真アゲハ ~第73話 天雨 克幸10~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



丸原「む、宗方さん…っ!」

宗方「いつの間にかこんなに侵入者がいたとはな、ったくアホな奴らばかりだ」

そう言うと宗方は耳に付けていた通信機に手を当てる
通信機を通じて、他の幹部や円に伝えるつもりだ
ここで止められなかったら、計画がパアだ

鮮斗「させるか!」

宗方「!」

鮮斗が武器のメリケンナイフを装着し、宗方に飛びかかる
突然の行動に驚き、宗方は避けるが、同時に通信機が耳から外れてしまう

宗方「チッ!このガキッ!」

鮮斗「ハァッ!」

通信させないために、鮮斗は宗方にメリケンナイフを向け、攻撃を繰り返す
だが宗方はスレスレのところで避けて、さらに銃を向ける

ズガンッ!

犬渕「銃声だ!」

円「あ?」

輝人(まさか…!)

取引中の輝人と円にも聞こえ、校舎側を見る
円は耳に付けている通信機から、中にいる幹部に連絡する

円「おい、何があった?」

鹿島『今の銃声は…校舎からだ』

多部『アレ?ソウイヤ宗方ハ、ドコ?』

円「は?宗方いねぇの?おい!宗方!?」

円は宗方に連絡を取ってみるが、宗方から返事はない
何かあったのかと思い、円はゆにを連れて校舎へと戻ろうとする

ゆに「キャッ…!」

円「来い!取引は中止だ!」

輝人「…いいや、お前が出てきた時点で続行だよ!」

円「!?」

引き留めるために黒羽に変装をしていたが、もうその必要はない
輝人は両手から火を出し、バーナーの様な強い火力で飛び込み、一気に円との距離を詰める

円「なにっ!?」

輝人「ゆには返して貰うぜ!」

バキッ!

円「ぐぅッ!?」

勢いで円の顔面に膝蹴りを入れる
それと同時に通信機を円も落としてしまい、円からの通信も切れた

多部「アレ?オ~イ!」

鹿島「…何かあったな、多部行くぞ。お前らはそいつらを見張っていろ」

克幸「…?」

円と宗方の身に何かあった事を確認し、多部と鹿島は体育館を出ていく
他の部下は生徒達を引き続き見張る

同じ頃、鮮斗と宗方の戦闘はまだ続く

彩耶華「那取さん!」

鮮斗「先に行け!こいつは任せろ!」

宗方「行かせる…かよっ!」

宗方は武器のレイピアを抜き、メリケンナイフを押さえる
見た目とは違い、力は強いが、鮮斗も負けない

その間に日奈子達と炎と彩耶華は体育館を目指す

鮮斗「っ…天雨克幸は、どこだ!?」

宗方「あ?なんだお前、あいつの手下か何かか!?」

鮮斗「手下?違うな!ネクロハンター“ピラニア”だよ!」

宗方「うおっ…!」

力で押しきり、宗方を離す

鮮斗「…思い出した、“骸骨(スケルトン)”の宗方久吾だな。リストに載っていたな」

宗方「へぇ…!俺を知ってるのか、光栄だな。だがピラニア…?ハッ、俺食えるところねぇが大丈夫か?」

鮮斗「心配するな、骨1本残すつもりねぇから」

メリケンナイフとレイピアの刃が光り、2つの刃がぶつかり合う…!





綺堂「…」

同時刻
漫画家の『New堂雲』こと星浦綺堂は、名古屋駅にいた
指名手配中のこの男がここにいる理由、それは今日が約束の日だからだ

『名古屋~、名古屋~』

名古屋駅に新幹線“のぞみ”が到着する
その中から、大勢の外国人が降りていく

綺堂「…ようこそ、名古屋へ」

劉「お招きどうも、先生?」

張「しばらくお世話になりますよ」

それは、中国マフィア“羅刹天ーラクシャーサー”だ
とうとう日本に上陸してしまったのだ

金剛丸「ふぅ~、懐かしいな!ただいま、俺の故郷!」

ガロン「結構充実してそうだな」

カミラ「わぁ~、雰囲気違うねぇ!」

幹部はもちろんだが、その他にも連れてきたみたいだ

劉「“龍の一族”全員、逃げられると思ったら大間違いだ。この名古屋から完全に消してやるよ。もちろんあの探偵同様な!」

ボスの劉は額と腕に血管を浮き出す
今にもアビリティで変化しそうだ
だがその時、駅に設置されているテレビに反応する

『只今銃声が聞こえましたが、校舎内で何が起きて…!』

張「…おや、穏やかではありませんね」

それは千鳥工業高等学校の籠城事件の中継だった

カミラ「え~!?何々!楽しそう!」

綺堂「…よろしければ見ていきます?到着した記念の、余興として…」


ー天雨 克幸ー





『真アゲハ』キャラクタープロフィールの紹介


☆天雨 克幸

①8月15日
②181㎝
③A型
④おにぎり(梅と鮭)
⑤運動
⑥計算
⑦千鳥工業高等学校3年生
⑧父(勉)のみ
⑨袋槍
⑩千鳥工業高等学校の生徒会長。厳しいところもあるが、皆に慕われている。しかし月見山高等学校の生徒会長の城戸小真知とは、幼少期から犬猿の仲で喧嘩が絶えない。
 父親は愛知県の政治家で、「天雨議員の息子」と言う肩書きが好きじゃない。高校まで自由な進路を許されているが、大学は決められたところへ向かう。
 武器の袋槍は、普段から鍛練をしていて、得意武器にしているだけ。




○NEXT●

→千鳥工業高等学校の生徒達の救出作戦が始まった。多部と炎、鹿島と彩耶華が戦闘に入る一方、宗方との戦闘で、とある真実を知る鮮斗。
 その真実を知った時、鮮斗の怒りが爆発する…!