このような時に反撃しようとすると命にかかわる。「危険なので、真似をしないでください」ということになる。私が見た範囲の事例なので、他にあればお知らせいただきたい。

  • 後ろ頭突き ⇒ バード・オン・ワイヤー ⇒ リック・ジャーミン(メル・ギブソン)
  • 肘鉄砲 ⇒ 針の眼 ⇒ ハインリッヒ・フェイバー(ドナルド・サザーランド)
  • 後ろ回し蹴り ⇒ リーサルウェポン3 ⇒ ローナ・コール(レネ・ルッソ)
  • 振り向いて腕で拳銃を払う ⇒ コバートアフェア ⇒ アニー・ウォーカー(パイパー・ペラーボ)
  • 宙返りして背後に回る ⇒ 事例なし

後ろ頭突きと肘鉄砲。相手との距離が問題。相手とは手首⇒肘+拳銃の長さの分だけは距離がある。相手に届くとは思えない。メルやドナルドだからこそできる技である。

一番成功確率が高そうなのは「振り向いて腕で拳銃を払う」だろう。しかしこれも難しい問題がある。相手が左右どちらの手で拳銃を持っているのか?右手で拳銃を持っていて、右回りに振り向いて拳銃を払えばできそうだが、逆であれば間違いなく不成功である。しかし背後の敵が、どちらに拳銃を持っているかは分からない。

見栄えがするのは「後ろ回し蹴り」と「宙返りして後ろに回る」。
 


■ 後ろ頭突き ⇒ バード・オン・ワイヤー ⇒ リック・ジャーミン(メル・ギブソン)

リック・ジャーミンは麻薬組織を裏切って裁判で証言した。そのため組織から執拗に狙われる。FBIの証人保護制度に守られて名前を変えて各地を転々としている。リックは公式には飛行機事故で死亡したことになっている。

リックの恋人マリアン・グレイブス(ゴールディ・ホーン)は、リックが飛行機事故で死亡した後は悲嘆に暮れていたはずだが、四か月後にさっさと結婚し、しかしその後離婚した。

マリアンはリックが働いていたガソリンスタンドに立ち寄り「もしかしてリック?」と聞いたがリックは否定。リックはFBIに連絡するが、新しいFBIの担当者は裏切り者。組織に連絡がいった。

そしてリックが組織から襲われる。スタンドは大爆発、経営者は死亡。リックは心配して近くで見ていたマリアンの車で逃走。リックとマリアンは経営者殺害の容疑で手配される。二人は慌てふためいて逃げ回る。

マリアンがカードを使おうとしてところ、手配のカードだったので警官が駆けつける。リックは後ろから銃を突き付けられる。が、後ろ頭突きで反撃。
 


■ 肘鉄砲 ⇒ 針の眼 ⇒ ハインリッヒ・フェイバー(ドナルド・サザーランド)

第二次大戦。もう戦況はナチスにとって不利な状況となってきた。連合軍がフランスに上陸をうかがう情勢である。フェイバーは連合軍の上陸地点を探る指令を受けた。

フェイバーは東アングリアの基地に潜入した。広い基地に爆撃機が多数配備されている。しかしそれはハリボテであった。偽装基地であった。したがって対応するパドカレーへの上陸の可能性はなくなり、ノルマンディーが上陸地点となった。注、「東アングリアに偽装基地」は史実通り。

この情報を掴んで運河を船で戻ってくると、歩哨に捕まった。前に一人が立ち、後ろから拳銃。

フェイバーは肘を後ろに突き出して背後の兵を倒し、さらに前の兵を得意の針で突き刺した。注、フェイバーの武器は、左の肘に隠した長い針で、これゆえに「針」と呼ばれている。
 


■ 後ろ回し蹴り ⇒ リーサルウェポン3 ⇒ ローナ・コール(レネ・ルッソ)

マーティン・リッグス(メル・ギブソン)とロジャー・マータフ(ダニー・グローヴァー)の名コンビが捜査をしていると、内部調査部のローナ・コール(レネ・ルッソ)が割り込んできた。警察内部に犯人がいるとの推測である。ローナは「子供は黙っていなさい」と威圧的な態度。

さてリッグスとマータフが拳銃を構えて犯人に迫るが、そばから別の犯人が現れて逆に銃を突き付けられる。

そこでローナが颯爽と登場する。拳銃を構えて仁王立ちである。しかしローナの後ろにまた別の犯人が現れてローナの背中に拳銃を突き付けた。

これでエンドかと思われたが、ローナはちょっと首を傾むけた後、猛然と後ろ回し蹴りをかます。そして五人を相手に大乱闘。この乱闘を制した。

 


■ 振り向いて腕で拳銃を払う ⇒ コバートアフェア ⇒ アニー・ウォーカー(パイパー・ペラーボ)

コバートアフェアのシーズン1の第一話「初めての任務」。

アニーはテロ犯人を追いかけて、無人の地下鉄ホームまで来たが見失ってしまった。

突然背中から拳銃を突き付けられた。しかし冷静沈着なアニーは、振り向きざまに相手の拳銃を振り払った。格闘となった。

しかしアニーは首を絞められて意識が遠のいていく。

ここでまことに都合がよいことに、一人の男性が現れて犯人を射殺し、何も言わずに行方をくらました。

アニーは現れた男性を、かってスリランカで恋をして一緒にいたベン・マーサー(イーオン・ベイリー)ではないかと思うが、はっきりとわからなかった。

これがもっとも成功確率が高そうである。しかし映画としてみると、あっさりしていて見栄えがしないのが難点である。

 


■ 宙返りして背後に回る ⇒ 事例なし

宙返りして敵の頭の上を通って背後に着地する。これはかなり見栄えがある。しかし難易度が非常に高い。

これは事例がないが、作ってくれないだろうか?大ヒット作になるのは間違いないっ!
 


■ 蛇足

メル・ギブソン。「ブレイブハート/Braveheart(1995)」「ハート・オブ・ウーマン/What Women Want(2000)」。

ゴールディ・ホーン。「サボテンの花/Cactus Flower(1969)」「続・激突!/カージャック/The Sugarland Express(1974)」「ファール・プレイ/Foul play(1978)」。

ドナルド・サザーランド。「鷲は舞いおりた/The Eagle Has Landed(1976)」「オーロラ殺人事件/Bear Island(1979)」「ドーバー海峡殺人事件/Ordeal by Innocence(1984)」「アウトブレイク/Outbreak(1995)」共演はダスティン・ホフマン。

レネ・ルッソ。「ビッグ・トラブル/Big Trouble(2002)」「ショウタイム/Showtime(2002)」「トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair(1999)」「ヘレンとフランクと18人の子供たち/Yours, Mine and Ours(2005)」「バディ/Buddy(1997)」。「アウトブレイク/Outbreak(1996)」共演はダスティン・ホフマン。

パイパー・ペラーボ。「ロッキー&ブルウィンクル/The Adventures of Rocky & Bullwinkle(2000)」。
 


バード・オン・ワイヤー

 

針の眼

リーサルウェポン3

コバートアフェア