真アゲハ ~第50話 鹿島 現次郎9~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



コバルト「炎くん…それに彩、いやペンギンちゃんも!」

炎「騒ぎを聞いてここまでやってきたが…どうやら当たりみたいだな」

ペンギン「まさかこんなに、ネクロがいたとは驚きましたわ」

コバルト「ちょっと…俺のピンチに駆けつけてくれるなんて!もう2人とも大好き!(*⌒3⌒*)」

炎「うるせぇ」

半グレ組織“烈怒羅夢”の円達と交戦中だったコバルトの前に、炎と財前彩耶華ことペンギンが現れる
円達も、人数が増えた事に驚く

宗方「なんだぁ?ペンギンのパーカーに仮面って…コスプレか?」

多部「オレノパンチヲ、トメルナンテ…!」

鹿島「見たところ、ただ者ではなさそうだな」

炎「さて、この世に未練が無いなら、大人しくその首を渡してもらおうか?」

炎は中国剣を鞘から抜き取り、円達に向ける
だが、円だけ反応が違った

円「…なぁるほど、俺らを狙っての攻撃…。お前らが例のネクロハンターって訳ね?」

炎「!」

ペンギン(この男…私達の存在を!?)

円の口から“ネクロハンター”と言う言葉が出てきて、炎達は驚く
すぐにコバルトを見るが、コバルトは「言ってない」と言う答えで、首を横に振る

円「以前俺らを嗅ぎ回っていた男がいてね。そいつをちょっと痛め付けたら、“ハンター共が来るからな、お前らネクロは終わりだ”って啖呵切ってさ。どういう意味か分からなかったが、お前ら見て理解したわ」

炎(まさか…“サーディン”の事か?)

ネクロ暗殺集団『アクアリウム』の専属情報屋は数人いて、そのメンバーには“鰯(サーディン)”の名前が与えられている
数ヵ月前、ネクロの調査のために1人の情報屋“サーディン”を送ったのだが、突然連絡が途絶えてしまったのだ
今の円の話を聞いて、途絶えた理由が分かった

コバルト「…そいつ、どうしたの?」

多部「ツミレジルニシタ」

ペンギン「最低ですわね」

鹿島「何のために俺らを調べて、殺しているのかは分からないが、突然襲いかかるのは反則じゃないのか?」

宗方「あんたら、俺らを狩ってどうするんだ?」

炎「決まってるだろ?貴様らネクロは、存在してはいけないんだ。その能力のせいで、何人もの人間を苦しめていると思っている」

円「好きでこんな能力持った訳じゃないのに、死ななきゃならないって?そんなの…不公平過ぎだろ」

次の瞬間、円はどこからか拳銃を取り出し、引き金を引く
すぐに炎は中国剣で受け止め、そのまま円に突進する

円「おっと!」

突進してくることを読んだのか、指の関節を鳴らす
瞬時に消えて、炎の背後に回り込む
背後から気配を感じた炎は、中国剣を振り回す

炎「オラァッ!」

円「そう何度も同じ目喰らうかよ!」

中国剣をナイフで受け止める
だが、力の差でナイフが弾かれ、中国剣が円の腕に届く

円「っ!」

鹿島「このガキぃ!」

炎が後ろを向いている隙に鹿島がスレッジハンマーで炎を狙う
だがそれをペンギンが、刃物を取り出して止める

ペンギン「ハァッ!」

鹿島「!…ほう、鉈か。女にしては珍しい物を持ってるな」

多部「ダガ、チカラノサデ、オレラノカチィィイッ!」

ペンギン「きゃあ!」

途中で多部が入り、スレッジハンマーに力が加わった事でペンギンは押し返された

コバルト「おいおい、女を大事にしないやつは嫌われるぞ!」

宗方「貴様、邪魔をするな!」

コバルトも応戦するが宗方にレイピアで止められる
どちらも1歩も引かない戦いになる

そう思われたが、突然終わりが来た

警察「コラァ!何してるお前達!」

円「!ヤベッ…!」

騒ぎを聞いて駆けつけたのか、警察が現れた
警察を眼にすると、円達は逃げ出す

円「次は殺す!」

炎「上等だ」

警察に捕まれば面倒なことになるのは『アクアリウム』も同じだ
炎達3人も逃げ出す

ペンギン「…1人も仕留められなかったですわ」

コバルト「ごめん、俺が思ったよりてこずったからだ」

炎「いや、ネクロのアビリティが思ったより強力だったんだ。相手が悪すぎた」

コバルト「!…へぇ…」

炎からまさか励ましの言葉をいただくとは思ってもいなかった
だがネクロを仕留められなかったのは事実だ
計画を立てて、再度襲撃を仕掛ける事にした





日奈子「ふぁ…あ、おはようございます茜さん」

茜「おはようございます日奈子様、お顔を洗ってきてくださいね」

翌日、朝食を作る茜に日奈子は挨拶をした
洗面所を使うように勧めると、日奈子のスマホに栗栖からメッセージが届く

栗栖『おはよう、朝からごめんね。至急、茜さんに確認して!』

日奈子(ん?栗栖さんからだ、なんだろう?)

メッセージアプリを開くと、栗栖からの急を要するメッセージと、とあるURLが届いていた
気になった日奈子はそれをタップする
それは、とある週刊誌の記事の内容だった

『殺人犯A、出所してすぐ女と密会!?反省の色なし!』

日奈子「…え…!?あ、茜さん!?」

その記事には、昨晩の食事をしている茜と鹿島のツーショット写真がデカデカと載っていたのだった


ー鹿島 現次郎ー







『真アゲハ』キャラクタープロフィールの紹介


☆鹿島 現次郎

①4月5日
②178㎝
③O型
④豚の角煮
⑤プラモデル
⑥運動
⑦元建設業→半グレ組織“烈怒羅夢”
⑧兄のみ
⑨創造(ビルド)、スレッジハンマー
⑩元建設会社に勤めていたサラリーマンで、そこで事務職をしていた茜と知り合いだった。
 5年前に冤罪で拘置所に入り、バッシングを受けたことから自害したが、ネクロとなる。その後はアビリティを手に入れ、出所まで鍛えていた。
 40代だが、筋肉質で若く見える。あまり話さないが、知り合った当初から茜に恋をし、心の中では彼女をベタ褒めするなど、ものすごく喋る。





○NEXT●

→茜と鹿島がスキャンダルの対象となり、その記事を載せた週刊誌の会社へと、輝人達は乗り込む。
 茜を巻き込んでしまった責任を感じた鹿島も、その会社へ円達と乗り込むが、そこにいたのは“蜂を操る”女ネクロだった!?
 そしてその裏であのマッドサイエンティストの存在が明らかとなる…!