沙都「皆は…学校はもう終わりって事だから、先に家に帰ってなさい。お母さんは、お父さんの面倒見てから帰るから」
友喜「ね、ねぇ母ちゃん…」
沙都「何?」
友喜「父ちゃんあんなだからお店…出来ないよね?その間、どうするの?」
沙都「そうねぇ…私もお父さんから中華料理は教わってないし、接客するだけだから…。しばらくは、知り合いのところでお世話になるわ」
姫希「私達…部活普通にやってていいかな?」
姫希は部活の事が心配になってきた
大樹「おい、こんな時に部活なんてやってられるかよ。考えろよ」
沙都「大樹」
大樹「…!」
沙都「部活は止めなくていいわよ。大会だって近いんだし、大樹も受験に集中して?聖も…」
聖「いや、俺部活辞めるよ」
沙都「…え?」
聖の口から、突然好きなボクシングを辞めると宣言された
沙都「な、何言ってるの?もうすぐあんたは大会でしょ⁉」
聖「だから?」
沙都「だから?って…?」
聖「親父が倒れた原因は交通事故じゃねえだろ?元はと言えば、1人で勝手に朝早くから夜遅くまで毎日毎日仕事してさ。その疲労のせいで今回の事故が起こったんじゃねぇの?」
友喜「に、兄ちゃん…?」
聖「でもただの事故で店をやっていけないってんなら、俺が継ぐよ?」
沙都「ちょっと聖…!」
聖「店を継ぐ代わりに、ボクシング辞めるよ。もしボクシングの大会中に親父の様子が激変したら、大切な大会だって出れなくなる。そんな事が在る前に、俺はボクシングを辞めるよ」
沙都「あのね…!まだ今の歳でそんな心配されても…」
大樹「無理すんな」
聖「あ?」
大樹「顔に書いてあるよ。本当はもっとやりいって」
聖「!」
沙都「と、ともかく!お父さんは大丈夫だから!部活は心配しなくていいからね⁉ね⁉」
聖「もういい、俺は辞めてくるよ。学校に戻る」
沙都「ちょっと聖!」
聖「学校に伝えたらすぐ戻るからさ」
と、聖は病院の外へと走って行った
姫希「もぉ…聖兄ちゃんなんであんなことを…」
沙都「うちを大切にしているのよ。さっき言った言葉があるでしょ?本当はお父さんからの言葉なの」
大樹「え?」
沙都「従業員が自分だけになってるでしょ?もし自分の身に何かあった時でも、子供達には、自分の夢を諦めてほしくない様に言ってくれって」
大樹「親父が…?」
姫希「そ、そうなんだ…」
友喜「俺…聖兄ちゃん連れ戻してくる!」
友喜は聖に聞かせたいと思い、聖を探し出す
その頃の本人は、病院の外へと出た
聖「部活なんて…やっていられねぇのに…!」
父親が事故に遭って、部活どころじゃない
それなのに、家族に言われたことが頭に響く
沙都『部活は止めなくていいわよ』
大樹『顔に書いてあるよ?本当はもっとやりたいって』
聖「…あぁそうだよ!俺だって運動したいさ!したいけど…親父がどうなるか…!」
運動をやっていた方が吉なのか
それともしない方が吉なのか
どちらが正しいのか、分からない
聖「…せめてなら、一気にやりたいけどなぁ…」
と、聖が呟いたその時だった
何かが、自分の心を貫通した
それは、紛れもなくハートレスだった
聖「…!」
初めてハートレスに心を奪われた感触は変な感じだったが、辛いことも何もかも抜かれてスッキリしている
と、そこにファントムから連絡が入った
ファントム『…“アナザープレイヤー”、私の名はファントムだ。ようこそ、アゲハ族の人間よ』
聖「あんたが…ファントム?」
ファントム『そうだ、初めてのハートレスの感想はどうだ?』
聖「…悪くないですね」
ファントム『よし、君の今の辛い気持ちは分かるよ。スポーツをやらせてやろう。残りの今日1日の力でスポーツをやるのだ。その代わり、私も望むものがあってね…取ってきてくれないか?』
聖「…お任せください、ファントム様…」
聖の心を貫通した事で、ハートレスはアンプルと化した
それを見た聖は、自分のエスポワールであるバンクルに打ち込んだ
聖「うわぁぁぁぁぁぁっ!」
アンプルのハートレスと、武器のエスポワールが大きな力を産み出した
すると黒い影が聖の身体を包み込む
影が止むと、そこには怪物の姿があった
赤と青がベースで、肉体改造に成功したかの様な鬼に似た怪物だ
ー日々谷 聖
改め アナザープレイヤーー
アナザー「…ふしゅー…!」
アナザープレイヤーは早速人を遅い出した
「た、助けてくれぇ!」
他校の生徒で、テニスラケットを持っていた
テニス部員の様だ
アナザープレイヤーは左手で掴むと、バンクルに触れる
その時、バンクルが怪しく光り、テニス部員の生徒を包んだ
瞬間、包まれた生徒はバンクルの中へと入って行った
アナザー「…テニス…」
ただそれでは終わらない
なんと、腕の一部が、ラケットの様な形になったのだ
アナザー「フフフ…!」