蝶「ハァ…!ハァ…!」
香留を斗影から離し、蝶は渋谷のビルの間にまで来た
人気も少ないところだ
香留「ちょ…!蝶痛いよ!放して!」
蝶「あ…ごめんっ」
香留「何なの?急にこんなところに引っ張り出して…」
蝶「え、えと…これには訳があって…」
香留「訳って何?」
蝶「は、話せば長くなるんだけど…と言うか、あの人が彼氏なの?」
香留「そうだけど…何?」
蝶「あの人は…止めた方がいいと思うよ?」
香留「どうして?何よ急に…」
蝶「あ、あの人は…」
蝶は斗影の本当の事を言おうとした
だが香留に言って信じてもらえるかどうか、少し迷っていた
蝶「し、信じてくれないかと思うけど…」
香留「何よ、勿体ぶらないで言って!どうして私が斗影と付き合っちゃダメなの?」
蝶「じゃ、じゃあ言うけど…あの人は、危ない人なの!」
香留「は?どういうこと?」
蝶「あの人…黒崎斗影は前に、私の事を殺そうとしてて…!香留も何されるか分かんないよ!だから…!」
香留「あーもう、あんたって本当にバカ!」
蝶「え…?」
香留「あいつが何しようが勝手じゃん、あんたが口出ししないでよ」
香留の表情が変わった
香留だがいつもの香留では無い気がした
香留「だいたいあんたさっきの行動は何?助けたつもり?」
蝶「え?か、香留…?」
香留「あとさ、その名で呼ぶの止めてくれる?私には“別の名”があるんだから…」
蝶「…?」
蝶にはどういうことか理解できなかった
だがその瞬間
?「グルル…!」
蝶「!」
背後から動物の呻き声がした
なんとそこには、ドクロ族の幹部の狼犬・フェンがいた
フェン「グルルル…!」
蝶「え…?な、なんで…⁉」
ガシッ!
蝶「⁉」
蝶の肩を香留が抑えだした
香留「そのまま動かないでね?蝶」
蝶「え⁉か、香留⁉」
香留「フェン!やって!」
蝶「やっ…!放して!」
フェン「グワァァッ!」
フェンは蝶に向けて牙を向け、襲いかかった
その時
蓮「う…らぁっ!」
ドゴォンッ!
フェン「ゥオンッ!」
蓮が現れ、フェンを蹴りだしたのだ
蝶「蓮!」
蓮「蝶!早くその子から…!」
香留「おっと」
ガチャッ!
蝶「⁉」
蝶の頭に銃が突き付けられた
香留が持っていたのだ
香留「動くと撃つわよ?」
蝶「か…香留⁉なんで…⁉」
蓮「蝶!」
香留「斗影!」
斗影「了解!」
バキッ!
蓮「あぐっ⁉」
蝶「蓮!」
蓮の背後に斗影が現れ、蓮は後頭部を殴られてしまった
倒れた蓮の上に、斗影は足を乗せる
蓮「っ…!」
斗影「…これでいいんすよね?“スカル”さん」
蝶「…え⁉」
蝶は斗影の言葉に反応して香留の顔を向く
香留は笑っていた
なんと、ドクロ族のリーダー・スカルの正体は香留だったのだ
ードクロ族リーダー・スカル
須川 香留(15)ー