルーがパラソルでジョンの頭を殴る事件も発生した。それをきっかけに酒場でみんなの乱闘が発生した。注、ジョンを殴ったのは到着時に続いて二回目。
◆ ダンとデート
ちょうどアギーが留守の時、ルーも出かけようとしていたが、ダンが訪ねてきた。パラソルをルーに渡した。先日の乱闘で壊れたパラソルの代わりである。
二人は馬で川の方に行った。二人ともニコニコ。川の深さは膝までないくらいで浅い。
ルーはフライパンを取り出す。川に入って底を攫う。ダンはその間に川べりにシートを敷く。
しばらく川底を攫っていると何やらが見つかる。金らしい。ルーは別のところを攫う。また見つかる。
ルーは嬉しくなってダンに抱き着く。
補足。このあたりはセリフがなく、あいまいだが、ダンがルーを喜ばすために細工をしたらしい。それにしてもなんで川にフライパンを持ってくるのか?
二人は夜になっても同じことをしている。ルーが川の中で転んだのでダンが助けた。ルーは疲れたらしい。
夜になって、二人は隣り合って寝た。ルーは寒いのかクシャミ。するとダンが肩を抱く。「私には子供が二人いるのよ」と言う。しかし二人はキス。
◆ パットが来た
朝、パットはアギーから「ルーとダンが出かけた」と聞いて、探しに来た。
ルーは木陰で着替えている。ダンの前にパットが現れてダンを殴った。するとルーはパットを殴った。さらにダンも引っ叩いた。意味不明の展開。
ルーは二人を置いて馬で走り去った。
補足。この映画は、わりと無意味に乱闘や引っ叩く事件が発生する。あまり真面目にとってはいけない。
◆ 無法者をやっつけた
祭りが行われている。みんなが街角に繰り出して楽しんでいる。
三人の無法者が馬でやってきた。保安官のジョンと目を合わせてお互いに頷いている。
無法者は店に入り金を強奪した。
ルーは自分が持っている袋を開けて覗き込んだ。注、説明はないが、川で取れたものが入っている袋と思われる。
店から出てきた無法者は、ルーの袋を取ろうとした。ルーはしがみついたが奪い取られた。
無法者は馬で走り揃うとしている。ルーは馬車に戻ってライフルを取り出した。引き金を引いた。
弾は当たらないが、馬が驚いて無法者を振り落とした。無法者は陰に隠れた。
またルーは引き金を引いた。これも当たらないが、看板に当たり看板が落ちて無法者の頭に当たった。気絶。
無法者は捕まった。補足、残りの二人は逃亡している。
さて保安官であるジョンがルーに文句を言った。なぜかと言うと、無法者とジョンはグルだからである。
しかしルーは猛然と言葉を返した。
◆ 保安官になった
ルーは手紙を書きながら、アギーに「ニューヨークに帰る」という話をしている。
外に誰かが来た気配。外に出てみると馬車で来た10人ほどがいる。
みんなを代表してトラスク夫人が文書を読み上げた。「(ルー・)ロジャーズ夫人を保安官に任命する」。州でただ一人の女性保安官だそうである。
ルーは突然のことに迷っている。ここで別のところからパットが現れて、突然ルーにプロポーズする。注、本作は、このような意味不明の展開がよくある。気にしないように。
ルーはまず「給料はいくら?」と聞く。それから「(保安官の家は)何部屋あるの?」と聞く。二部屋との答え。
ルーは「子供を呼べるわ」と言って保安官の件を受諾した。
◆ 旧保安官との対決
ルーの保安官の就任祝い。パレードが行われる。ルーは先頭に立ってみんなに手を振る。
周りには大勢の人。旧保安官のジョンもいる。そしてジョンはダンやリーナと話している。
屋内。みんな集まっている。パットが演説し、新保安官のルーの紹介をする。
パットが保安官バッジをルーの胸につけようとするが、アギーが代わってつける。注、ルーが女性なので遠慮した。
ダンやジョンが入ってくる。後ろには怪しい奴が数人。ルーは前に出て行く。ジョンに対して「拳銃を置いて町から出て行きなさい」と言う。
ここでジョンが拳銃を抜こうとするので、ルーが先に撃つ、ジョンは拳銃を落とす。ここではルーはなぜかスゴイ腕前。
ジョンは出て行った。そしてダンは牢の中へ。
補足。ダンとジョンの仲は、はっきりとは語られないが、ダンとジョンは結びついている。
◆ ルーが捕らえられた
ダンは牢の中。ダンがルーを鉄格子の近くに呼んで、中からルーを掴んでキスする事件が発生したりする。
ルーは事務所の中。突然外で何か騒ぎが起きる。
ルーは事務所のドアを開けて外に出た。突然後ろから羽交い絞めにされた。ジョン。
周りにはジョンの一味が何人もいる。
ルーは捕らえられて連れ去られた。
みんなはルーを救い出すために武装をした。女性も混じっている。そしてダンも牢から出してもらって加わった。
◆ ルーはアジトに
一味のアジトにルーは連れてこられた。
我々が想像すれば、ルーは縛られて拷問を受けているのかと思うが、そうではない。
ルーはみんなに料理を作って出している。縛られたりもしていない。場合によっては逃げ出せそうである。
アジトにダンが入ってきた。入り口で拳銃を取られた。険悪な雰囲気だが、仲間に入れてもらった。もちろん偽装。
ルーはダンを睨んだ。
◆ 演芸団がくる
さてアジトに演芸団が訪ねてきた。こんな山奥に演芸団が来るのはおかしい。よく見るとルーを助けに来た人々である。
演芸団は中に入れてもらい、踊りを踊り、歌を歌い、楽器を演奏した。踊っているのはリーナである。
リーナがルーを見て目が合った。ルーは事態を理解した。そしてアジトの外にもメンバーが待機している。
ルーは「TABASCO EXTRA HOT」のビンを取り出して、料理にたっぷり振りかけて、皿をだした。
一味がタバスコ入りの料理を食べて蒸せた。それを合図に演芸団は一味に襲い掛かった。外からも入ってきた。
大乱闘。ルーも殴ったり、投げたりして戦った。
◆ ラスト
一味はめでたく捕らえられた。
駅、列車が到着した。ルーの義母と子供が下りてきた。ルーと抱き合う。
一方、ダンは列車に乗り込んだ。しかしパットが引き留めた。
ダンとルーが向き合って話した。ルーは保安官バッジを投げ捨てた。キスをした。そしてパットとリーナもキスをした。