畳み掛けてくる不安たち 30 | 心臓病児と家族のオフロードレース

心臓病児と家族のオフロードレース

お腹の赤ちゃんの心臓がおかしいと言われてから、ガタガタ道のオフロードレース。途中棄権できたらどんなにいいか…
しかし、棄権をすることは出来ない。命の灯火を消してはならない。ならば思い切り輝かせよう!!家族の想い。幸せと葛藤。そんな伝えるべき体験を!!

ICUの日々。
黄疸がひどい。

この子に私達がお父さんお母さんだよ!
ってわかってもらいたくて、
夫婦の写真て応援メッセージをベッドの見える場所に貼り付けた。

「いつも一緒だよ〜っ」と想いを込めた。

ある日、我が子の身体を綺麗にするケアをさせてもらった。

身体は危ないから動かせない。
傷もあるので濡らせない。

ICUのベッドで、頭を洗うのだ。

細長いペットボトルにシャワーの口になっているものと、洗面器を用意してもらえた。

体の下には、ベッドが濡れないように、
吸水パッドを。

まずは、
頭をガシガシシャンプー。

泣いている。
心臓が苦しくなるので、早めに終わらす。

しかし、初めての赤ちゃん。
小さな頭。
そして、手術明けの小さく弱い赤ちゃんの頭。
どんな力加減かも、わからず戸惑った。

緊張しすぎた。
でも、ようやくあの産まれたままの血がついた汚い髪が綺麗になってスッキリ。

手のひらは、洗面器につけて、
ガーゼで擦る。

垢だらけ💦💦もう大変。

この世に産まれてから、
怒涛のごとく過ごした日々の疲れを労う。

それからすぐICUを卒業し、
ハイケア病棟H ICUに移された。

ここには循環器の子ばかりいた。

心臓の子達にはハイケアが必要だから、
ここが専門病棟となっていた。

ここには赤ちゃんだけの部屋があり、そこに。
しかし、ICUと比べると、一気に看護体制が減るので大丈夫か不安になった。

そこでは、退院に向けて、授乳やケアなど自分でやる機会が増えていった。

とにかく眠らない子だった。
とにかく泣き続ける子だった。
看護師さんからは手がかかるから、総理!と呼ばれていた。

ある日は、小さな60歳の看護師さんが、
両手に2人の赤ちゃん、首からスリングで娘を。

合計3人の赤ちゃんを、同時にあやしていた。

看護師さんも超大変!!

娘はとにかく大変だったよう。

ある日、面会にいくと、

口にはおしゃぶりが落ちないように、
口かせのように、はずれないように顔にくくりつけられていた。

そして、自動で動くゆりかごの機械の中で、ガシガシ激しく揺れていた。

え?!!大丈夫なの?!窒素しないの?
って心配になった。

いちいち看護師さんは、
外れたらまたつけるって出来ないからなんだけど、

いくらチュッチュッしていたくても、したくない時もあるし、
オェってしたい時は危なくないのか?
と可哀想になった。。

そういう時は、複雑な気持ちになる。
早く連れて帰ってあげなきゃって。

もうすぐ退院…ってとこまで来た時、
「傷が開いてきちゃったので、再度オペで縫います。」
と言われ承諾書のサインを差し出された。

えーーーーー😭
何が起きたか、どのくらいの事態なのかもわからず、
大丈夫なのか心配だった。

先生は、当たり前かのごとく淡々と話すけど、
初めての母にはかなりショック🤯

この世界は、
いったいどんな世界なの?

そして、その答えもわからないまま、
オペも終わり、明くる日すぐ退院になった💦💦

エーー!傷を閉じたばかりなのに怖い😭

退院の日の朝、
お風呂の入れ方を教わってなくて、
慌ててレクチャーが行われた。

傷には、手術後にはる大きな透明シールがされていた。
まじまじ見る血色をした大きな傷。

目を背けたくなった。

見慣れない傷が、
大事な我が子にクッキリあるって、精神的にかなりキツイです!!

医療者は慣れて感覚が鈍くなってるけど、
私達からしたら痛々しい傷が
産んだばかりの子についてる訳で…
胸が張り裂けそうになるのです。

手術で使った糸は溶ける糸なんだけど、
縫合をし直すトラブルが起きたので、
抜糸が必要な糸で縫い直している。

「外来で抜糸をします。」
と告げられた。ガーーーン。

「膿がでたら、赤くなったら、高熱が出たら、すぐに連れてきて!」
と言われても、、

膿ってどんな感じなの?
赤いって、すでに腫れて真っ赤なんだけど。

わかんないよ。
どうしたらいいの?
誰にも聞けないし、退院する恐怖に押し潰されていた。

これから始まる、家での生活。

治りましたよ!!っていうならいいけど、
まだ次のオペがある。

根治手術まで、あと2回。

今は、まだ血中酸素濃度60%。
健康な人間は100%
エベレスト登山以上の息苦しさで生活しないといけない。

この時はまだ酸素もなく帰された。
モニターなんてない。
赤ちゃんの様子を見てるしかない。

徐脈で、脈も60しかない。
健康な赤ちゃんの半分。

泣くとチアノーゼでドス黒くなる。

不安しかない。
恐怖でしかない。

この子を、
初めての新米ママが
どうして育てることができようか…

この病院は、退院サイクルが激早!!
他の病院ではオペ後1ヶ月は入院なのに、
この病院は心臓手術後、数日で退院となる。

娘は、心臓を止める大手術をした後、4日で帰ったこともある。

このスーパードクターの方針のようで、
じゃないと、沢山産まれてくる命が助からないからだ。
沢山のオペをこなして、ベッドを空けて、受け入れられるようにしている。

今は、この病院のドクターが代わり、ゆっくり1ヶ月以上の入院があたりまになっている。

娘が産まれた時は、短いサイクルだったので、
傷のチェックは毎日親が!
そして、何か膿んできたら、あればすぐに電話ください!!

とそんな感じで、

母としての責任が大きすぎてプレッシャーにやられた。