真アゲハ ~第42話 龍 炎6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



帝「…ガハッ…!」

未だに続く帝と劉の死闘だが、帝の喉に、劉の拳が入った
骨折には至らなかったが、喉を損傷してしまった
さらに帝の脚にヤマアラシの針が貫通してしまう

劉「これでさっきみたいな咆哮は出来ないな。助けを呼べることもな」

帝「た、助けを呼べる…だと?そんな弱者の真似などしない!」

帝は喉と脚を負傷しているがすぐ反撃に出る
両腕に拳を作り、劉に向ける

帝「獣人術 “獅子”型 獅子ノ牙!」

ドドドドドドドッ!

その拳は順番に前後に動き、連続打撃となった
劉は受け身の構えを取る

劉「ヒュー!いい拳だ!」

帝「…いや、まだだ」

帝は姿勢を低くし、回し蹴りを入れる
劉の脚を捉え、劉は体勢を崩す

劉「ぬぅ!」

しかしこれだけでは終わらない
劉の身体が床に着くと同時に、帝は自身の身体を上げるかのように、拳を劉の顎に向けた

帝「獣人術 “獅子”型 獅子舞!」

バキッ!

劉「があっ!」

顎にもろに喰らった劉は空中で1回転をする
そのまま床に倒れるかと思いきや、猫の様に綺麗に着地した

帝「…!」

劉「…くっフフ…!なかなかやるな、油断したよ。ただの人間にしては、だが」

顎を殴られたせいか、口から血が流れる
だが表情は笑っていた

帝「人間にしては…か。貴様は一体なんなんだ?何故その力を…」

劉「これはお前には一生手に入らない力だよ。一生…いや例え死んでも手に入らないだろうがな」

帝「死んでも…だと?」

劉「さぁな、お喋りは終わりだ。続きと行こうか。今度は…」

すると劉の脚が突然太くなった
それは、象の脚だ

劉「百獣の王と呼ばれるのはライオンだが、これには勝てるかなぁ!?」

そう言った瞬間、劉は脚を上下に動かした
重い脚を踏み続けた事で、地震が起きる

帝「…だからなんだ?」

帝は地震に目もくれず、劉に攻撃を仕掛ける
高く飛び上がり、全体重を使い、身体を大きく回転させた
両手を両足を広げ、劉の身体を捉える

帝「獣人術 “獅子”型 獅子ノ乱舞」

その時だった

劉「…バカめ!地震は囮だぁ!」

劉が顔を上げる
その直後両腕を帝へ向けると、腕が変化した
カマキリの鎌部分になった
帝が飛んでくると予想し、瞬時に捕らえた
帝の獣人術が不発に終わった

帝「ぐぅっ!」

劉「毒にかかって終いだ!いただきます!」

瞬時に帝に向けて、牙を向ける
その牙は、キングコブラの猛毒が仕込まれている
しかしそう簡単には殺られない

帝「獣人術 “獅子”型 獅子ノ爪!」

ドスッ!

劉「ぐぅっ!」

噛まれる前に、帝が劉の脇腹に爪をめり込んだ
ブシャッ!と脇腹から血が流れる
突然の事で劉はアビリティを発動出来なかった
その痛みで帝を離してしまった

帝「ふぅ…」

劉「何安心してんだ?」

帝「!」

離れたことで安心したのか、帝は立ち上がる時間が遅かった
劉は再び間合いに入っており、腕の形を変えていた
ズバッ!と帝の額を、何か鋭い物がえぐった

帝「ぐぅっ!」

見てみると、劉の手が黒い毛で包まれ、鋭い爪を持った動物の腕に変わった
額をえぐられた事で、血が流れてしまい、帝の視界が悪くなる

劉「捕らえたと思ったが、臨機応変な対応は素晴らしいな。だが…俺もそろそろぶちギレそうだよ。お前に殺られてばかりなのもつまらない」

帝「目が…っ!」

血によって前が見えず、しかも咆哮が使えない
これでは劉の位置が分からない

劉「どこを見ている」

帝「!」

その声は右側から聞こえた
すぐ飛ぶが、脇腹に激痛が走る
爪でえぐられたのだ

帝「っう…!」

劉「さっきのお返しだ。もう何も見えないから、とっととくたばれよ、死に損ない」