アゲハ ~第15話 フランシス・ノワール3~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



花「…ごちそうさまでした」

花はお昼ご飯を食べ終わり、皿を片付けた

ジム「嬢ちゃんのマミー、いつ帰って来るんだ?」

花「もう少し…かな?」

ジム「そうか、なら話せるかな?」

花「何のこと?」

ジム「旅行の事だよ。話すんだろ?」

花「…別に」

ジム「ありゃりゃ。昨日話すって言ったじゃねぇかよ」

花「お母さんがどう言うかだもん」

ジム「けど話してみるんだろ?話さないとずっと心にしまいっぱなしのままだからな」

花「…まぁ、言うけど」

ジム「可愛くな(・・;」

花「…どっか出掛けるの?」

花はジムの荷物を見た

ジム「ん?あー、また調査。今度は昼間なら見つけられるかと」

花「そっか。行ってらっしゃい」

ジム「嬢ちゃんの部屋から行くぜ」

ジムはそう言って花の部屋に向かう

ガチャッ

すると玄関から鍵が開いた音がした

花「お母さんだ」

早苗「ただいま」

花「…お帰りなさい、お母さん」

花は旅行のチラシを後ろに隠す
後でわっと驚かす様に言い出すつもりだ

早苗「あら、お昼食べたの?」

花「う、うん…」

早苗「あら残念、一緒にランチに行こうかと思っていたのに」

花「な、なら連絡くれても…」

早苗「あ、そうそう。さっきあなたの同級生に会ったわよ?」

花「!…え?」

早苗「男の子だったんだけど可愛らしい子でね。コンビニで万引き犯に疑われていたから助けてあげたのよ」

花「そ、そうなんだ…」

早苗「それにしてもそのコンビニ店員も酷いわよねぇ…何の理由も聞かずに彼を脅すなんて…」

花「あ、あの…お母さん…!」

早苗「ん?なに?」

花「話したいことがあるんだけど…」

プルルルルル!

その時、早苗のスマホが鳴った

早苗「はいもしもし?あぁ、平原さん?どうしたの?」

すぐに花に背を向けて電話で話し出す

花「あ…」

早苗「えー?今から?今帰ってきたばかりなのに。…ん?分かったわ、私もそっち向かうから。少し遅れるわね、服とか取ってくるから」

早苗はそう言って電話を切った

花「…」

早苗「それで、花なに?」

早苗は花を見る
だが

花「な…なんでもない」

早苗の様子を見たのか、チラシを隠した
すると、早苗が言った

早苗「…花、なんでもないってないでしょ?」

花「本当に何も無いって」

早苗「ならさっきのは何?」

花「話そうとしたけど…」

早苗「なら何?ハッキリと言いなさい!お母さんいっつも言ってるでしょ!」

ムカァッ!

早苗の言葉に爆発した

花「…じゃあ言うけど!仕事はいつ終わるの⁉」

早苗「え?それは分からないし…」

花「分からないなら帰って来ないでよ!」

早苗「え…⁉」

花「いつも仕事仕事って…!お母さんはそればっかり!今みたいに仕事の電話で忙しい様に見せてさぁ!」

早苗「忙しい様にって…急に入ったんだからしょうがな」

花「嘘ばっかり!本当は仕事終わってるんでしょ⁉私と一緒に家にいたくないから忙しいフリして事務所に逃げてるんじゃん!いつも私の行事や予定があればすぐ仕事に行って…!私のこと何て知らないくせに、今さら母親面しないでよ!」

早苗「…!」

花の強い言葉に早苗は驚く

早苗「は…花…」

花「もういい、お母さんなんて大嫌い」

花はそう言うとすぐに荷物を持ち出して、玄関を出て行った

花「…グズッ…!」