「あの旋律」を聴音 | 湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

音楽学・音楽評論に関する執筆活動と、
杉並区阿佐ヶ谷の楽典とソルフェージュ、楽曲分析のための音楽教室「アルス・ノーヴァ」をご紹介しています。

こんにちは。

 

和声と分析とソルフェージュのレッスンにいらしているTさん。

3つをローテーションしています。

この日は聴音と視唱でした。

 

聴音は子供のころに、ピアノのレッスンのなかで

すこし先生から教わったことがあるというTさん。

ハ長調の4~8小節の旋律がいっぱい書き込まれた

その当時のノートを見せて下さったことがあります。

 

当教室のレッスンに通うようになってからは、

単旋律、2声旋律、四声体の聴音を

少しずつ進めてきました。

 

調性の種類も増え、タイや付点、シンコペーションのリズムも

書き取れるようになりました。

四声体は、和声の勉強で得た知識も連動させて、

聴こえなくても書けてしまう部分もでてきました

(進行はある程度、決まっていますからね)。

 

そろそろいいかな、と昨日のレッスンで課題にしたのは、

こちらの作品。

Tさん、少し前までドビュッシーを弾いていて、

分析のレッスンでも《ベルガマスク組曲》を

取り上げたりしていました。

 

《亜麻色の髪の乙女》は、弾いていないかもしれないけど、

絶対聴いたことのあるはずの旋律。

冒頭7小節の旋律を取り出して、書き取ってみました。

 

有名なので、口ずさめるかもしれませんが、

タイや、長めにのびる音符をきちんと数えないと

書き取れない旋律です。

 

Tさん、一生懸命数えて・・書き取れました!

 

「知ってる旋律だと嬉しい!」

と喜んでもらえました。

 

「あの旋律だ」と思うと、やる気も出ますね。

でも、ある程度書き取れるようになってからでないと、

このようなお楽しみのレッスンはできません。

名曲はシンプルにできているわけではないからです。

変にアレンジするわけにもいかないですしね。

オリジナルだから、書き取れて嬉しいのだと思います。

 

とても嬉しそうにしていたので、

「次は何を用意しようかな・・」

と、私も楽しみになりました。