会場スタッフ「出場者があと1人来てないなんて…!」
会場スタッフ「これじゃ始まらないぞ!」
テレビスタッフ「生放送なのに…!」
聖「うわー…これどーなるんだ?」
集合時間をとっくに過ぎたと言うのに、出場者が全員集まらない
残りは審査員の胡宇航の娘の梦蝶だけだ
宇航「あのバカ娘……まさか……」
宇航は何故来ないのかすぐ分かった
この郡山は前妻が住んでいる場所だ
来ないのは、前妻に会いに行っているからに違いない
宇航「全く……あの女なんて忘れればいいものを……」
頭を抱え、呟く
その時、車が止まった
車から丸坊主の軍団と梦蝶として捕まった未来乃が降りてきた
未来乃「ちょっと!離して!離してよ!」
宇航「!」
未来乃「私は梦蝶じゃないの!止めて!」
会場スタッフ「あ、現れました!」
聖「ふぇ?み、未来乃⁉」
出てきた梦蝶の顔に聖は驚く
未来乃本人だが、未来乃とそっくりだと言うことを勘違いしていた
未来乃「あ!聖くん!助け…!」
会場スタッフ「早くスタンバイしてください!始まりますよ!」
未来乃「えぇっ⁉ちょっと…!」
未来乃は知らないうちに指定された調理台の前に出された
これで出場者が全員揃い、いよいよ中華料理コンテストの開幕だ
「先生!遅くなって申し訳ありません!」
宇航「構わん、それよりさっさと出ろ」
「はい!」
テレビスタッフ「5、4、3、2…!」
テレビスタッフがカウントし、とうとう始まってしまった
テレビカメラの前に司会者が立ち、説明する
司会者『みなさんこんにちは!今日は待ちに待った福島県中華料理コンテスト!舞台は福島県郡山市の開成山公園で行われております!会場にはたくさんのお客さんも集まっております!』
テレビカメラが開成山公園の周りを映す
観客でいっぱいだ
その中に、あの男がいた
フェリックス「ほぉ、中華料理はここまで人気とはな」
フェリックス・ウヴァ=バロンスだ
午前中少し休暇を取って、こちらにやって来たみたいだ
フェリックス「中国からやって来たって言う料理人もいるとは聞いたが…さて、どんな奴だ…?」
会場を見渡し、梦蝶(未来乃)を見つけた
もちろん、顔を見て驚く
フェリックス「…!驚いたな、伊月未来乃そっくりだ……」
だが、未来乃本人だとは気付いていない
フェリックス「これは面白いな…」
興味深いと思い、少し見物することにした
出場者の紹介と、審査員の紹介を終えると、いよいよコンテストに入る
出場者10名の勝ち抜き戦だ
未来乃(どうしよう…!これって…!)
調理台の前に立って、未来乃はハッとした
ここに立ったからには、調理をしないと帰れないと…!
未来乃(梦蝶はどこに行ったのか分からないし!丸坊主の人達に捕まるし!中華料理作れって言われても分からないし!((((;゜Д゜))))
司会者『それでは行きましょう!まず1品目は…!四川代表料理、麻婆豆腐です!』
聖「おっ!いきなり来た!」
史郎「よしっ!」
未来乃(えええぇっ!麻婆豆腐ぅ⁉((((;゜Д゜))))
麻婆豆腐は中華の王道だ
だが、未来乃は中華料理なんて滅多に作ったことなんてない
未来乃(と、とりあえず材料は…あるね!分量も計ってある状態だ!うん!でも作り方分からないよ!味つけたら片栗粉入れるくらいしか知らない!((((;゜Д゜))))
司会者『制限時間は10分!スタートォ!』
聖「親父!頑張れ!」
史郎「おうよ!」
出場者全員、すぐに中華鍋を振り回す
ただ1人を除いて…
未来乃(まずいよ…!まずいよこれどーしよう…!((((;゜Д゜))))
作り方を知らなくて動けない
下手に間違えたらカメラの前で大恥をかくかもしれない
未来乃(…なめんじゃ無いわよ…!)
だが、未来乃にだって料理人の誇りがある
未来乃(仕込まれたイタリアンシェフの腕…なめんじゃ無いわよ…!例えジャンルが違くても、同じ修羅場は潜ってきたつもりなんだ!やってやろーじゃん!)
材料を素早く切ると、重い中華鍋を持つ
唐辛子やニンニク、豆板醤などを入れ、ひき肉を炒め、細かく刻んだネギを入れ、鶏ガラスープを入れる
豆腐を均等に崩し、よく煮込んだら水溶き片栗粉を入れた
とろみがつくと、味見をする
未来乃(…!出来た!)
未来乃特製の麻婆豆腐が出来た
他の中華料理人も麻婆豆腐が完成した
司会者『はい!そこまでです!』
丁度時間になった
未来乃は達成感を感じた
未来乃(やった…!やったよ!出来たよ私…!)
心から感動した
司会者『それではこれより審議に入ります!』
出場者全員の麻婆豆腐が配られる
宇航「……」