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腸から健康を考えるアテリオ・バイオ社長のブログ

健康の要は腸内フローラ。自身の体験をもとに、おなかから健康問題に取り組む活動をお伝えします。

ヒトの腸内フローラにはパターンがあるようです。この分野はまだ研究が始まったばかりで、報告によって差がありますので、研究が進むにしたがって変わってくる可能性もあります。
私たちの研究グループが調べたところでは、日本人の腸内フローラのパターンはさまざまな種類があることがわかってきました。ビフィズス菌が多いタイプ、日本人に多いとされたルミノコッカスタイプ、アメリカ人に多いバクテロイデスタイプ、東南アジアやアフリカに多いプレボテラタイプなど様々なタイプの人がいます。これは食事が多様化して、従来の日本食ではない食事が一般的になってきたせいでしょうか。
ビフィズス菌が多い人や少ない人がいますが、炭水化物を分解したり、肉を分解したり、機能面でみるとほぼ同じになっているという報告があります。ですから基本的にどのタイプになっても、あまり気にする必要はありません。
大切なのは腸内のpHがどうか、それによって腸内フローラの善玉菌と悪玉菌のバランスはどうかということです。
このブログで何回も書いていますが、腸内pHが高いと腸内フローラは悪玉菌主体になって、発癌性のある腐敗物質などをつくるようになります。これが生活習慣病をつくる原因となっています。
腸内フローラと病気の関係は、まだ研究が始まったばかりの新しいジャンルです。ビッグデータの活用など新しい手法も始まっています。これらが融合することで、近いうちにがんなどの生活習慣病を克服する日がくる予感がします。


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年齢とともに腸内環境は悪化します。腸内細菌の集まりを腸内フローラといいます。お花畑のようにいろいろな細菌が競っている様子を表しています。
ヒトの体は毎日食べるものでつくられていますが、この腸内細菌たちも私たちが食べるもので養われています。
そして面白いことに、この腸内細菌がつくる物質によって、私たちの腸が養われているのです。
どういうことかというと、私たちの腸は酪酸というものがエネルギー源になっています。腸の蠕動運動や腸の細胞をつくっているのも酪酸なのです。この酪酸、実は腸内細菌がつくっているのです。
酪酸をつくる菌は、腸内が酸性(pH 5.0~6.5)では善玉菌なのですが、中性からアルカリになると腐敗物質をつくる悪玉菌になってしまいます。中には発がん性物質をつくる仲間の菌もいます。
酪酸の原料となる乳酸や酢酸はビフィズス菌や乳酸菌がつくります。腸内フローラはこれらの菌が連携をとってヒトの健康に役立っている状態と、ヒトの健康に悪い状態がうらはらなのです。
どっちに転ぶかは私たちが食べるものによって決まります。日本食をとっているとビフィズス菌が増えます。肉やあぶらっこい食事をとっているとビフィズス菌が減ってしまい、腸内はアルカリ性に傾きます。
腸内フローラが健全かどうかは、ウンチを見ればわかります。黄褐色のなめらかなバナナが出ていれば立派な腸内フローラです。下痢や便秘の状態は、残念ながら良い腸内フローラとは言えません。便秘や下痢が続くと、腸の栄養である酪酸がつくられない状態が続きます。そうするとますます腸の機能が落ちてきて、便秘や下痢の負のスパイラルに入るのです。これががんなどの生活習慣病が増加している原因と考えられます。実際に腸内に酪酸を発生させるとがんの発症が低下することが報告されています。
下剤や下痢止めは一時的には症状が回復するのですが、腸内フローラを改善するわけではありませんので、腸の栄養である酪酸はつくられません。アロエや漢方便秘薬は体にやさしいと思っている方もいますが、実は刺激性下剤と同じ成分が入っていますので、常用することは避けなければなりません。便秘や下痢が治らずに薬漬けになる理由がこれなのです。
ほんとうに良い健康状態をつくるためには、食事によって腸内フローラを改善するしかないのです。


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IBSについては何回か書いていますが、若い人を中心に増加しているうえに、有効な治療法が確立していないので、多くの方が現在も大変困っているのが現状です。
実はこのIBSに私も大変悩まされました。私の場合は親元を離れて自炊を始めたころから徐々に悪化したように思います。自炊といっても気の向いたときに好きなものを食べるという程度で、全く栄養面は考えていませんでした。
家にいたころは自動的にご飯が出てきましたが、一人暮らしではそうはいきません。でも好きな時に好きなものが食べられる。それまではほぼ米食でしたが、一人暮らしになってからは、パン食やスパゲッティ、ラーメンなどの麦食が多くなりました。それも食べたり食べなかったり。
そうこうしているうちにオナラがよく出るようになり、下痢が多くなった。就職して会社の寮に入っても、寮のご飯はまずいので、自室で厚切りトーストにバターをたっぷり乗っけて食べていました。
オナラと下痢の状態は悪化を続け、毎日決まった時間に腹痛がおこり、トイレに駆け込む毎日、オナラを我慢するためにおしりに力こぶができたほどに、緊張の毎日が続きました。
それが今ではすっかり治りました。おなかが落ち着いているのはなんと楽なんだと実感しています。人生が変わったように思います。
何をしたのかって? それは食事なんです。自分で開発した乳酸菌サプリメントも飲んでいますが、食事面でも気を付けています。
IBSになる人はストレスに弱いというように言われがちですが、自分の体験から違うように思います。IBSになるのは食事が原因で、IBSになってしまうと、ストレスに反応しやすくなるというのが正しいのではないかと思います。
いずれにせよ、IBSを克服することは可能です。IBSが原因で登校拒否になり、人生がくるってしまう人が出ないように、私の経験を生かしていきたいと思います。


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