真アゲハ ~第68話 森久保 ユウナ6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



ユウナ「あ~、楽しかったし美味しかったぁ~」

それから数時間が経過し、ユウナとカンナは名古屋市内に戻った
戻った時には夜になり、暗い
レンタカーを置いて、帰路に着く

カンナ「結局、釣り対決は姉さんに負けちゃった…」

ユウナ「いやいや、カンちゃんと同じだよ!」

カンナ「同じ?私が3匹で、姉さんが6匹…数は姉さんの勝ちじゃん」

ユウナ「でもカンちゃんのお魚皆大きかったよ!私のお魚皆小さい奴だったし、親子だったのかなぁ~?」

カンナ「そんなの……まぁでも、お魚美味しかったね」

釣った魚は後でスタッフに炭火焼きにしてもらい、全部美味しく食べられた
釣りが終わった後も予約していたカヌーで川下りをして、楽しい時間を過ごせた

カンナ「楽しむこと…か」

ユウナ「ん?何か言った?」

カンナ「姉さん、特別講習行ってくれてありがとう」

家に着く前に、カンナはユウナにお礼を言う
今日ユウナが特別講習を行わなかったら、また成長出来なかったと思う
するとユウナが笑い出す

ユウナ「…フフフフフw」

カンナ「何がおかしいの?」

ユウナ「カンちゃん、久し振りに会ったけど変わったねw」

カンナ「え?な、何が?」

ユウナ「表情柔らかくなった。探偵事務所にアルバイトしてるからかな?いいバイト先見つけたね」

カンナ「そ、そう?」

ユウナ「うん!さて、明日はお買い物楽しもうね!でも帰るのヤダなぁ~、カンちゃんと一緒にいたいよぉ~」

カンナ「もー姉さんったら」

溜め息をつくが、表情は柔らかいままだ
カンナも明日お買い物をするのが楽しみなのだ

するとカンナのスマホが鳴った
輝人からだ

カンナ「はい、もしもし?」

輝人『カンナ遅ぇよ!すぐに出ろ!』

電話から聞こえた輝人の声は、焦っている様子だった

カンナ「え!?いや今気づいたところで…」

輝人『じゃねぇや!お前家か!?』

カンナ「え?いや外にいて…もうすぐ家ですけど?」

ユウナ「?」

カンナの電話にユウナも止まる
どうやら何か事件が起きたみたいだ

輝人『…それで近くの腕時計ショップで強盗が起きて、お前悪いが加勢してくれないか!?』

カンナ「え!?」

輝人『今日奈子と航平がそっちに追い込んでる!俺も今からそっちに行くから!』

そう言うと輝人の電話が切れる
とりあえず状況は読み込めないが、カンナはすぐ臨戦態勢に入る

ユウナ「どうしたの?」

カンナ「…あ!姉さん、実は…」

バタバタバタバタ…!

カンナ「!」

向こうから強い足音が聞こえた
見てみると、あのガイ・フォークス・マスクを付けた黒ずくめの強盗3人組がこちらに向かって走ってきていた

カンナ「…強盗だ!」

ユウナ「え?強盗?」

ユウナも目を凝らして見るが、ユウナは戦えない
ここは自分が戦うしかない

カンナ「姉さん、危ないからどこかに離れていて?あいつらは私がやる!」

ユウナ「え?カンちゃ…」

カンナ「大丈夫、今度こそ私やれるよ!」

笑顔でユウナに答える
その眼から、自信を感じた
それを信じたのか、ユウナはその場から安全なところへ離れた

…ポヤァァ…!

カンナ「…!」

その時、カンナのエスポワールのピアスが優しく光出した
今までこんな事無かったのに、突然の事に驚く
だがこの反応は前に日奈子から聞いたことがある

日奈子『確かあの時、エスポワールが光ったなと思って起動してみたら、籠手の形が変わっていて、効果もついていたんですよ!』

カンナ(つまりこれは…エスポワールの進化?)

?「ん?誰だそこにいるのは!」

?「どけー!」

カンナ「!」

強盗3人組がカンナに気付く
ここで逃がしてしまったら、大変なことになる
迷うこと無くカンナは、エスポワールを起動する

カンナ「…!?」

ピアスが変形し、いつもの武器の双棍が出てくる、ハズだった
だが出てきたのは、双棍より長いものだった

9本の鉄の棒が、鎖で繋がれ、持ち手部分が太い鞭みたいな形をした武器だった

カンナ「これは…!?」

ユウナ「…?」