おはようございます~
お越し下さりありがとうございます~
1990年代前半の英国留学日記です。
書かれている内容はさも英国の常識、みたいな記述もありますが、あくまでも今から30年ほど前のことと捕らえてくださいませ。
現在の英国は随分変わっております。
~~~~~~~~~~~~~~
毎晩
スエーデン人のマリアンヌとおしゃべり。
でも、「おしゃべり」の域を超えたおしゃべりのこともしばしば
意見討論の末、最終的にマリアンヌを半泣きにさせたり、本気で泣かせてしまったり・・・
私も
超意地っ張りだったし頑固だったし
なによりも、外人に負けるのが嫌!、みたいな、妙な感覚
在英期間が長くなってきて
そこそこ意思表示も出来てくると
今まで我慢してたこと、自分の英語力のなさで涙を呑んできたことの反動か
とにかく負けず嫌いに磨きがかかり
外人にだけは、何かにつけ負けたくない、出来る限り負けたくない!と強く思っている私がいましたね
そうしたなかで、
マリアンヌとのディスカスでは、大人気ない口論になることもしばしば
振り返るとわらけます。。。
「ねぇシュリ、今戦争が起こったらどうする?
敵が襲ってきたら、武器を手に戦うしかないでしょ?」
ある日の会話は、どこからそんな話になったのか今は忘れてしまったけれど
そんな話題になった。
戦争については・・・
当時の私はあまりに考えが幼く、分かっていなかった。
多くの、少なくとも当時の日本人がそうだったように、私、ねじ曲げられた史実を学校でたたき込まれてしまった典型的な日本人でした。
「私は絶対戦争は反対だし、私は戦わない!」
「国から行けと言われても?」
「行かない!参加しない!」
「日本が大変なことになってるのに、シュリはそれを知らん振りするの?」
「そうじゃない。
でも、誰かがやめないと、戦いは終わらない。
目には目を、歯に歯をじゃ、地球が破滅してしまう」
「でも、戦わないと、日本はどこかの国の占領下になってしまう危機ならば?」
「とにかく戦いなしに、話し合いをする」
「それでも話に埒が明かなければ?」
「もっと話し合う。」
「もっと話し合ってもやっぱりダメなら?」
「もっともっと話し合う。」
「じゃあ、もっともっと話し合ってもやっぱりダメで、相手が戦争を仕掛けてきたら?」
「仕掛けてくるのに乗ってしまっては終わりだから、絶対にのらない!」
「でも、もう相手は銃を持って日本にやってきているのよ。」
「でも自分から戦いは挑まない」
「相手はどんどん日本人に発砲して殺していってたら?」
「それでも私は戦わない。」
「どうして?殺されるわ。理由もなく殺されるのに、平気なの?」
「平気じゃないけれど、理由もなく人を殺せないよ」
「理由はあるじゃない、やらないとやられるんだよ。」
「やられてもやりたくない。」
「じゃあ!シュリの友人、恋人、両親が殺されようとしているのに、シュリはそれを助けようとしないの?!」
・・・もうここらへんまできたら、マリアンヌは「こいつなんでこんなに頑固やねん!何で分からんねん!!」ってな感じで、半分ヒステリックにぶつけてきてまして・・・
私も・・・
だんだん答えながら、「いくらなんでもそうなったら戦うんだろなー」と思いつつも、分かりつつも、あとには引けねー!折れられねー!って感じで・・・
最後の質問なんかには、思いっきり意固地になってる自分に「バカっ」と思いつつ
「それでも戦いたくはない」と、まだ能天気に答える私。
さすがに・・・「戦わない!」という答え方は出来なかったけれど(^^ゞ
「そんなのありえないわ!
もしも私がいってるような状況になったら、絶対シュリだって戦ってるはずよ!
現実でないからそう答えてるだけだわ!
分かってないのよ!
シュリは日本人で、平和だから分かってないのよ!」
はい、そーです、そのとーりです
と、思いつつ
「でも、戦いたくないもの」と、まだゆーかぁー、私。。。
「もうシュリとこの話をしたってだめだわ。
現実にならないと、真実はシュリにも分からないのよ。
もう今日は私、部屋に帰るわね。
おやすみ!」
といって、泣きながらマリアンヌはこの日も私の部屋を出て行った。。。
だけど
翌朝になれば、またニコニコ「おはよう!」から始まって、いつもどおり。
もしも~の討論、口論なんかを引きづるのは、もっとおばか。
1週間に何回か、夜になるとこんな感じの口論?討論?をやってたのです。
もちろんもっとまともなディスカスもやってたのですよ、その方が多かったと思います。
でも、たまーにマリアンヌが突然提起してくる“IF~”の世界は、ありえない話が多くて・・・
ひょっとしたら途中から私、マリアンヌをからかう気持ちがはいっていたかもしれない・・・
まじめな顔して答えながら・・・(どんなあくとーやねんっ)
そんな
子供じみた口喧嘩(?)も、今はいい思い出^^
夜な夜な、何度も同じ話の転生輪廻的なお隣の国やお隣の国の兄弟国の歴史話聞かされるよりは、はるかに楽しかった~
・・・マリアンヌ、ごめんね・・・
まさか・・・
あり得ないと思っていたマリアンヌのifのお題が、たった30年ほど後に夢物語ではなく現実的な問題になるとは、この時は思いもしなかった。
今の世界情勢と、それに対する日本政府の姿勢や概念を見て、マリアンヌは何を思うだろう。
「うわ、シュリだけでなく日本ってマジで皆そんな民族だったのね!ありえねー!!」と思っているに違いない・・・・
読んで下さってありがとうございます~