新アゲハ ~第13話 逢磨 張斗3~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



沙都「皆は…学校はもう終わりって事だから、先に家に帰ってなさい。お母さんは、お父さんの面倒見てから帰るから」

友喜「ね、ねぇ母ちゃん…」

沙都「何?」

友喜「父ちゃんあんなだからお店…出来ないよね?その間、どうするの?」

沙都「そうねぇ…私もお父さんから中華料理は教わってないし、接客するだけだから…。しばらくは、知り合いのところでお世話になるわ」

姫希「私達…部活普通にやってていいかな?」

姫希は部活の事が心配になってきた

大樹「おい、こんな時に部活なんてやってられるかよ。考えろよ」

沙都「大樹」

大樹「…!」

沙都「部活は止めなくていいわよ。大会だって近いんだし、大樹も受験に集中して?聖も…」

聖「いや、俺部活辞めるよ」

沙都「…え?」

聖の口から、突然好きなボクシングを辞めると宣言された

沙都「な、何言ってるの?もうすぐあんたは大会でしょ⁉」

聖「だから?」

沙都「だから?って…?」

聖「親父が倒れた原因は交通事故じゃねえだろ?元はと言えば、1人で勝手に朝早くから夜遅くまで毎日毎日仕事してさ。その疲労のせいで今回の事故が起こったんじゃねぇの?」

友喜「に、兄ちゃん…?」

聖「でもただの事故で店をやっていけないってんなら、俺が継ぐよ?」

沙都「ちょっと聖…!」

聖「店を継ぐ代わりに、ボクシング辞めるよ。もしボクシングの大会中に親父の様子が激変したら、大切な大会だって出れなくなる。そんな事が在る前に、俺はボクシングを辞めるよ」

沙都「あのね…!まだ今の歳でそんな心配されても…」

大樹「無理すんな」

聖「あ?」

大樹「顔に書いてあるよ。本当はもっとやりいって」

聖「!」

沙都「と、ともかく!お父さんは大丈夫だから!部活は心配しなくていいからね⁉ね⁉」

聖「もういい、俺は辞めてくるよ。学校に戻る」

沙都「ちょっと聖!」

聖「学校に伝えたらすぐ戻るからさ」

と、聖は病院の外へと走って行った

姫希「もぉ…聖兄ちゃんなんであんなことを…」

沙都「うちを大切にしているのよ。さっき言った言葉があるでしょ?本当はお父さんからの言葉なの」

大樹「え?」

沙都「従業員が自分だけになってるでしょ?もし自分の身に何かあった時でも、子供達には、自分の夢を諦めてほしくない様に言ってくれって」

大樹「親父が…?」

姫希「そ、そうなんだ…」

友喜「俺…聖兄ちゃん連れ戻してくる!」

友喜は聖に聞かせたいと思い、聖を探し出す
その頃の本人は、病院の外へと出た

聖「部活なんて…やっていられねぇのに…!」

父親が事故に遭って、部活どころじゃない
それなのに、家族に言われたことが頭に響く

沙都『部活は止めなくていいわよ』

大樹『顔に書いてあるよ?本当はもっとやりたいって』

聖「…あぁそうだよ!俺だって運動したいさ!したいけど…親父がどうなるか…!」

運動をやっていた方が吉なのか
それともしない方が吉なのか
どちらが正しいのか、分からない

聖「…せめてなら、一気にやりたいけどなぁ…」

と、聖が呟いたその時だった
何かが、自分の心を貫通した
それは、紛れもなくハートレスだった

聖「…!」

初めてハートレスに心を奪われた感触は変な感じだったが、辛いことも何もかも抜かれてスッキリしている
と、そこにファントムから連絡が入った

ファントム『…“アナザープレイヤー”、私の名はファントムだ。ようこそ、アゲハ族の人間よ』

聖「あんたが…ファントム?」

ファントム『そうだ、初めてのハートレスの感想はどうだ?』

聖「…悪くないですね」

ファントム『よし、君の今の辛い気持ちは分かるよ。スポーツをやらせてやろう。残りの今日1日の力でスポーツをやるのだ。その代わり、私も望むものがあってね…取ってきてくれないか?』

聖「…お任せください、ファントム様…」

聖の心を貫通した事で、ハートレスはアンプルと化した
それを見た聖は、自分のエスポワールであるバンクルに打ち込んだ

聖「うわぁぁぁぁぁぁっ!」

アンプルのハートレスと、武器のエスポワールが大きな力を産み出した
すると黒い影が聖の身体を包み込む

影が止むと、そこには怪物の姿があった
赤と青がベースで、肉体改造に成功したかの様な鬼に似た怪物だ

ー日々谷 聖
 改め アナザープレイヤーー

アナザー「…ふしゅー…!」

アナザープレイヤーは早速人を遅い出した

「た、助けてくれぇ!」

他校の生徒で、テニスラケットを持っていた
テニス部員の様だ
アナザープレイヤーは左手で掴むと、バンクルに触れる
その時、バンクルが怪しく光り、テニス部員の生徒を包んだ
瞬間、包まれた生徒はバンクルの中へと入って行った

アナザー「…テニス…」

ただそれでは終わらない
なんと、腕の一部が、ラケットの様な形になったのだ

アナザー「フフフ…!」