■ Bird on a wire(1990)/麻薬組織を裏切って、組織に狙われる
製作:1990年、脚本:デヴィッド・セルツァー他、監督:ジョン・バダム 予告編 予告編
■ あらすじのあらすじ
リック(メル・ギブソン)は麻薬組織を裏切って裁判で証言したために組織から狙われている。証人保護制度の元で死亡したことになり、名前と仕事を変えて各地を転々としている。
リックの元の恋人マリアン(ゴールディ・ホーン)はリックの死後にさっさと結婚したが離婚。しかしリックの写真を財布に持っている。
仕事でデトロイトに来たマリアンはリックを見かけて声をかけるがリックは否定。その時に襲撃されてマリアンも一緒に逃げ出した。以降二人は喧嘩しあいながらも一緒に逃亡生活。
リックが働いていたところを順番に訪ねていく。まず美容院。ここは男性もみんな女性の言葉を使っている。再会してリックも女性言葉になった。なかなか上手である。
次は農場。マリアンも負けそうな美人のレイチェル(ジョーン・セヴェランス)。レイチェルはリックに気があるようである。マリアンは僻んで怒り出す。しかし武装ヘリに乗った敵の襲撃。レイチェルは、きりっとした顔でライフルを持ち出して応戦し、二人を逃がした。
昔世話になったが、すでにFBIを退職しているベアード。しかしもうボケている。敵がまた襲撃してくるが、なぜかベアードがここで正気を取り戻「動物園に行け」と指示。
近くにあるこの動物園もリックが働いていたところ。サバンナやジャングルに似せた作りになっている広い動物園。ここでリックとマリアンは敵と対決する。猛獣やワニも味方にして戦う。
■ はじめに
本作の基本構造は比較的シンプルである。
リック・ジャーミン(メル・ギブソン)は自分が関係した麻薬事件の裁判で証言し、ソレンソン(デビッド・キャラダイン)は刑務所送りになり、ディッグス(ビル・デューク)は指名手配となった。
リックは証人保護制度によって、名前を変えて各地を転々とし、いろいろな仕事をしていた。FBIのリックの担当はルー・ベアード(ジェフ・コーリー)であったが退職し、今はジョー・ウェイバーン(スティーヴン・トボロウスキ)に代わっている。
ソレンソンは仮釈放となり、ディッグスとともにリックに復讐しようとする。ウェイバーンは裏切ってソレンソンに協力する。
リックのかって恋人マリアン・グレイブス(ゴールディ・ホーン)は、偶然リックに再開した。二人は三人の追及を逃れて、一緒に逃亡する。二人はかってのリックの仲間を頼って逃亡する。
この逃亡過程でリックとマリアンとの掛け合いが面白い。あえて言えば、これが本作の見どころ。かっての仲間とのドタバタが展開される。なので本作は解説を読んだだけでは良さが分からず、実際に見てみる必要がある。いや、失礼。
■ あらすじ
◆ マリアン
リックが「メキシコでの飛行機事故で死亡」した後、(悲嘆にくれていたはずだが)四か月後に金持ちと結婚した。しかし離婚してポール・バーナード(ジャクソン・デイヴィス)という恋人がいる。
弁護士で、M&Aなどにも関係しており、かなり金は持っている。また金だけではなく財布の中にはリックの写真も持っている。
◆ リックとマリアンの再会
リックはデトロイトでビリー・レイの名前でガソリンスタンドで働いている。修理工場もある。
仕事でデトロイトに来たマリアンが給油に寄るが、リックではないかと思い声をかける。リックは否定。右肩にあるはずの入れ墨を確認するが入れ墨はない。
リックは逃亡している身の上なのでFBIの担当者ベアードに電話をかけるがウェイバーンが出る。ウェイバーンはソレンソンにリックの所在を連絡する。この時ウェイバーンはリックの情報を自分のFDに保存しFBIのシステムから削除する。
ソレンソンとディッグスは、リックの勤務先を襲撃してくる。ガソリンスタンドは大爆発し経営者は死亡する。この時にリックのことが気がかりだったマリアンも近くに来ていて、マリアンの車で逃亡し、マリアンが泊っているホテルに逃げ込む。リックとマリアンは、経営者殺人の犯人としても追われることになる。
マリアンのいるホテルは有名人も泊まりセキュリティは完全なはずであるが、翌朝簡単に襲撃される。窓から逃げ出し、他の部屋を通ってバイクで逃走する。着の身着のままで飛び出してきたので、マリアンは服を購入する。
◆ 美容院
マリアンの車はすでに手配されており二人はあたふた逃げ回るが、うまく巻いてフェリーに乗って逃げた。フェリーの行先は、ミシガン湖を横断してウィスコンシン州のラシーン。
さて二人が次に立ち寄った先は美容院である。リックが働いていたようである。ここでの名前はマティ・カールソン。ロン美容院。
美容院と言っても種々様々であるが、この美容院はかなり怪しい雰囲気である。男性美容師も女性言葉でリックにベタベタしながら抱きつく。大歓迎である。いやリックも女性言葉で応答する。ずいぶんと板についている。マリアンは妹ということになってしまった。
リックは、この美容院のオーナーに借金がある。オーナーも女性言葉ではあるが厳しく催促される。またリックはここに住所録を置いてあるので、これを戻してもらいたい。これにはベアードの住所が書いてある。
リックは金は持っていないのでマリアンに泣きつく。マリアンはカードを使って現金を調達する。しかしカードは監視されており、すぐさま警察が到着。銃撃戦となるが、なんとか逃げる。
