以下、できあがった作品の写真の一部をご紹介します。





子どもたちが、自分の作品について語る時間を大切にしているのと同じように、恭子さんと私も、毎回セッションが終わった後、片づけながら、あるものでざっとつくったご飯を食べながら、セッションの振り返りをしています。それぞれが気づいたこと、思ったこと、次回のテーマはどうするか、など、、、
自分とは視点や感性が違うパートナーから、自分はみていなかった聞いていなかった子どもの言動などをきくことで、それぞれの子どもが、アートベースでの時間でどんな体験をしていたのか、というのをはかり知ることが出来、それは今後どんなテーマや材料を子どもたちに提示できるか、という議論のために、とても参考になっています。
そして、それぞれの子どもの特性や、友達やアートとの関わり方の話をしていると、
いかに生きているか、というテーマにもつながってきて、しばしば話が脱線しています(苦笑)
じゃぁまたね、お疲れ様、
と別れた後も、その日振り返りながら話した内容をそれぞれがかみしめていって、続きメールで意見交換したり。
今回は
”アートベースは名前のとおりアートによって人間としてのベースを作る、発掘する、磨く場所だと感じてきた。 自分以外の誰かと響き合えるってすごいね。頭絞って考えて、例えそこに子どもが反応しなくても、さらに面白い発見がある。”
という恭子さんからのメールがきて、嬉しい気持ちになりました。
今回凄く面白かったな、と思っていることの一つは年中、年長さんたちの制作のプロセス。
まず、いろんな素材で影をつくる。
例えば、画材のローラーに釘をさしたものに光をあて壁に影として映し出すと、まるで風車のように見える。もとの素材とは全く関係ないイメージが浮かび上がってくる面白さを見出し、まるで研究室のような雰囲気を醸し出しながら、あれこれ重ねたり組み合わせて3D→2D白黒 の変化を楽しんでいました。 光源と、モノとそれが映し出される壁までの距離で、実際のモノの大きさが肥大化する様子は、3歳の子どもたちも興味深くみていました。
そして!影の輪郭を画用紙にうつしとると、例えば、最初はペットボトルに水を入れたものだったのが、毛虫のようにみえてきます。そして、色やモノを加えていくうちに子どものなかで、毛虫のイメージが、新幹線になっていきました。
学校などでお絵かきするときは、描く対象物がきまっていて、それを写実的に描くか抽象的にかくか、というような選択肢がある、という経験はよくあると思うのですが、自分の作品に対する心象が自分の書いたものに色を加えながら向かい合っているうちに、違うものになっていく、そして、その心の視点の変化のままに思うような色をたしていく、制作を続けていく、という内的プロセスは、とても面白い、と思います。
ある物体が、影になり、影の輪郭が、色彩や凹凸が加えられた作品になる。
理屈で体験はしてないかもしれませんが、
一つのものごとは、自分次第でいかようにも解釈できる、さまざまな視点が存在する
今見えているもの その姿だけが 真実のすがたとは言い切れないこと
という体験をしたのではないかと思います。
3歳のこどもたちも、1時間半ほんとうに集中して作品に取り組んでいました。
一つの模造紙に向かって、3人の女の子が一緒に手をつないで立って影をつくり、3人が並んで自分の影の輪郭にそれぞれが取り組んでいるのですが、一人は、マットにマットに塗りこんでいき、一人は、多めの水で絵具をといて、あわーく色づけしては布でふき取りというのを繰り返し、一人は、ちょんちょんちょんちょん、と筆先をつかって埋めていく。
また、絵具の中に手のひらをつっこんでぐわ~ とその感覚を楽しんでいるお友達がいるところに、他の子どももくわわって、一緒にみんなで手を色でデロデロにしたり。
もう終わった~、完成!
と言いに来て、ああそうなの。 と返事をしておくと、
すこし 部屋の中をふら~と歩き回ってから(きっと何気なくみんなの作品や制作の様子を観察しているのだと思います)、また自分の作品にとりくみ始めた子とか。
ずっと時間びっちり、”何かを作ってる” ひつようはなくて、
置いてある、毛糸や布リボンやボタン、食器や野菜など、このアートスペース、というセッティングの場で、素材をみたり触れたりしている、一見 もう飽きたのかな、という時間も、大事だと思っています。学校とかだったら、まだ時間あるからもうちょっとやりなさい、とか、そんなことしてないであいてるとこ塗ったら? ってことも言われかねないし、見ている親ももっとやればいいのに、と思うかもしれないのですが、 積極的に何もしていないけど、感じている、吸収しているプロセスも大事にしたいと思います。
ではでは、長くなりました。
今月はこの辺で。
次回は2月18日(土)です。
13時~ と 15時15分~ の2回。
定員10名
参加費 2000円 です。
ご予約、お問い合わせ artbase.ka@gmail.com
主宰者 灘田 篤子 米国認定音楽療法士 http://musicing.jp
塚田 恭子 イラストレーター 東京芸術大学卒
作品:サンタが街にやってくる (メディアファクトリー出版)、他