ドイツの台所(6)〜コペンハーゲンの青+追記 |  ランゲンディンゲン便り

 ランゲンディンゲン便り

 Brief aus Rangendingen

 

 

 

 

 

 

ここのところサボっていました、「ドイツの台所」シリーズを久々に。

 

 

 

何処でもいいというわけでなく、

 

私の気持ちをくすぐる、何かがある、

 

そんなキッチンをお届けしたい、と思うのです。

 

 

 

今日の彼女、『ベアテ』のキッチン。

 

 

彼女はデンマークはコペンハーゲンの出身。

 

 

 

 

 

 

 

彼女は「ロイヤルコペンハーゲン」の絵付けデザイナーだったのです。

 

 

今でも、彼女のデザインのラインナップは買うことができる、そうです。

 

 

 

「ヤーパン(Japanのドイツ語発音)はとてもいいお得意さんだったわ。」と彼女。

 

 

 

 

この台所の食器はすべてが、自作のもの。

 

 

小さな器もキッチンの小さな棚に綺麗に並べられています。

 

 

 

 

明かりをつけてくれた、彼女。

 

器が引き立つように、しつらえられた明かりに感心。

 

 

 

 

 

 

 

これらは日本のぐい飲みほどの大きさ。

 

日本の釉薬もたくさん、試したそうです。

 

 

 

 

 

元々器好きな私は、目が走りました。

 

 

 

 

 

童女のようなベアテ。

 

 

北欧の人らしく、いつも色に溢れたお洋服です。

 

 

 

 

 

 

 

今は仲良く夫との二人暮らし。

 

気持ちのいいお家は二軒が連なったタイプ

 

それほど大きくないけれど、

 

2階、そしてケラー=地下の部分があります。

 

 

 

 

 

 

 

どこもほこりなし。

 

棚の中の食器も彼女作。

 

 

 

上のデンマークの「旗」に目がいきました。

 

 

 

 

 

 

深い青の鉢。

 

どこか日本の「織部」を思い出させる何かがあるような気がしました。

 

 

 

 

 

 

棚横のタイル

 

繊細な優しさです。

 

 

これももちろん、彼女自身の作

 

 

 

 

 

 

 

キッチンのテーブル

 

椅子が二つ。

 

 

決して広くない、大きくないものです。

 

 

 

 

窓辺にガラスのオブジェ、綺麗な「青」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

流しと反対側には陶板画

 

 

鳥、花が大切なモチーフのようです。

 

 

 

 

 

 

 

小さなラジオの上にも小鳥。

 

 

 

 

 

 

 

キッチンからのリビングの眺め

 

 

鴨居の上にもいっぱい並んだ陶器たち。

 

 

 

右二つは日本のものらしい。

 

 

 

 

 

この家はどのドアも開け放たれていて、

 

どこもこざっぱり、整理されています。

 

 

 

この国ではいつでも誰が来ても恥ずかしがらず、

 

すべて、見せてくれて、

 

自分を省みること、しきりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リビングの棚にも小鳥が。

 

そう言うと、吹いてくれました。

 

 

笛だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

繊細さだけでなく、大胆さも。

 

見えないけれど、裏は日本の釉薬で仕上げられています。

 

 

 

 

 

 

これも、ひときわ輝かしい青

 

 

 

 

 

 

 

もう金婚式を迎えたご夫婦。

 

 

去年まで毎年、車でデンマークまで帰っていたという、お二人。

 

 

 

でも、もうやめた、というのです。

 

 

途中で一泊しての、車の旅。

 

 

それでも長く、疲れる旅に違いありません。

 

 

 

私たちの話は「故郷」の話に。

 

 

彼女は私を気遣ってくれます。

 

 

 

「車じゃなくっても、飛行機で飛べば、あっという間でしょ。

 

 

 

コペンハーゲン

 

 

私も一度行ってみたい。」

 

 

 

 

そういうと、

 

 

彼女は、突然、涙ぐみました。

 

 

 

 

 

「帰りたい!」

 

 

思わず、肩に腕をかけました。

 

 

 

「帰れるわよ」

 

 

 

 

 

故郷を遠く離れた私たち。

 

 

 

 

私たちには多くの言葉が要らず、解り合えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リビングの窓辺にも青いガラスのびん。

 

 

 

まだ、行ったことがないけれど、

 

 

窓の向こうに

 

 

 

コペンハーゲンの「海の青」が見えた気がしました。

 

 

 

*

 

 

*ベアテの作品はインターネットでもみられるようです。

 

例えば

 

        https://www.pinterest.com/pin/443323157043173617/

 

                  他にもいっぱい、、

 

彼女の別の作品、

 

絵画、版画など、また別の機会に紹介したい、と思います。