シューマンの世界 | 湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

音楽学・音楽評論に関する執筆活動と、
杉並区阿佐ヶ谷の楽典とソルフェージュ、楽曲分析のための音楽教室「アルス・ノーヴァ」をご紹介しています。

こんにちは。

 

この前のレッスンで、

シューマンの《飛翔》をどのように弾くか、

という話になりました。

いくつかのキャラクターが対比される形で

出てくるのですが、

具体的なイメージを持っていた方がいいですね、

とお話ししました。

 

この作品がファンタジーの世界であること、

シューマンは気分が移り変わりやすいこと、

などなど話してから発想してもらった結果・・

 

冒頭部分の激しい箇所について、

Sさんは、「サリーちゃんのパパ」を連想しました。

ご存知ですか?サリーちゃんのパパ。

Sさんも私も「サリーちゃん」世代です。

サリーちゃんのパパ、

今思うと、全然怖くないですが、

その当時、登場すると

「サリーちゃんが叱られるのではないか」

とドキドキした記憶があります。

 

《飛翔》は天に向かっていく作品です。

サリーちゃんのパパは空の上に住んでいますから、

なるほど!という発想ですね。

 

私は、もっと恐ろしい、得体のしれないもの、

しかも狂気に満ちていて、近づくととりつかれそうなものを

連想しました。

自分ではイラストにできませんが、

シューベルトの《魔王》に出てくるようなものです。

 

ファンタジーの世界のものならば、

どのようなものでもよいと思うのですが、

この時代の作品を演奏するときには、

なにかひとつキャラクターを決めておくと、

イメージが作りやすくなりそうですね。