真アゲハ ~第96話 張 孝英6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



アサギ「あっれ~?帝くんどこ行ったんだ?」

ロビン「ファッ?」

名古屋市内のとある雑居ビルの屋上
そこに輝人の実兄である斑目アサギと、相棒のロビンがいた
アサギの足元には人工芝生の巨大なカーペットが敷かれ、その上には大きなテントが設営され、巨大なコンロの上にはTボーンステーキやロブスター、彩り豊かな野菜が豪快に焼かれている
もはやこれは、キャンプ以外何物でもない

アサギ「折角、力つけてほしいからって色々奮発したのにどこ行ったのかなぁ?」

ロビン「ファーッ」

アサギ「ま、いっか!どうせお腹空いたら帰ってくるだろうし!今のうちにダッチオーブンでローストビーフも焼いておこっと!あ、あとお酒の準備しておこう!お酒…飲むよね?」

帝の姿が見えないが、子供ではないためすぐ戻ってくるだろうと心配しない
待ってる間、豪快キャンプ飯を作り続ける

その頃、帝はホテルの屋上プールで張と出会っていた
張は、帝の変わり果てた姿に驚くが、瞬時にネクロだと理解する

張「初めましてではありますが…去年の夏にも“私達”はご実家にお邪魔してるんですよ。覚えてますか?」

帝「……あぁ」

張「その節は、劉がお世話になりました。あと一歩と言うところで邪魔が入らなければ、問題無かったのですが…まさか生きていたとは驚きました。しかも、ネクロとして…」

帝「ジジイ、俺とやりたいのか?殺気が駄々漏れだが……」

振り返り、血管が浮き出た顔を見せる
既に殺気は読み取っているみたいだ

張「えぇもちろん、“龍の一族”を殺したいと言う時に丁度…貴方が現れてくれたので嬉しくて嬉しくて……!」

次の瞬間、張は帝に飛びかかる
先程階段を駆け上がった時に使った“古竜絶拳 古足ノ速”だ
同時に指先を槍のようにし、帝の胸を狙う

張「“古竜絶拳 古角ノ突”」

ガキィンッ!

張「…!」

帝「…貴様、本当に老人か?実際は若いと言うネクロではないのか?」

直前になって、帝が七星剣の側面を使い、指を止めていた
七星剣には傷ひとつ付いていない

張「残念!」

負けじと張は、さらに技を繰り出した
槍のように伸ばした指先を拳に変え、両手で交互に打ち込む

張「“古竜絶拳 古弾ノ拳”」

ドドドドドドドッ!

素早い打ち込みが、帝の腹に打ち込まれる
その打ち込みは、細かいが集中的な痛みが入る
まるで弾丸を撃ち込まれたかのような感覚だ

ドォンッ!と最後の1発が入ると、帝は後ろへと飛ぶ
帝の腹からは、シュウゥ…!と白い煙が出る

張「……流石と言ったところですか」

打ち終わった後、張は自身の拳に手応えを感じていなかった
それもそのハズだ
帝の腹は鍛えられていたため、服の傷だけで済んだ

帝「もう終わりか?」

帝も殺られっぱなしで終わらない、反撃に出る

帝「獣人術“獅子”型 獅子ノ爪」

爪を立て、張に攻撃を仕掛ける
張は構え、爪を受け止めた
だが帝はそれで終わらない

帝「獣人術“獅子”型 獅子ノ牙」

ドドドドドドドッ!とこちらも素早い打ち込みを入れる
張に受けた技をそのまま返してるみたいだ

ところが、張は全く効いてない

張(防御力が高い“古竜絶拳 古鎧ノ装”。これで攻撃は凌げますよ…!)

帝「まだだ、俺はその上を行く」

張「!」

帝「獣人術 “獅子”型 絶帝神(タテガミ)」

ブゥンッ!

張「ぬぅおぉっ!」

七星剣を使った大技だ
拳を打ち終わった後で繰り出されるとは思ってなく、張は反応が遅れる
だが何も対策を練っていない訳ではない

張「“古竜絶拳 古翼ノ刃”」

一歩後ろへ下がり、技を繰り出した
飛ぶ斬撃で大技を凌ぐ
その斬撃がぶつかり合うと、すぐに2人は接近し出す

帝「獣人術 “獅子”型 獅子ノ狩」

張「“古竜絶拳 古銀ノ牙”」

帝の蹴り技、張の膝蹴りがぶつかる
蹴り技同士がぶつかると、ブワァッ!と風が起きる
お互い脚を掴むこと無く、帝は七星剣を、張は拳をぶつける

帝「ほう、なかなかやるな」

張「貴方こそ、流石長男と言ったところですね」

七星剣を振り回しているため、帝の方が有利だ
張は避けるしかない

帝「どうした?避けるだけで終わりか?」

張「いいえ、今ですね」

帝「!」

七星剣が真っ直ぐ伸びた瞬間を見計らい、張は七星剣の真横に避ける
すると七星剣の上に乗り出す

帝「ぬぅっ!」

先端に乗られたため、重さに耐えられず七星剣を持ったまま体勢を崩してしまう
その重力を利用して、張は飛び込んだ
上から狙うつもりだ

帝「くっ…獣人術 “獅子”型 獅子舞!」

体勢を崩した時に脚を向ける技を発動する
だがその技を読まれていたせいか、直前で避けられてしまった
さらに最悪なのは、張の狙いは自身の頭だと言うことが分かった

張「“古竜絶拳 古鎚ノ頭”」

ゴォンッ!

帝「ぐぅうっ!」

頭蓋骨がぶつかり合い、大きな鐘の様な音がした