目次はこちらTOC(制約理論)は革新的なのか?


私はMRPを擁護する立場ではないが、MRPの補足を兼ねてMRPについての誤解ないしは説明不足をいくつかの点でカバーしたい。

TOC(制約理論)を初め生産管理関係の書籍に、「MRPはサマリー型部品表を採用している」と書いてあることがある。本書でもそのように書いている。 64p。サマリー型部品表と構造型部品表の違いについてはホームページで別途説明している。簡単に言えば部品構成が階層構造となっている場合、すなわちある製品の中間製品がある場合、その中間製品を構成する部品をバラシテ登録する方法をサマリー型、中間製品の構成を保持したまま登録する方法を構造型と言っている。

これは「部品の登録の仕方の違い」であって「生産管理ソフトの機能の違い」ではない。私はサマリー型でしか登録できないMRPシステムあるいは生産管理パッケージと言うものをただの一つも知らない。きちんとしたMRPの説明を読んでもらっても分かる。またMRPの書籍には、構造型で登録された部品構成を辿って部品所要量を計算する「レベルバイレベル展開」というロジックが必ず説明してある。例えば「SEのためのMRP」、「生産在庫管理システムの設計」。なぜこのような説が流布してしまうのだろうか。