ニコルはなに人? (その2) | 編集長ブログ

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ニコルは縄文人である・・・・・と自分でいったりすることもある。弥生人より縄文人に自分を見るような気がするらしい。狩猟の民で、森や海に神がいると信ずるケルト人は、日本の縄文人に繋がっているというニコルの言い分は、彼の顔をしげしげ見ながら聞いていると、うなずけてくるのだ。
ニコルはめっぽう酒に強い。もちろんウイスキーは大好きだが、世界中の酒で日本酒が一番うまい、という。しかし、いまはドクターからの忠告で、日本酒の代わりに焼酎しか飲めない。
昔は、ニックさん(僕は彼のことをいつもはそう呼んでいる)と飲むときは覚悟がいった。でも最近は、さすがに、大酒はあまり飲まなくなった。縄文人に会ったことはないが、彼らは昔のニコルのように、相当の大酒飲みだったに違いない。ニコルは熊も大好きだ。なんども熊と会っているが、怖いと思ったことはないという。さすがは、縄文人だ。
ニコルが日本にやってきて間もないころ、彼は日本のブナの森に分け入って、感動から涙を流した。「こんな森がまだ世界に残っていたのか・・・・」。50年近く前のことだ。そこに、彼の日本における原点がある。
その後、その素晴らしい森が開発の名のもとに次々と伐採されてゆくのを目の当たりにして、彼は怒った。もともと日本人は自分の持っているものの本当の価値に鈍感なところがある。
そこで彼は、自分で身銭を切って(つまり、原稿料から)、黒姫の廃林を買い取り、その森を再生して、「理想の森」のモデルをつくって見せた。30年以上の時間とお金がかかっている。
ニコルが日本人のためにやってきた行為を、エリザベス女王が顕彰した。さすがはイギリスだ。日本政府はなにも顕彰しないし、民間団体からもない。日本人は恥ずかしくないか?
去年だったか、ニコルと東京の鮨屋で飲んだ時、そのことを僕が言ったら、彼はこう言った。「いいんだよ、僕はこの間、天皇陛下と皇后陛下によばれて、僕の仕事を認めてもらった。もうそれで十分満足してるんだよ」。ニコルは大の皇室びいきでもある。