新アゲハ ~第73話 ヴァルゴ4~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



未来乃「はぁ…はぁ…っ」

フェリックスとの戦闘で勝った未来乃は、傷を抑えながら、熟成室の扉を開ける
そこは厨房だった

未来乃「…厨房と繋がってたんだ…」

厨房の作業台の上には、白いタオルが広がっていた
調理用のタオルの様だ

未来乃(…本当は調理用だろうけど、応急処置のために良いよね?)

タオルを手にし、ビリッと破く
怪我をしている腕や脚に包帯代わりとして巻く

未来乃(…それにしても、さっきのフェリックスさんは一体何…?)

先程フェリックスはハートレスではない怪物になった
赤い水晶玉を壊した後は元に戻ったが、灰となって消えてしまった

未来乃(あれは壊してはいけないものだったとか?だとしたら私……いや、そんなことは今は考えない!)

傷口に包帯を巻いた未来乃は厨房を出る
そこは廊下になっていた

未来乃(敵はいない…よし)

敵の存在が無いか確認すると、壁を使ってゆっくりと歩く
その時

…コツンッ

未来乃「…!」

どこからか足音が聞こえた
近付いてくる
未来乃は逃げるか隠れようとしたが、廊下が長く、すぐ隠れられる場所もない

未来乃「ど、どうしよう…!」

コツンッ…!コツンッ…!

未来乃「っ…!」

?「…え?未来乃?」

未来乃「え?」

足音が消え、声がした
その声は、知っている人物の声だった

竜也「未来乃…お前大丈夫か?」

ビショップとの戦いを終えた竜也だった

未来乃「たっ…!竜也くぅ~んっ…!」

竜也「うお?どうした?」

泣き止んだばかりだと言うのにまた泣き出し、竜也に抱き付く
安心と大切な人を亡くした辛さが、仲間を見ただけでブワッと涙腺が崩壊した
だが竜也は、未来乃の身体にタオルが巻かれ、血が滲んでいる所を見て、

竜也(あぁ…怪我したのか?だから泣いてるのか?俺も怪我はしてるんだが…まぁいいか)

と勝手に思った

竜也「お前も無事だったか、良かった。あ、他の皆には?」

未来乃「う゛うん、ま゛だ会えて゛ない…!」

泣きながら話しているため、言葉が濁っている

竜也「分かった、じゃあ一緒に探すぞ」

未来乃「…う゛んっ…!」

竜也(よっぽど痛かったんだな…)

未来乃「…ぐすっ…」


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雪音「…うーん…ここから先はいないよ」

一方、雪音と淳之介も先へと進む
周りに敵がいない事を知って、仲間を探す

淳之介「僕らは下に落ちたから…落ちてないタテハくんと仁くんがどこかにいるはずなんだよね。もしかしたら誰かと戦闘中かもしれない」

雪音「他の皆も心配だけど…どこにいるか分からない。ワープ能力で皆のところに行けたらいいな…」

先程ソアとパダとの戦いで、強化アイテムの力を使ってしまった
大きな力を出そうにも、体力が回復しなければ問題だ

雪音「淳くんも少し休んでね!私が何とかするから!」

淳之介「ありがとう。でも女の子に任せてばかりじゃ、僕も格好がつかないな…」

雪音「…それにしてもさ、さっきのすごかったよね…」

淳之介「え?…あぁ、あれね」

2人が話しているのは、パダの事だ
ソアのエスポワールの能力の黒い水を浴びたとはいえ、あんな巨大な怪物になったのは驚いた
元に戻ったのはいいが、何故あんな風になったのかは分からない

淳之介「…ハートレスではないよね…」

雪音「うん、それにどうしてお姉さんの方は怪物にならなかったんだろう…」

妹のパダが変身した一方で、ソアは何とも無かった
ソア自身も、何故パダが怪物になったのか疑問に思っていた様子だ

すると淳之介があることに気付いた

淳之介「…あれ?そう言えば前に綾辻先生がゾディアックの事を話してくれたよね?」

雪音「うん」

前に黎がゾディアックの事を話してくれた
その時の事を思い出し、何かに気が付いた

淳之介「その時さ…ゾディアックの幹部12人の内、半分の6人が人体実験で人間離れした能力を持ったって言ってたよね?」

雪音「え?確かにそうだけど…」

淳之介「パダって人は、何か能力を持ってたっけ?」

雪音「あ、持ってるって言ってたよ。長時間水中に居れるってさっき本人から聞いた」

淳之介「え?言ってた?」

雪音「あ…えっと、私と水中にいた時に言ってたの。聞いて驚いたけど…」

淳之介「そっか…」

雪音「…どうしたの?」

淳之介は考える顔つきになった

淳之介「…もしかしたら、それが怪物になるのと関係してるんじゃないかな?」

雪音「え…?」