アゲハ ~第9話 スカル12~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



ビシッ!ビシッ!バシッ!

蝶「あっ…!」

香留「ハァ…ハァ…!」

蝶「うっ…」

香留にムチで叩かれ、蝶はボロボロだった
破かれた服、そこから見える傷だらけの肌、顔にも傷があった

香留「…これで分かったかしら?」

蝶「くっ…!」

香留「あんたみたいな良い子ちゃんがたくさんの人を助けているみたいだけど、正直ウザいんだよね。助けて何になるの?そもそもやる人達を撃ってるけど、やられている人達の方にも原因はあるんじゃない?あんた達は得をするの?」

蝶「私達は…」

香留「あーそうか、あんた達は自分の父親が死んだ真実探してるんだっけ?」

蝶「!」

香留の言葉にビクッとなる蝶

香留「あんたの父親・黒木竜之介は殺し屋に殺されたのよね?本当、お気の毒としか言えないわ」

蝶「…めて…香留…っ」

香留「言っとくけど、私はやってないわよ?ましてや斗影もね。殺されたのは15年も前だから私と斗影はまだ赤ちゃんと幼児。殺すことなんて出来ないわ。けど父親の復讐は」

蝶「香留!言わないで!」

香留「…父親の復讐はその相手を見つける。見つけたらどうするの?殺すの?そうしたらあんた達は私らドクロ族と同じじゃない」

蝶「…分かっているよそんなの…」

香留「え?」

蝶「…父さんの敵をとりたいと兄さんと決めた。私達から父さんを奪った奴らは許さないと思っているわ。でも…!」

蝶は香留を睨み出す

蝶「私達はアゲハ族よ!人の闇の心を殺すことが仕事…!父さんを殺した奴らを捕まえて…闇の心を殺して罪を償ってもらうわ!」

香留「うるさい!」

バシッ!

蝶「あうっ…!」

香留が蝶にムチを振る
するとすぐに蝶の襟をつかむ

蝶「うっ…!」

香留「そんな上手く行くわけないわ!失敗するのがオチよ!第一あんたの父親を殺した犯人が誰かも分からないくせにその間に犠牲者出したらどーするのよ!」

蝶「そ、そんなことは無いように…!」

香留「犠牲者出す以前に悩みを抱えている人間を見つられないくせに!私の苦しみも分からなかったくせに!」

蝶「…!」

香留「もういい…!あんたのこと殺してやる!」

今度は殺意で蝶を殺そうとムチを振りかざす

蝶「っ…!」

その時だった

…パシッ

香留「⁉」

哀幻波「…やめときな、あんたにうちの妹は殺せねぇよ」

哀幻波が登場した
香留の腕を止めたのだ

蝶「に…兄さん!」

香留「く、黒木哀幻波⁉いつから…⁉」

哀幻波「さっきからね」

蓮「…蝶!」

ミカ「蝶先輩!」

蝶「蓮!ミカ!」

そこに捕らわれていたはずの蓮とミカも入る

香留「さ、山茶花蓮も…⁉斗影は⁉フェンは⁉」

哀幻波「あいつらなら、下で伸びてるよ」

哀幻波は香留から手を放し、蝶の腕を拘束している鎖を、武器のカードで切った

蝶「っ…」

哀幻波「大丈夫か?」

蝶「えぇ…」

香留「なっ…!」

哀幻波「意外にも呆気なかったな、ドクロ族は」