新アゲハ ~第62話 ビショップ・ロー・アザニエル14~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



ビショップ「さらばだ、奏江竜也」

竜也「…!」

ビショップは大きく薙刀を振り下ろした

その時だった

パアァアッ!

ビショップ「!?」

竜也「え…!?」

突然竜也の目の前が光り出す
赤と黒の強い光だ
光の強さに負けたのか、ビショップは攻撃を止める

ソア「あの光…!まさか!」

タテハ「竜也!」

景都「うわ!何!?眩しい!」

タテハ達も大ホールに駆け付ける
竜也の光に驚く

竜也「これ…!」

光が止むと、そこには赤と黒のフィギュアが置かれてあった
エスポワールの強化アイテムだ

タテハ「竜也も…竜也も強化アイテムの条件をクリアしたんだ!」

竜也「俺の…強化アイテム…?」

強化アイテムを手にすると、ビショップに付けられた傷口が綺麗に治っていく
竜也がクリアした条件は“傷付いた心を治す力”だ

ビショップ「回復の効果か…?だがまた付ければいいだけだ!」

竜也「おっと!」

リナ「っ!」

傷が治った事で、すぐ立ち上がる事が出来た
リナを守り、ビショップの攻撃を避ける

景都「竜也くん!リナちゃん!」

竜也「景都!皆も…!」

ステージに景都達が駆け付ける

竜也「悪い!リナを頼む!」

あおい「あぁ!」

穂乃花「リナちゃん、大丈夫?」

リナ「…はぁ…!ありがとう…っ」

ビショップ「チッ…!」

リナを景都達に任せ、自分はビショップと戦う

竜也「俺は…絶対に諦めない!」

竜也は自分のエスポワールのネックレスを取り出し、強化アイテムの台座を嵌め込む
鍵をかけるように回すと、強い光が竜也を包み込む
光が止むと、竜也の姿が変わっていた

銀色のインナーとズボン、白いコートと言うシンプルなデザインだが、白いコートの襟や袖、裾の部分に大きなクリスタルが埋め込まれている
頬にも小さなクリスタルが付き、髪は薄い青色で神秘的な色で、ラメの様な輝きがある

タテハ「すげぇ…!」

仁「ステージ映えって言うか…輝き過ぎて直視出来ねぇんだけど…!」

竜也「…俺が、皆の希望だ!」

ビショップ「くっ…!姿が変わったからと言って、勝てると思わないでもらいたいですね!」

ビショップは薙刀を大きく振る
竜也に傷が入るが、一瞬で治ってしまった

ビショップ「何っ!?くっ…!」

さらに近付いて大きく薙刀を振るが、竜也のコートのクリスタルに弾き返されてしまう

ビショップ「バカなっ…!」

竜也「もう終わりか?ならこっちの番だな!」

竜也が前に手を伸ばすと、武器が現れた
それは大きな斧の様な形をした、ギターだった
竜也はギターを手にし、弦を弾いて曲を奏でた

ビショップ「…!?一体何を!?ふざけるのも…!」

ギターを弾いている竜也に向けて薙刀を振る
その時だった

ブゥンッ!

ビショップ「何っ!?」

竜也A「おいおいどうした?」

竜也B「俺はこっちだぜ!」

何と、竜也が2人になったのだ

ビショップ「これは…幻覚か!?だが無駄だ!私の能力で……ってえ!?」

ビショップはどちらが本物の竜也か理解しようとした
だが“2人とも”竜也だ

さらにそれだけじゃない
竜也がまた曲を鳴らすと、また竜也がもう1人増えた

竜也C「はぁ!」

ビショップ「くっ!」

竜也D「どこ見てんだ!」

ビショップ「ぐわっ!」

いつの間にか竜也が4人に増え、ビショップは混乱する
心を見ても、どれも同じ心で、どれも同じ竜也だ

仁「竜也が増えた!?」

タテハ「どうなってんだ?幻覚じゃ…ねぇのか?」

ビショップ「な、何なんだ一体…!」

竜也A「これは幻覚じゃない、全て俺だ。俺はこのギターを鳴らす事で“分身を生み出す”能力を手に入れた」

ビショップ「分身だと…!?何をバカな事を!」

またも薙刀を竜也に向け、攻撃をした
しかし今度は、泡となって消えたのだ

ビショップ「何っ!?これが本体じゃ…!」

竜也D「さぁ、どうかな?」

ビショップ「くっ!」

攻撃を繰り返すが、泡になって消える
また竜也がギターを弾いて、分身を生み出すので、キリがない
心が全て同じのため、どれが本物の竜也が分からない

ビショップ(くっ…!恐らく本体は最初の弾いたクリスタルの反応を持つ者だ!弾くのは厄介だがこれで…!)

竜也C「フィナーレだな!」

ビショップ「!?しまっ…!」

考え事をしており、竜也がギターを逆さまにして大きく振り上げた
ギターは斧になり、ビショップの薙刀が、折れてしまった

ビショップ「なっ…!」

竜也「もうこれ以上、仲間も…他の人の夢もぶっ壊すなよアリエス!音楽の底力を思い知らせてやる!」

竜也がもとの1人に戻り、斧を強く振り下ろした

ビショップ「っ…!ぐわあぁあーーーーっ!」

ドォォンッ!