奈美が突然の変化をし、世間はすぐに騒がれた
今まで可愛いアイドルだった人物がかっこいいアイドルになり、男性だけじゃなく、女性からも評判がいい
新曲も発売と共にすぐに一千万部を突破するほどの人気が出ており、奈美の写真集、雑誌にもたくさん奈美の写真が載るようになった
LIMEやSwitterなどのSNS系でも奈美のことで話題だ
また奈美は人気を取り戻したのだ
だが、その一方で奈美の再ブレイクを気に入らない人物がいた
奥田「何よこれ!私全然載ってないじゃない!」
奥田アリスだ
奥田は音楽雑誌を床に叩きつける
奥田「私が楓奈美の真似をしてまで人気になったのに…!ファンも目移りして…!」
親指の爪をガリガリと噛む
するとあることを思い付く
奥田「…そうか、私が“楓奈美になればいいんだ”…!」
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それから2週間後
奈美「また載ってる…っ」
奈美は雑誌を読んで事務所に入った
自分が載っているページが増え、喜んでいた
奈美「あの時相談して良かった…っ。おかげでまたブレイクしたし…」
だが奈美は“ある言葉”を気にしていた
それは蓮の言葉だ
蓮『変わるのはいいですけど、絶対に自分を見失わないようにしてください。見失ってしまったときが、1番後悔する時ですから』
奈美(…あの時の言葉、どういう意味なんだろう…。見失わない様に少しだけ私の要素は入れておいたけど…)
考えながら楽屋に入った
奈美「…!」
楽屋に入ると既に先客がいた
それは、背中を向けた奥田アリスだった
奥田「おはようございます、奈美さん」
奈美「お、おはよう…。しばらくだね…」
奥田「本当に久し振りですね。会いたかったですよ?」
奈美「会いたかった?どういうー」
奥田「バァッ!」
奈美「…え⁉」
奥田が振り向くと、奈美は驚いた
なんと、奥田の顔が奈美の顔になっていたのだ
奈美「あ、アリスちゃん…その顔…!」
奥田「はい、奈美さんがまた売れてきたのでもう真似をするより“楓奈美本人”になりきって行こうと思って整形したんです♡」
奈美「そ、それはやり過ぎじゃ…!」
奥田「やり過ぎ?まぁ確かに借金で“500万円”払ってここまでやりましたからねぇ」
奈美「500万⁉それを整形に…⁉」
奥田「これで今日から私はもう1人の楓奈美として活躍していきますね♡」
奈美「あ…アリスちゃん、それはおかしいよ!自分の顔を変えてまで売れたいなんて…!」
奥田「顔がダメなら格好は良いって言うんですか?」
奈美「それは…!」
奥田「なら文句無いですよねぇ?」
マネージャー「あー奥田ちゃんここ?」
すると楽屋にマネージャーが入ってきた
奈美「マネージャーさん…!」
マネージャー「奥田ちゃんの声が聞こえて来たんだけど…」
奥田「あ!マネージャーさん!何の用ですかぁ?」
奥田は奈美の前に出た
その時
マネージャー「…え?誰?」
マネージャーの口から思わぬ言葉が出た
奥田(あ、そっか!この顔だから分からないんだ!)
マネージャー「奈美ちゃん…じゃないよね?」
奈美「私はこっちです!その子は…」
奥田「奥田です!ごめんなさい顔を変えちゃって…」
マネージャー「何勝手な事をしてるんだ!」
奥田「!」
マネージャーが怒鳴り出した
マネージャー「アイドルが許可もなく顔を変えるなんて…!」
奥田「え…で、でもこれでまた売れ…」
マネージャー「売れるわけないだろ!」
奥田「え…⁉」
マネージャー「君は奈美ちゃんの真似をしたから売れていたのは知ってる!けど…これはやり過ぎだ!奥田アリスが楓奈美の真似で売れていたのに顔まで変えて…!これじゃ売れるどころか事務所に泥を塗ってるのと同じだぞ!」
マネージャーは強く奥田の腕を掴む
奥田「え⁉ちょ…!離して…!」
マネージャー「顔を変えたお前はもう奥田アリスじゃない!すぐに出ていけ!」
マネージャーに引っ張られて楽屋を後にした
奈美はそれをただ、静かに見てるだけだった
奈美(あの言葉って…こういうことだったんだ!)
奈美は蓮の言葉を思いだし、目の前で理解した
奥田アリスは整形代に500万円の借金を使った事が事務所に知られて解雇となった
「出ていけ!お前は必要じゃない!」
奥田「そんな…!私500万を売れて返そうと…!」
「顔を変えたアイドルなんて要らない!」
奥田「い、嫌…!イヤァァァッ!ヤダァァァァッ!」
“アイドル”奥田アリスは消えたのだった
奈美『はーい終了!皆!次のライブまでいい子にしてるんだぞ~!それじゃあね!バイバーイ!(*≧∀≦*)』
ミカ「奈美ちゃんバイバーイ♡」
ミカも久し振りに奈美が活躍し、安堵したのであった
ー楓 奈美ー
完
○NEXT●
→夏休み明けの転校生!
花の救世主登場…⁉