6月下旬、1年前に関東から盗聴盗撮調査ご依頼いただいたお客様から連絡がありました。
現在沖縄に住んでいて、6月中に調査して欲しいというご依頼。
昨年の調査時に、沖縄にも住んでいると聞いていました。
弊社調査は、車で直接行ける場所に限定しています。
開業して25年以上経ちますが、北海道や沖縄県で盗聴盗撮調査を行ったことはありません。
仕事以外で月末まで予定が詰まっていたので丁重にお断りしました。
月末にまた電話がかかってきました。
7月×日までならいつでもいいから来て欲しいということ。
非常に困っておられたので、検討してみることにしました。
お客様のご負担を極力減らすために、日帰りで安いチケットが無いか探します。
一括サイトで便を見ましたが、とても日帰りできるような運行状況ではありません。(6月末時点)
しかし、7月からピーチアビエーションが徐々に便を増やす様で、7月3日(金)以降だと日帰り可能。
復路(那覇→関空)の便は多くの空きがありますが、往路(関空→那覇)は残り5席と表示されています。
往路は復路の倍以上の値段。
残り座席が少ないので、さっさと予約しました。
出張準備にとりかかります。
全ての機器を持っていくことはできません。
全ての調査機器・工具・サンプルなどを床に出して必要な物をピックアップ。
航空機出張での調査機器
右下のパソコン以外はスーツケースに。
振動・衝撃に耐える様、小分けしてギッシリと詰め込み。
なんとか全て入りました。
調査完了後、直ぐに詰め戻せる様に、何枚も写真を撮影。
パソコンは傘・カッパ・タオル・雑巾・マスク・除菌ジェルなどと共にリュックへ。
JRで関空に向かいますが、何が起こるかわからないのでJRと共に南海のダイヤも印刷。
最悪の場合も考慮し、車の準備もしておきます。
実際この出張の2日後、強風で関空連絡橋のJR・南海・道路の全てが一時通行止め。
3日後には、関空近くの日根野駅で架線トラブルがあり、JRは夕方から終日運休。
関空はこれがあるから怖いんです。
何が起こるかわからないので、かなり早めに出発します。
家を出る前に「KIX 連絡橋情報」を確認し、3つ全て正常運行を確認。
5時前に家を出て、リュックを背負いスーツケースを転がしながらJRの駅へ。
それにしても人生初の沖縄、作業服で行くとは思いませんでした。
飛行機に乗るのも久しぶり。
無事関空に到着し、バスで第二ターミナルへ。
せっかちな気質であり、またいろんな機器を詰め込んだスーツケースがトラブらないか不安だったので、さっさとチェックインして並びます。
先に飛び立つ別便の女性の方がすごくトラブっていました。
私はあっさり通過。
エアバスA320、6席×30列の180席。
満席
コロナ禍に、こんなに詰め込まれるとは思っていませんでした。
Peech恐るべし。
金曜日の08:00時発。
値段が高いのもなんとなく納得。
完全に密な状態。
横の席は活発そうな若いお姉さん二人。
今は、年配の落ち着いた人の方が嬉しいんですが…
当然、機内サービスはありません。
コロナ対策で販売も一切ありません。
小雨の中を飛び立ち、ずっと雲の中を飛んでいましたが、到着が近づくと晴れてきました。
那覇に着く手前で 奄美大島やその周辺の島が綺麗に見えます。
今回の出張で、唯一南国景色が見られた瞬間。
定刻通りに新しくできた第二滑走路に着陸。
よく晴れて蒸し暑い。
タラップを降りてバスに乗り込む時に、お客様から空港に到着したというメール。
お客様に車で迎えに来ていただいています。
帰りも送ってもらいます。
今回、お客様のご住所は聞いていません。(旅費の先払いも一切いただいておりません)
前回調査・今回のお問い合わせ電話で、信頼関係が成り立っています。
乗車後、直ぐに高速に入り調査場所に向います。
聞き慣れた地名のインターを何か所か通過しましたが、どこに伺ったのか今でも不明。
まっ、どーでもいい事ですから。
車中、海兵隊で感染者が一人出たという話を聞きました。
「広がらなければいいですね。」
という様な会話をしていました。
あれから2週間、東京・大阪とは違う形で沖縄(米軍)も大変な事になっています。
1時間程でお客様宅に到着。
早速調査開始。(11:50)
帰りの便は20:25発ですから、最長で7時間近く調査可能。
まずは、状況確認。
電話で色々聞いていますが、実際の戸建て住宅の室内外を見て頭の中を整理して行きます。
更にお話しを聞いてから作業開始。
一番心配されている事は、この建物内の会話を本州でリアルタイムで聞かれているのではないかという事。
この場合、以下の5つが考えられます。
- 集音マイク・盗聴器・カメラをお客様のWi-Fi、または盗聴犯のWi-Fiで転送
- 専用の盗聴器を接続した携帯電話機や、盗聴アプリが入ったスマホを室内に設置して盗聴
- 室内設置盗聴器電波を近隣で受信し、それをネット・電話回線で転送
- コンクリートマイク等の集音音声を、ネット・電話回線で転送(電波で近隣に無線送信してからの場合も含む)
- お客様のスマホに盗聴アプリなどがインストールされている
まずはコンセント内部検査。
次に天袋から天井裏の電気配線を確認。
更に建物周りをぐるりと一周し、換気扇・エアコンスリーブ穴・換気口や外壁などを確認。
特に怪しい点はありません。
次に電波調査。