リックはバイクを盗んで逃げる。しかしマリアンは乗らない。再度リックが戻ってきて、今度は後ろにまたがる。
バイクで美容院に突入し借金を返して住所録を貰って、ガラス扉を突破し、バイクを走らせる。
◆ 農場
さて今度は農場である。ここでも働いていたらしい。名前はジョディ・ターンブル。マンシー農場。
そこにいたのは、マリアンも負けそうな美人である。いや負けてるかも。レイチェル(ジョーン・セヴェランス)。いや美人と言うだけではない。やたらとしっかりしている。
レイチェルはケガをしているリックの手当てをする。レイチェルはマリアンに嫌味を言いマリアンは反発。マリアンは、やたらとレイチェルと張り合う。
レイチェルは婚約中だとのことだがリックが戻ってくるならば解消するという。そして二人はキス。なんとリックは「いつまでに返事すれば?」と聞く。それはないだろ。それを見たマリアンは「私の立場がない」とわめく。リックが「結婚してるんだろ」と言うと、マリアンは離婚したことを明かす。
さて例によって二人が襲撃してくる。ソレンソンとディッグス。今度は武装ヘリ。ずいぶんと金持ってるな。ガンガンと銃撃してくる。
ここでレイチェルが凄い。美人と言うだけではない。ライフルを持ち出してきて応戦する。これが実に様になっている。顔もきりっとしている。リックとマリアンが逃亡するのを助ける。
二人は飛行機に乗って逃げる。いや飛行機と言っても草むらにとめてあるボロボロのプロペラ機。おまけにプロペラは木製。いつのものか分からない複葉機。
ともあれ飛び立つが武装ヘリが追ってくる。オンボロ飛行機なのでヘリの方が速い。後ろから迫られてガンガン銃撃される。そこでリックは宙返りをしてヘリの上に位置を取る。
そして降下してヘリのローターを壊す作戦である。ヘリは落下して爆発。ただし飛行機の車輪も壊れたので胴体着陸しひっくり返る。この間は例によってマリアンは大騒ぎであるが、なんとか無事。
◆ ベアード
二人はボロホテルに逃げ込む。しかし金がない。マリアンは、もう支離滅裂で「自分の時計を代金に」とか「それがだめなら私を売って」とか口走る。しかしなんとかタダで泊ることができた。
ホテルから出る時、マリアンは(リックには秘密で)恋人のポールに電話する。ポールはウェイバーンが悪人だとは知らないのでウェイバーンに連絡する。
二人はマリアンの時計で買った車でベアードの家に到着。しかしベアードはもう頭がぼけている。
さて当然のごとく、ソレンソン、ディッグス、ウェイバーンが襲ってくる。
ぼけていたはずのベアードが「動物園に行け」と指示をする。ベアードは当家のシェルターに退避する。リックは「ZOO」と書置きをして、二人は動物園に行く。真夜中である。
◆ 動物園
この動物園もリックが働いていたところ。かなり大きく、池や谷があり谷には吊り橋がかかっている。ジャングルやサバンナの想定。
リックはここで彼らに決戦を仕掛けるつもり。中の地形はよく知っている。ワニや猛獣も飼われている。必ずしも当てにはできないが、これらも味方にするつもりである。
二人は門を開けて中に入る。銃があるはずだったが、なかったので麻酔銃で代用する。
そして三人も到着して中に入る。
■ 蛇足
レイチェルがきっぱりした性格で魅力的。なかなか素晴らしい。リックにはもったいない(笑)。
マリアンは、やたらと早口で、やたらと騒がしく、そして口が大きく開く。「キャーッ」と騒ぐのが多い。いやクレームをつけているわけではない。
ゴールディ・ホーンはケイト・ハドソンの母親だが、若く見えるとの評判。1945年生まれ、本作時は45歳。一方メル・ギブソンは1956年生まれ。この年齢差で恋人同士の役とは恐れ入る。彼女はあまり見てないが、可愛い役が多いらしい。それとコメディが多いらしい。
BirdOnWireのタイトルの由来が、本作を見ても(私には)分からない。
メル・ギブソン。「リーサル・ウェポン3/Lethal Weapon 3(1992)」レネ・ルッソと共演。「ブレイブハート/Braveheart(1995)」スコットランドのイングランドからの独立運動。「身代金/Ransom(1996)」これも共演はレネ・ルッソ。「ハート・オブ・ウーマン/What Women Want(2000)」ヘレン・ハントと共演。
ビル・デューク。「灼熱のポールダンス/Yellow(2006)」。
スティーヴン・トボロウスキー。「テルマ&ルイーズ/Thelma & Louise(1991)」「ルームメイト/Single White Female(1992)」「ジキル博士はミス・ハイド/Dr. Jekyll and Ms. Hyde(1995)」「カレの嘘と彼女のヒミツ/Little Black Book(2004)」。
ジェフ・コーリー。「不意打ち Lady in a Cage (1964)」共演はオリヴィア・デ・ハヴィランド。「明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid (1969)」。
ゴールディ・ホーン。「サボテンの花/Cactus Flower(1969)」共演はイングリッド・バーグマン。のちに「ウソツキは結婚のはじまり」としてリメイク。「ファール・プレイ/Foul play(1978)」教皇を狙う陰謀。「潮風のいたずら/Overboard(1987)」。