別離の シルクロード
サマルカンド砂漠の中に今も残るシルクロードの古廟群。
これらが作られたのは約1000年前。オアシスを中心にして真面目に働くオアシスの民。その農産物。築き上げた財産を奪い取る砂漠の騎馬部族。それに組する異国のキャラバン。まさに戦乱の世であった。この古廟群は大小多くの部族が殺し合あった“つわものどもの夢の跡”。
日本人はシルクロードと言えば何かロマンを抱くが、歴史の裏には、敗北した部族が錦の着物を裂いて分け合って、いつの日か再会を誓った別離の道であった。
私がシルクロードで知り合った友人に夕食を呼ばれた時、その後、家族と一緒にこの錦裂を見せてくれた。これに似た錦裂は法隆寺宝蔵倉にも眠っている。