昨日ちらり触れましたが、NHK朝ドラ「虎に翼」の主人公のモデルが学んだ明治大学で、
本作の時代考証をしている法学部教授・村上一博先生の講演を拝聴。
核となる日本初の女性弁護士に至るキャリアパス、および時代背景は
かなり綿密に事実をくみ取っている様子でした。
例えば、女性弁護士誕生に理解を示し後押しをした人物が実際いたようで、
筆頭に渋沢栄一の孫・穂積重遠氏の名があがりました。
現在俳優の小林薫さんが演じ(穂高重親という名前で)、いい味を出しています。
一方で、弁護士法改正反対論を唱えた急先鋒が有馬忠三郎という人物。
有馬氏を体現する人物は、今のところドラマには出ていません。
しかし、空気として、まだまだ女性弁護士誕生には圧がかかっている様子は感じられます。
興味深いことに、寅子のモデル・三淵嘉子さんと共に女性弁護士第一号になった2人のうちのひとり、久米愛さんは、のちにこの有馬忠三郎氏の事務所に所属したのだそう。
世の中わからないものです。
また、村上先生自身、資料を調べて驚いたことがひとつ。
それは三淵さんたちが明治大女子部で学んだ当時、毎年のように留学生が
在籍していたこと。
志を持った女性にとって、この学校が数少ない選択肢だったということでしょう。
主に台湾・中国、朝鮮からの留学生で、三淵さんの同期には2人いました。
その事実をNHK側に伝え、最終的にひとりがモデルとしてドラマに採用。
俳優・ハ・ヨンスさんが崔香淑(さい・こうしゅく)という役名で出演中。
実際留学生たちは、母国に戻ってからも多難だったそうで、
なかなか波乱万丈だった様子。
その辺をドラマの中で再現するのかどうかはわかりません。
女子部の脱落者の話もありました。
退学理由は結婚など。
さらに、教授陣は帝大から来るケースが半分。
女子部が終わった後は明大に入学することが弁護士になる条件なので、
勉強の厳しさもあったでしょう。
その一方で、家族構成は大幅にシャッフル。
ドラマとは異なり兄はおらず、弟が4人いたそうです。
最初の夫・和田芳夫氏は嘉子さんの家の元書生だった方。
しかし、戦争がきっかけで氏は亡くなります。
今後、仲野太賀さん演じる書生の優三と寅子がくっつくのかは不明。
写真は、例の明大博物館での展覧会にて:
一番右が嘉子さん。前列左から4番目のメガネの方がご主人。
死別後しばらくしてから再婚したお相手はこちら。
裁判官の三淵乾太郎氏。
上述展覧会のパネルによると、乾太郎氏の父上・忠彦氏は初代最高裁判所長官を務めたほどの
人物だったとのこと。
乾太郎氏、ソフトで優しそう!フジTVのアナウンサーで似たような方がいたような。
「虎に翼」関連ネタが続き、ちょっとしつこいかなぁと思いつつも、
講演会では個人的に面白い発見がほかにもあったので、
そのうちまた虎と翼ネタを蒸し返す予感。
そして土曜日、明治大学から徒歩7分、神保町のランチョンでランチのあと、帰り道。
花筏。
新緑も魅力的。
遅咲きの桜が開花。
ハタザクラ。
つつじもあっという間に満開秒読みなり~。
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