真アゲハ ~第59話 グレイシア2~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



栗栖「…そろそろツバサさん達も来る頃かな?」

輝人達に警備をお願いしたツバサ本人もやって来る
もちろん東郷や薫子、そして炎もだ

彩耶華「ツバサさん?」

輝人「この前見たろ?俺の母親」

彩耶華「あぁ、あの方でしたか」

日奈子「皆さんコスプレしてくるって言ってたから楽しみだね」

茜「あ、あれって北見様じゃありませんか?」

航平「!Σ((((;゜Д゜)))」

茜の発言で航平はビクッ!と反応する
と言うのも、薫子がどんなコスプレで来るのか怖いからだ

航平(きっと殺し屋の格好で来るに違いない…!そうしたら俺マジで殺される…!)

普段の薫子の目付きに加え、スリリングな殺し屋の仮装をしてきたら、間違いなく恐怖が襲いかかってくるかもしれない
そう思うと航平はビクビクして振り返ることが出来ない

薫子「あ、航平くん!」

航平「は、はひぃいっ!((((;゜Д゜)))」

振り向かないと決めていたのに、薫子の声に反応して振り返ってしまった
もうダメだ…と一瞬思ってしまったが、目の前には予想外な薫子の姿があった
カボチャの被り物と紫とオレンジのかわいらしいワンピースを着ていた
ハロウィン名物の“ジャックオーランタン”だ

航平「…あ、あれ?」

ゆに「やば!可愛いんですケド~!」

カンナ「カボチャ可愛いですね!これ手作りですか?」

薫子「うん、本物はもったいないかなって思って発泡スチロールで作ってみたの。皆かっこいいね!」

東郷「お~、皆見事に仮装が分かれたな!」

薫子の後に東郷、ツバサ、炎も現れる
東郷は頭にネジが埋め込まれ、ツギハギのメイクに、肩パッドを入れたフランケンシュタインの仮装だ

始「うおーっ!東郷さんかっけぇ!」

茜「まぁ、よくお似合いですよ!」

東郷「そうかぁ?いやおっさんがこんな格好なんてって思ったが、皆も仮装してるから楽しくなってきた!」

輝人「年考えろよババァ…なんだよそれ(・・;」

ツバサを見て言う輝人は青ざめる
ツバサは黒いウェディングドレスと黒いベール、黒い口紅に黒いアイメイクをしたまさに花嫁ゴーストの仮装だ
所々血糊やダメージが入っていて、クオリティも高く、手には真っ黒な薔薇の花束を持っている

ツバサ「あら、たまにはドレスも良いでしょ?それに露出なんてしてないじゃない」

炎「全く…良い年こいた大人が今になって仮装とはな…。恥ずかしいったらありゃしないぜ」

輝人「いやキョンシーのお前に言われたくねぇわ!Σ((((;゜Д゜)))」

ツバサの横にいた炎も仮装をしていた
中国妖怪のキョンシーだ
ちゃんと帽子に札も貼られてある

栗栖「やっぱ着たんだね…」

炎「…俺は嫌だと言ったんだ。ツバサに無理矢理着せられた」

ツバサ「まんざらでもない顔していたのはどこの誰よ」

輝人「どっかの誰かと一緒じゃねぇかw」

彩耶華「お、お似合いですわよ先輩…w」

炎「おい待て、なんで彩耶華がいるんだ」

日奈子「炎さん可愛い!(*^^*)」

それぞれの仮装を褒め称える
航平も薫子が予想外な仮装をしてきたので、安心したのだろう
薫子に話しかける

航平「か、可愛いですね!北見さん!」

薫子「ありがとう航平くん。航平くんも良く似合ってるよ」

航平「ありがとうございます!」

薫子の仮装に安堵する航平

航平(良かったぁ!てっきり殺し屋の仮装かと思っていたけど、安心したぁ!これで怖い思いをせずハロウィンを楽しめ…)

薫子「あ、そうそう。熊八達家族もハロウィンナイトに参加するんだって」

航平「え?そ、そうなんですか?」

薫子「ここで待ち合わせなの。もうすぐだと思うけど…あ!来た来た!」

薫子が遠くを見て手を振る
その方向を航平も見る

するとそこには

熊八「佐伯クん!トリッく・おア・トりートぉぉっ!」

と叫びながらチェーンソーを持って駆け付ける殺人鬼Jの仮面をした熊八が現れた

航平「ギャアァーーーッ!」

迫ってくる殺人鬼(熊八)に驚き、悲鳴を上げて、航平は白眼を向いて倒れてしまった

薫子「あれ?航平くん?もー、熊八がびっくりさせるからでしょ?」

熊八「あリゃ、寝ちゃっタ」

輝人「イタズラされたなw」

紗綾「あ!お義姉さん!こんばんわ!お招きありがとうございます!」

宙人「ギィー!」

そこにやってくる熊八の家族
妻の紗綾は右手の鉄の爪が特徴的な殺人鬼F、息子の宙人は殺人鬼の魂が乗り移った人形Cの仮装をしていた

ゆに「うわーヤバ!ウケる!w(*>∀<*)」

始「ダハハハハハ!家族揃って嘘でしょ!?w(*>∀<*)」

彩耶華「クオリティがすごすぎません?」

薫子「わぁ~すごいね紗綾ちゃん!」

紗綾「こう言うのやってみたくて…変ですか?」

宙人「ギィーッ!」

東郷「意外な趣味だな…子供にまで…(・・;」

ツバサ「まさに“殺人一家”ね」

輝人「被害者もう出てるぜw」

航平「ピクピク……(|||´Д`」

熊八「佐伯クん、風邪ひクよ?寝チゃダめ」

炎(誰のせいだと思ってんだ…(・・;)