癒される速水御舟 ―「世紀の日本画」展 | 編集長ブログ

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 速水御舟「洛北修学院村」

 2年前から文章の書き方を教えている「日本話し方センター」で、学院長になってほしいといわれ、今年、1月からお引き受けした。昨日の土曜日は、午前中から講師の人たちとのミ―ティング。2時前に終わり、せっかく神田まで出たので、上野に行って東京都美術館の「世紀の日本画」を見ることにした。
 最近は洋画より日本画が好きになり、仕事のための勉強にもなるので、時間があれば日本画の展覧会を見るようにしている。5~6年前になるけれど、千住博さんの「ART IN NEWYORK」と題した、当社の雑誌DUNEの別冊を刊行したことをきっかけに、千住さんと知り合い、日本画の見方が少し変わった。彼から光琳の「紅白梅図」の話しを聞き、日本画にも「見る者に挑んでくる日本画」があるのだということがわかった。日本画には「癒される絵」と「挑んでくる絵」があるのかもしれない。
 会場にはまだかなりの人が入っていた。やはり、癒し系の小林古径や速水御舟の作品がいい。ふと、心がなごむ。御舟の代表作「京の舞妓」は迫力があって、どちらかといえば、挑まれる感じ。しかし、今回の出品作の中で、来て良かったと思わせる作品は御舟の「洛北修学院村」だった。しばし、絵の前でくぎづけになった。なんと癒される絵だろう。緑青に群青の取り合わせが絶妙だ。
 もともと御舟は好きだった。山種美術館でも昔から見てきたつもりだけど、この絵は初めての出会いだった。展覧会では、いつも、一瞥で興味を持てない作品は、ほとんど素通りに近い。初めから終わりまで、全部の出品作をしっかり解説まで読んで観て歩くなんていう見方はしないことにしている。
 開高健のいった「感動のきっかけは最初の一瞥にある」という言葉は誠にその通りだと思って、自分の信条にしている。だから、展覧会で、一点でも感動作に会えたら、もうそれで帰ってもいいくらい満足してしまう。今回は下村観山の襖絵「白狐」も発見だった。