まずは、電波探知機と周波数カウンタで全ての部屋をチェック。
次に、スペクトラムアナライザをWi-Fi検出モードでチェック。
予備のスペアナでお客様ご自身でも調べていただきます。
お客様の機器以外、室内のいずれの場所でもWi-Fi電波は検出しません。
次に、通常のスペアナ調査を行います。
設定周波数を変更して、何度も室内を廻り電波状況を確認。
最後に広帯域受信機と受像機で、片っ端から受信・受像。
異常なし。
パソコンからネットワークを確認しましたが、不審な機器はありません。
また、Wi-Fiルーターのログイン履歴も怪しいものはありませんでした。
上記の5つ目以外は、電源が必要。
長期間継続して盗聴する場合は、100V電源に接続する必要があります。
これに関しては、まず最初の作業で確認しています。
電池で動作させる場合も、頻繁に電池交換・充電が必要。
屋外に設置する場合も、敷地に入って電池交換・充電しなければなりません。
調査時には一切何も取付けられていないのを確認。
お客様のスマホに関しては、絶対に大丈夫とのこと。
今後の対策
室内に関しては、既に中国製のネットワークカメラを購入されています。
しかし、先月の電話で私がいろんなお話しをしたので、未使用状態。
というのも、信頼できないメーカーのネットワークカメラは、第三者に見られる可能性があります。
現に、世界各国のネットワークカメラを見ることができるサイトがあります。
関東と沖縄に住まいがあるので、空き家に中国製、住んでいる場所に国内有名メーカーのネットワークカメラを追加購入し、入れ替えながらご利用される事をお勧めしました。
屋外に関しては、電池動作の屋外設置用赤外線検知カメラをお勧めしました。
また、ドア横に車を停めておられるので、動体検知モードのドライブレコーダとUSB電源を利用した撮影方法も説明。
ただし、動体検知録画は映像の変化により動作するため、撮影方向に気を付ける必要があることも説明。
建物ドアの鍵は既に交換済み。
しかし、ドア横の郵便受けが致命的。
昔からある、外から郵便物を入れると、玄関の床に落ちるタイプ。
ここから特殊工具を入れると、鍵を開けられます。
また、鍵を閉めることもできます。
ゆえに、鉄板などをネジ留して閉めきり、第三者が開錠・施錠した場合、破壊した証拠が残る様にする事をお勧めしました。
17:00に調査完了。
お支払総額は91,000円。
内訳
調査代金 42,000円(再依頼20%OFF)
出張手当 15,000円(チケットガード2,700円、電車賃約2,000円含む)
航空運賃 34,000円(実費)
空港まで送っていただきます。
キビキビした運転なので、安心して助手席に乗っていられます。
ずっとしゃべりっぱなしですが、途中お客様から不安になる話が…。
那覇空港は自衛隊なども共用しています。
以前、お客様が搭乗後、誘導路上で1時間近く待たされたという話を聞いて一気に心配になりました。
1時間も待たされら、JRの終電のみならず南海の終電にも間に合わなくなります。
タクシーで帰ると、1万数千円。
スクランブル、海難事故、誘導路や滑走路のトラブルが無いことを祈ります。
第二滑走路が運用されているので、もうその様な事はないと思いますが…
全く沖縄らしい景色は見られませんでした。
単なる都会の道を往復しただけ。
空港到着は18時。
20:25発ですから、十分に時間があります。
1時間程、スーツケース転がしながら1~4Fまで舐め回す様に見学。
フロアマップを見ると、4Fに見学者デッキがあります。
行き方が解らず、迷いながらやっと屋外のデッキに来ました。
暑い、そして誰もいません。
独り占めで、行ったり来たりしながら写真撮影。
暑いので建物内に移動。
見慣れた風景。
この斜め上にいつも見ている琉球朝日放送のライブカメラがあります。
最近はJALの方向ばかりで、ANAの方向に切り替わることがありません。
一通り見終わったので、1番に搭乗手続きを済ませ、保安検査もさっさと受けました。
喫煙室でタバコ吸いまくって休憩。
この飛行機で帰ります。
ボーディング・ブリッジで乗れる様。
帰りの座席は、横や前の列に人はいません。
シートベルト着用ランプが、ほとんどつきっぱなしでたが、大して揺れずに快適。
定時に関空着陸。
タラップを降りて傘を借りて200m程を土砂降りの中歩きます。
まっ平らな地面は一面1センチ程の水におおわれていて、ビシャビシャ歩きます。
腕と足元がずぶ濡れになりました。
後方に座っていたので最後の方に降りましたが、コンベアはまだ回っていません。
皆さんスーツケースの出待ち。
なのに、私のスーツケースを含め3個が横にポツンと置かれていました
なんで?
午前4時50分に家を出て、翌日午前0時15分に帰宅。
JR・関空連絡橋・Peach・お客様による送迎、全てトラブル無くスムーズに事が運びました。
5時間の作業、空港内・駅内の移動、自宅と駅の徒歩往復、那覇空港内1時間の見学。
それ以外は、飛行機・電車でボーッとしているだけでしたから、全く疲れませんでした。
長距離運転は気をすり減らします。
運転しないって本当に楽。
今回、荷物のまとめ方や機材の選定など実績ができたので、これからは各種交通機関での出張調査も行うことにします。
調査機材をスーツケースから元に戻したり、消毒したりで翌日は半日潰れました。