アゲハ ~第9話 スカル4~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



『まもなく~渋谷~、渋谷~』

山手線の電車が渋谷駅に着いた
ドアが開き、蝶と蓮が降りる

蝶「着いた!渋谷!」

蓮「やっぱり休日だから人が多いなぁ」

電車を降りていく人混みに紛れながら進んでいく
渋谷駅の外に出ると、人混みから解放される
蝶のスマホにLIMEが入っていた
香留からだ

蝶「香留は先に106前にいるって」

蓮「そうなんだ」

蝶と蓮も渋谷106へ向かう
すると、電話が入ってきた

哀幻波からだ

蝶「もしもし?兄さんどうしたの?」

哀幻波『おい蝶!今どこにいる⁉』

声からは焦りを感じた

蝶「え?渋谷だよ?」

哀幻波『友達とはまだ会ってねぇか⁉』

蝶「会ってないけど…どうして?」

哀幻波『会うの止めろ!今すぐ戻ってこい!』

蝶「え⁉な、なんで…?」

香留「蝶ー!」

渋谷106の前に到着し、手を振っている香留を見つけた

蝶「あ、ごめんもう切るね」

哀幻波『あ!おいちょ…』ピッ

蝶は電話を切った

蓮「哀幻波さんなんて?」

蝶「さぁ?」

香留「やっほぉ」

香留が目の前に来ると、蝶はスマホをしまう

蓮「お招きありがとう」

香留「こっちもごめんね、勝手に呼んじゃってさ。後でもう1人来るから」

蓮「え?まだ1人呼んでるの?」

香留「え?蝶話してないの?」

蝶「あー…ごめん。蓮には言わないようにしようかと思ってて…」

蓮「なに?」

香留「今日、私の彼氏来るから」

蓮「え⁉嘘⁉Σ((((;゜Д゜)))」

蝶「ごめん(・・;」

蓮「えー…な、なんか気不味いなぁ…(・・;」

蝶「うーん…だから言いたく無かったんだよね…(・・;」

香留「大丈夫だよ、すぐに仲良くなれるから」

蝶「ところで、その肝心の彼氏は?」

香留「もうすぐ来るよ」

?「おーい、香留ー!」

そこへどこからか男性の声がした

香留「あ、来た来た!」

蝶「彼氏?」

声がした方向を見る3人

蝶「…え?」

蓮「え⁉なんで…⁉」

香留の彼氏と思われる人物を見た瞬間、蝶と蓮は驚いた

なんと香留の彼氏とは

斗影「…お待たせ」

ドクロ族の幹部の黒崎斗影だった

蝶「嘘…でしょ…⁉」

蓮「な、なんで…⁉」

香留「紹介するね。私の彼氏の黒崎斗影。大学1年生なの」

香留は斗影の事を紹介する

蝶「え、えっと…この人が…彼氏?」

香留「そうだよ?見た目こんなだけど、結構優しい人だよ?」

斗影「よろしく」

蓮「あ、あぁ…」

蝶「あ、あのさ香留」

香留「ん?」

蝶「ちょっと喉乾いちゃったから飲み物一緒に買ってこない?」

香留「え?いいけど…」

蝶「じゃあ来て!」

グイッ!

香留「え⁉蝶⁉」

蝶は香留の手を強く引っ張り、香留を斗影から離した
実はこれは、斗影から香留を引き離す作戦だったのだ

蓮(蝶…出来るだけ遠くに…!)

もちろん蓮には分かっていた

蝶と香留の姿が見えなくなると、蓮は斗影に話しかける

蓮「…斗影、お前どういうつもりだ?」

斗影「あ?」

蓮「なんであの子と一緒にいるんだよ」

蓮は斗影の襟を掴む

蓮「もしあの子に何かしてみろ?お前を…」

斗影「ヤベー事になってんな蓮、あの女を1人にさせて平気か?」

蓮「は?何言ってんだお前…」

斗影「ほら、早く追いかけねぇと…黒木蝶の命が危ないぞ?」

蓮「⁉…ま、まさか…!」