アゲハ ~第6話 黒崎 斗影8~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



斗影「今度はこっちの番だ!」

斗影はトンファーを持ち直して蓮に攻撃をし出した

蓮「くっ…!」

蓮は負けじと、ナイフを投げる
だが

カキィンッ!カキィンッ!カキィンッ!

どれも斗影にトンファーで弾き返されてばかりだ

蓮(最初に投げたナイフも弾いたんだっけ…⁉まさか反射神経がこんなにもいいとは…!)

そんなことを考えてしまい

…ツルッ!

蓮「しまっ…!」

ナイフを落としてしまった
その隙に

斗影「うらぁっ!」

バキッ!

蓮「ぐわっ!」

斗影が蓮に1発入れた
さらに攻撃を続けた

バキッ!バキッ!バキッ!

蓮「が……あぁっ…!」

蝶(蓮!どうしよう…!このままじゃ…!)

蝶は蓮の窮地に焦り、手首の縄をほどこうともがき出す

蝶(手首の縄がほどければ…!)

?「…蝶先輩」

蝶「…!」

蓮「ぐっ…!」

蓮は床に倒され、斗影に首を押さえつけられた

斗影「形勢逆転だな!」

蓮「っ…!」

斗影「お前って弱いところもあるんだな。仲間を人質に使えばこうだもんなぁ…。さて、トドメを刺すか…!」

斗影はトンファーを蓮に降り下ろそうとした

だが、その時だった

?「…うちの仲間に…」

斗影「⁉」

?「手ぇ出してんじゃねぇよ!」

ズバッ!

斗影「がぁっ!」

突然、斗影の背後に何者かが現れ、背中に切り傷を入れた
その瞬間、斗影は蓮から離れた

斗影「な…なんでここに…⁉」

哀幻波「仲間が大変だってのに、黙っていられるかってんだ!」

蓮「哀幻波さん!」

なんと、蓮を助けたのは哀幻波だった
哀幻波が斗影に切り傷を入れたのだ
さらにそれだけじゃない

ミカ「僕も忘れないでくださいよぉ」

蓮「ミカ!」

ミカも来ていた
ミカは蝶の拘束を解いていた

ミカ「てか頼ってくださいよね?そんな痛い思いをして…」

蝶「ん…プハッ!ありがとうミカ…!」

ミカ「どういたしまして、無事で良かったです」

蝶は拘束から解放されると哀幻波の元へ駆けつけた

哀幻波「蝶、大丈夫か?怪我は?」

蝶「私は大丈夫、蓮は…」

蓮「平気だよ、無事で良かった…」

斗影「っ…!てめぇらなんでここに…⁉」

斗影は背中の傷を出来るだけ押さえながら話す

哀幻波「蓮の様子が可笑しかったからな。気になって後をつけさせてもらった」

蓮「哀幻波さん…」

哀幻波「つかてめぇ…!うちの妹や仲間に手ぇ出しておいてタダで帰れると思うなよ!てめぇの心も…」

斗影「悪いがあんたらじゃ俺の心は救えねぇよ!」

ドォンッ!

斗影は何かを強く地面に叩きつけた
煙幕だった

蓮「ゲホッ!ゲホッ!」

蝶「ゴホッ!ゴホッ!」

哀幻波「っ…!このっ!」

哀幻波は煙幕を祓う
だが、そこには斗影の姿は無かった

哀幻波「チッ…逃げられたか」

ミカ「逃げ足の早いやつ…」

蓮「哀幻波さん…あの…」

哀幻波「蓮、後で説教な。勝手に出ていって、おまけにドクロ族と会っていたんだからな」

蓮「す、すいません…(・・;」

哀幻波「あと蝶、お前も…」

哀幻波が蝶の顔を見たその時だった

…ポロッ

哀幻波「…ちょ、蝶⁉」

蝶が涙を流したのだ

蝶「…ご、ごめん…ごめんね蓮…っ」

蓮「え?な、なんで…⁉」

蝶「私が罠にはまらなかったら…蓮は…!」

蓮「い、いや俺は…!」

蝶「……ごめん…ちょっとしばらくは1人にさせて…っ」

蓮「…蝶…っ」

自分のせいで蓮が酷い思いをしてしまった
そう罪悪感を感じてしまった蝶

この傷は、簡単に消えないものだった



ー第6話 黒崎 斗影ー








○NEXT●
罪悪感を持ってしまった蝶を救え!
新キャラの悪女とチャラ男登場⁉