新アゲハ ~第13話 逢磨 張斗2~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



タテハ「聖!一緒に行こうぜ!」

聖「お、おう…」

移動教室の時間
タテハと聖は並んで歩いた

聖「珍しいな、お前仁と一緒じゃないのか?」

タテハ「仁は先週の課題提出してから来るって」

聖「そうか…」

タテハ「?」

聖「…どうしようかな…」

聖はため息をつきながらトボトボ歩いていた
将来の事で悩みがあるみたいだ

タテハ「何か…あった?」

聖「ん?いやさ…俺の家、中華料理屋だろ?」

タテハ「うん」

聖「実は最近、親父が1人で厨房やってるんだよ」

タテハ「え?そうなの?」

聖「前は親父や他に従業員いたんだけど…何か皆、親父のやり方がどうのこうのって事で辞めてさ…。それからずっと厨房で1人でやってるんだ」

タテハ「そんな…それ大変じゃない?」

聖「そりゃ大変だよ。うち人気の中華料理屋だし、親父だけで料理してるんだよな。お袋は接客だし…俺や弟達も手伝いたいって言ってるけど、親父が“お前達は自分の将来の夢に専念しろ”って断られて」

タテハ「夢って…ボクシングの?」

聖「そう。まぁボクシングも運動もしていたいんだけど、親父の事が心配でさ…」

タテハ「そっか…」

?「ちょっと、そこ邪魔なんだけど。ダラダラ歩かないでくれない?」

聖「あ?何だ…よ(・・;」

後ろから声をかけられ、振り返る
そこには同じアゲハ族の先輩の五情刻と、刻と同じクラスの子がいた

タテハ「ご、五情先輩…すいません」

みるく「あー!貴方ボクシング部の日々谷くんね!」

ー刻と同じクラスメイト(彼女)
 春風 みるく(18)ー

聖「ど、ども…」

刻「じゃあね」

みるく「えー?もう行くの?少し話したらいいじゃん!」

刻「後輩と何話すのよ、何も無いでしょ?」

みるく「そんなぁ、あるじゃない!最近どう?とか分からないことある?とか!」

刻「じゃあみるくが聞けば?私は戻るから」

みるく「え~?」

タテハ(この人が竜也が言ってた彼女か…(・・;)

張斗「よぉ、聖か」

聖「あ!張斗さん!おはようございます!」

そこにもう1人のアゲハ族の先輩の逢磨張斗が現れた

刻「張斗」

タテハ「わぁ…近くで見ると本当に大きいな…」

張斗「あ?」

タテハ「あ…いや、すみません…(・・;」

タテハは謝罪をする
その時張斗のズボンのポケットに何か手袋の様な物を目にした

タテハ「…?」

仁「タテハ行こうか」

タテハ「あ、うん…」

仁とタテハは先輩達と別れる
すると

黎「聖!」

そこに黎が現れた
何やら焦っている様だった

聖「あれ?綾辻先生?」

黎「聖、今すぐ帰れ!」

タテハ「え?何かあったんですか?」

黎「あぁ…!今病院から連絡があって…お前のお父さんが交通事故に遭ったって…!」

聖「え⁉」

張斗「…!」

黎から事情を知った聖は、荷物を持ってすぐ病院へ向かった
病院に到着すると、そこには自分の兄弟と母親、そしてベッドで寝ている父親の史郎がいた

ー日々谷家の次男
 日々谷 大樹(15)ー

ー日々谷家の三男
 日々谷 友喜(13)ー

ー日々谷家の長女
 日々谷 姫希(10)ー

ー聖の母親
 日々谷 沙都(43)ー

沙都「聖…!」

聖「親父は⁉」

大樹「今寝てんだから静かにしろよバカ」

聖「は?バカってなんだよ兄貴にむかってお前(-_-#」

姫希「喧嘩しないで!」

史郎は寝ているが、右腕に大きくギプスを巻いている
頭にも包帯が巻かれており、重症の様だ

聖「…一体どうして…?」

沙都「警察が言うにはね、お父さんが出前から帰る時に突然、信号無視の車が飛び出して来たんだって。急に出てきたからびっくりしちゃって大きくバイクが横転しちゃったみたいなの。接触は無かったけど…骨折と頭を強く打ったって…」

聖「親父…」

心配そうに父親を見る聖
いつもならすぐ起き上がってくれるか、このくらいの怪我なら平気なはずだ
その父親が起きないと言うことは、確実に家族を不安にさせた

聖「…部活も、やってる場合じゃねぇよな…」

グッ…と拳を握る聖
大黒柱が事故に遭ったと言うのに、部活をやってる場合じゃない
悔しい思いもあるが、それどころじゃない

そんな聖の様子を、あの人物は見ていた

ファントム「…家族の危機を優先し、夢を諦めた男…。大丈夫だ、夢を消させはしないさ。私が叶えてやろう」

ファントムはそう言うと、“蝶の虹”に手をかざし、ハートレスを産み出した
ハートレスは影を使って、移動した

ファントム「まさかアゲハ族の人間の力を使う事になるとはな…!」

ハートレス『イヒヒヒ…!』

ファントム「さぁ行け、私の僕よ。ハートレスの時間だ…!」