奈美「……」
その日の夕方
奈美は美容院にいた
蓮『やり方を変えるのも、どんな方法で行くのもあなたの自由です。自信を持って、頑張ってください』
蓮に言われたことを思い出し、ここにやってきたのだ
美容師「ねぇ、本当にいいの？」
奈美「いいんです。お願いします」
美容師「じゃあ…切るよ？」
美容師はハサミを使い出した
…ジャギンッ！
ーそれから1週間後の夜
司会『さぁー！本日も始まりました！ミュージック・パラダイス！略して“Mパラ”！今夜は2時間生放送スペシャルでお送りいたします！』
テレビで生放送の歌番組が始まった
ミカ「奈美ちゃん…大丈夫かな？」
哀幻波「大丈夫なのか？」
蓮「えぇ、自分を変えてみたら？って言ってみたんですが…」
蝶「どんな風になってるんだろうね…」
蓮「一応ミカは“記憶を消すダイナマイト”で奈美ちゃんの嫌な記憶を消したけど…変わっているかな？」
ミカ「今夜の奈美ちゃんは新曲をテレビ初解禁か…しかも1番最初か…！」
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その頃、テレビ局では
「それでは生放送なのでよろしくお願いいたします！」
スタッフが出演者全員に声をかける
だがそこに、楓奈美の姿は無かった
マネージャー「すみません…奈美ちゃんもう少しで来るそうです」
スタッフ「困りますよ！1番なのに…！」
マネージャーとスタッフが焦りだす
その姿を1人の女は見て、ニコニコしていた
奥田アリスだ
奥田（……やった♡）
奈美がいないことに喜ぶ
奥田（作戦上手く行ったじゃ～ん！“人気アイドルの格好や私生活を真似して、自分が人気になって舞台に立つ！”誰が送ってきたのか分からないけど、もう楓奈美は終わりだねぇ～！）
心の底から喜ぶ奥田
今までの行動はすべて、奈美をぶっ潰すための作戦だったのだ
奥田（それにしても服装とか髪型とか同じにするなんて本当に気持ち悪かった！いくら潰すとはいえ、ここまでやるなんて。お金もだいぶかかったし…でもいいや、これで私は“新しい楓奈美”として新しい人生を歩んでいくんだもん！後は自然に楓奈美の存在を皆が忘れていくだけ～！）
スタッフ「うーん…困ったなぁ。しょうがない、奈美ちゃんは次で呼ぶことにしよう。最初のトップバッターはアリスちゃんで…」
？「待ってください！」
スタッフ「！」
そこにある人物が到着した
スタッフ「えっと…君は…」
奈美「奈美です…楓奈美です！」
スタッフ「え⁉」
奥田「なっ…⁉」
奈美「私情により、遅れてしまって申し訳ございません！リハーサルは無いですけど…お願いします！」
スタッフ「わ、分かった…！すぐにステージに！」
奈美「はい！」
奈美はステージに向かう
「え…？今の本当に奈美ちゃん？」
「嘘…」
「雰囲気…めっちゃ変わったね…」
奥田「な、何よあの“格好”…」
司会『ーそれでは早速参りましょう！まずはテレビ初解禁！楓奈美で…と、ちょっと待ってください』
司会者がカメラ外のカンペを見る
ミカ「？」
司会『えっと…今回の楓奈美は一味違います！“新生”楓奈美としてステージに立ちます！それでは改めまして参りましょう！新曲初解禁！楓奈美で…“脱ぎ捨てろ！”です！どうぞ！』
カメラが司会者からステージに変わる
そこに映っていたのは…
「え⁉あれ楓奈美⁉」
「嘘…！本当⁉」
「髪…みじかっ！」
ステージ前の観客も、テレビを見ている人も驚く
おしゃれにデコった髪型は短くショートカットに切った茶髪に
大きいリボンがあったブラウスはヘソだしのシャツと黒ネクタイに
フリルがヒラヒラしていたスカートはセクシーなショートパンツに
そして可愛らしかったパンプスはハイヒールのブーツに…
そこには、“新生”楓奈美がいた
蝶「うわっ！すっご…」
蓮「めちゃくちゃ雰囲気変わってる…」
哀幻波「なんか…かっこいいな。大成功じゃね？」
ミカ「ボーイッシュか…いい♡」
ミカは“新生”の奈美にメロメロだ
「あの格好…すごくかっこいい！」
「エロい(笑)」
「セクシーと言いなさいよ」
「かっこいい！」
「ボーイッシュも似合うなぁ～！」
観客からもすごい人気だ
さらに新曲もすごい
自分の過去のことを書いたのか、感情が分かる
そして曲もロックなので思いっきりぶつかってくる感じだ
「ヤバイ…！新曲買おうかな？」
「なんか分かる…！すごく伝わってくる！」
「かっけぇー！ロックじゃん！」
「アイドルなの？ロックなの⁉」
新たに変わった楓奈美に観客も、全国のファンも騒ぎ出した
奥田「……なによ…これ…！」