真アゲハ ~第56話 ロブスター12~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



クリスティーヌ「…!」

理沙がオーバーネクロ・クリスティーヌに変わってしまい、攻撃を仕掛けてくる
喪服を思わせる用な真っ黒なドレスに身を包み、その黒いドレスのリボンを鞭の様に操る
輝人は自分のアビリティの炎で対抗するが、炎が弱点みたいだ

輝人「なんだ、簡単じゃねぇか。あとはどこかに“核(コア)”があるハズだ。それを壊せば…」

クリスティーヌ「ウオオオオ!」

輝人「!うおっ!」

クリスティーヌから無数のリボンが襲いかかる
輝人は避けるが、避けた先に傘の先端がある事に気が付く
先端が輝人の腹に当たる

輝人「ガハッ…!」

ドォンッ!と勢いのあまり、壁に激突する
腹と背中に同時に激痛が下る

輝人「っ…!やっぱオーバーネクロだな…つえぇ…!」

クリスティーヌ「…」

神戸「おいおい、簡単にくたばるなよ?」

すると神戸が前に出る
表情が先程と違う

神戸「その布、俺がズタズタに切り裂いてやるよ!」

そう言うと、持っていたネクロの灰のカプセルを1つ振り出す
自分のソードブレイカーに嵌め込んだ

『仮面(mask)!』

ソードブレイカーに嵌め込むと、形が変わった
民族風の木のお面に無数の刃物が生えた、変わっているお面になった

神戸「ってちょっと待て!お面でどうやって戦えってんだ!お面付けて笑わせろってか!?」

輝人「はぁ?」

神戸の反応からして、初めて使ったかの様な雰囲気だった
輝人は神戸を

輝人(こいつ、実はアホなのか…?)

と思った。しかし

神戸「…なんてな。おかげでナイフが増えたわ」

と、ニヤリと笑った神戸は、その仮面を持ち、クリスティーヌに突っ込んだ
クリスティーヌは神戸を見てさらに黒いリボンを向けるが、効果は増えた刃物を振り上げる

ズバァッ!ズバァッ!ズバァッ!

クリスティーヌ「ギャアァァッ!」

刃物が増えた事で、ダメージは倍増
さらにリボンもズタズタになっていく
神戸を止めようと傘の先端を向けるが、神戸はギリギリのところで体勢を低くして、滑ってクリスティーヌの方へ向かう
リボンをズタズタにしたように、クリスティーヌのドレスもズタズタにしていく

クリスティーヌ「ギャアァァッ!」

神戸「ん?なんだこいつ…!」

切っていく内にあることに気が付いた
それは、クリスティーヌの中身だ
ドレスを纏っていて分からなかったが、中身は空洞で、何もない
つまりクリスティーヌ自体、軽くて浮いているのだ

神戸「…本当に中身が空っぽだったって訳か…!」

ズバッ!と胸のところを斬ると、中から赤く光る球体が現れた
クリスティーヌの“核(コア)”だ

神戸「あった!よしっ…!」

“核(コア)”を見つけ、すぐに神戸は刃物を向ける
ところが

…ギュムッ!

神戸「ん?あれ?」

なんとクリスティーヌの黒いリボンが、神戸のお面に巻き付いてしまったのだ
それも雁字搦めに巻き付き、抜けない

神戸「おい!ふざけんな!ほどけ!」

あと一歩のところで絡まってしまい、振って離そうとするが、そこでカプセルの灰の光が消えてしまった
解除されて、元のソードブレイカーに戻ってしまった

神戸「おい嘘だろ…」

バキッ!

神戸「ぐはぁっ!」

神戸の脇腹に傘の先端が入った
勢い良く、地面に叩きつけられる

神戸「くっそぉ…!」

クリスティーヌ「グググ…!」

輝人「ったく何やってんだよクソガキ!」

神戸の攻撃が外れたため、輝人が飛びかかる
狙いはもちろん“核(コア)”だ
だがクリスティーヌも傘を振り回し、輝人に攻撃をする

輝人「もうその攻撃は見切ったぜ!これまで色んなオーバーネクロに会ってきたが、お前はそこまで強く無かった方だよ!」

輝人は攻撃を避け、一気に胸に近付く
そして火の拳を、“核(コア)”に向けて放った

輝人「“火爆ーイグナイトー”!」

ドォンッ!

ビキッ…!バリィィィンッ!

クリスティーヌ「ギャアァァァァ~~~~!」