ヴァネッサ・パラディが父親を探す映画が二つある。
■ エリザ(1995)
出演は、ヴァネッサ・パラディ、ジェラール・ドパルデューなど。
題名のエリザは母親の名前。マリー(ヴァネッサ・パラディ)は孤児院で育った。父親のジャック(ジェラール・ドパルデュー)は作曲家だった。マリーは父親の顔を知らない。
ジャックは売れない作曲家で母親のエリザはデパートで働いていた。しかしジャックは姿をくらました。
生活に行き詰ったエリザはマリーを抱きしめた形で拳銃自殺をした。その後マリーは孤児院に入れられた。
本作の前半は、マリーが孤児院を抜け出して、いろいろ悪いことをする場面が描かれている。
母親が遺した荷物の中にサン島(フランスの大西洋に突き出した半島の先)から送られてきたハガキがあった。
その後マリーは孤児院を出てサン島に向かう。バッグの中には拳銃を持っている。母親をおいて失踪した父親が許せなかったからである。
サン島の酒場で父親はわりと簡単に見つかる。ジャックに話しかけるが、マリーは自分の正体を明かさないので、ジャックは不審がる。
ジャックの家に勝手に押しかけて暮らし始める。そのうちに持って来た拳銃を海に投げる。
■ ハーフ・ア・チャンス(1998)
出演はヴァネッサ・パラディ、アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンド。ごらんのように豪華キャスト。
アリス・トマソ(ヴァネッサ・パラディ)の母親ジュリエットは死亡した。ジュリエットのいうところでは、アリスの父親が不明。
候補者は二人。ジュリアン・ヴィニャル(アラン・ドロン)。レストラン経営者だが、なぜか爆弾の専門家。
レオ・ブラサック(ジャン=ポール・ベルモンド)。中古高級車販売業者。
ところでアリスは自動車泥棒のプロ。刑務所から出てきたばかりであったりする。出所する時は、係官から「もう悪いことはするな」と言われて神妙に聞いているが、刑務所から出てくると、さっそく車を盗む。
アリスがドアの取っ手のところに手を当てるとドアが簡単に開いてしまう。ヒーリングのようである。
アリスは出所して二人に会いに行く。どちらが父親かは分からないので血液検査をすることになる。
さてアリスが、また車を盗んだ。しかし相手が悪かった。車の中にはギャングの大金が積まれていた。それを適当なところに放置したので大金が行方不明になった。
アリスがギャングに誘拐された。
それで二名の父親が協力してギャングからアリスを救い出すのが本作のストーリー。
いろいろ展開するが最後には、アリスは荒野の中の堅固なアジトに囚われる。縛られて部屋に閉じ込められる。その部屋の中には砂が少しずつ落ちてくる。明日の朝までに救い出さなければアリスは窒息する。
レオはブルドーザーに機関銃を取り付けてアジトに突き進んでいく。アジトからは銃弾の嵐。
しかしこれは陽動作戦でジュリアンが裏口から忍び込む。
アジトの中で三人が出会うが包囲された。ここでアリスが中にあったヘリを盗む。
アリスとジュリアンはヘリに乗り込む。レオは間に合わずにヘリからぶら下がった状態で脱出する。
ラストは血液検査の結果を破り捨てて「二人とも父親になって!」とニッコリ。
ついでながらアリスと刑事の恋愛ストーリーも並列進行。
ハーフ・ア・チャンス(1998)
エリザ(1995