おはようございます~
お越し下さりありがとうございます~
1990年代前半の英国留学日記です。
書かれている内容はさも英国の常識、みたいな記述もありますが、あくまでもその頃の英国での普通、と捕らえてくださいませ。
現在の英国は随分変わっておりますので~
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そして翌日
1限目の終り、アコモディションオフィスから私にオフィスに来るように言ってるよ、とサイモンから伝えられた。
それを聞いてクラス中がソワソワな中、私はオフィスに急いだ。
「シュリ、これが新しいステイ先のおうちの名前とアドレスと電話番号よ。
とりあえず今日中にこのおうちに電話をして、おうちの人にご挨拶にいってらっしゃい。
そこのおうちの人もOKでシュリもそこに引っ越してもいいと思ったら、明日の朝にでも私にすぐに知らせてちょうだいね。」
アコモディション・オフィスのスーは、ukでは珍しくとてもすばやい対応をしてくれた。
クラスメイトにも、新しいおうちを紹介してもらったと報告したら、みんな一緒に喜んでくれた。
「うちのファミリーにシュリの話をしたら、とんでもない話だ!って怒ってたわよ」
「うちのファミリーも!」
「うちもよ!」
と、どうやら昨夜の食卓は、どこも私の話題で持ちきりだったようだ・・・あまり嬉しくはない・・・
想像以上に話は大きくなっていることを、その時自覚した。
「今度のおうちは素敵なファミリーだといいわね~」と、みんなが願ってくれた。
ありがたい、色々細かい誤解というか、過剰な反応があったかもしれないが、
間違いなくみんな私を心配して色々やってくれたのだと思うと、深い感謝の気持ちでいっぱいだ。
そして
デビーが私に聞いてきた。
D「新しいおうち、決まったの?」
私「うん。今日学校の帰りに行ってご挨拶に行くつもりよ。」
D「ねぇ、一緒に行ってもいい?おうちはどこ?」
私はオフィスが手渡してくれたメモを見せた。
D「あぁーっ!!!このおうち、知ってる!!!
やっぱりそうだ!
シュリがこの時期に新しいおうちに変わるって聞いた時から、ここのおうちじゃないかと思っていたのよ!!
やっぱり、やっぱりここのおうちなんだ!
ここのおうちはすっごくすっごくいいの!
おじさんもおばさんもすごくいい人で、お料理もとてもとてもおいしいおうちなのよー!」
深いため息の後再び、
「ああ、やっぱりそうなのね・・・・
私、本当はここのおうちがよかったの。
ここにして欲しくてオフィスに掛けあいにいったら、いろいろあって今のおうちを紹介されてしまったのよ・・・・
シュリ、ここに引っ越すの?
いいな、いいな、うらやましい!
私が、私こそがこのおうちに行きたかったのに!!!」
ってな勢いで、いろいろ話してくれた。
もう少し詳しく話すと
デビーが前のタームで仲良くしていた日本人は二人いたようで、日本人Aは今の私のステイ先でキスおじさんの餌食になった子、もう1人の日本人Bは今から私が引っ越そうとしているこの新しいおうちにステイしていたのだという。
この日本人2人は前のタームが終了して二人とも学校を去って行ったので、これはチャンスとばかりにデビーがアコモオフィスに彼女たちがいたおうちに変えて欲しいとお願いしに行ったのだという。
が、日本人Bがステイしていたこのすばらしい方おうちは、前のタームが終わった後すぐにホリディを取ることになっていたようで、しばらく留学生を受け入れられない、という返事だったのだという。
どうしてもステイ先が我慢できなかったデビーは、日本人Aがステイしていた方のおうちでもいいから変えてくれとお願いして今に至る、とのこと。
デビーは素敵なステイ先の日本人Bから、彼女のステイ先がどれほどすばらしいかいつもたくさん聞かされていたのだろう、私がご挨拶に行く前からいろんな事を(また)吹き込んでくれた教えてくれた。
そのおうちへ行くまでの道中も、ずっと「いいな、いいなー、シュリがうらやましい!」とずっといい続けていた。
耳にたこが出来るほどに・・・
新しいおうちのランドレディが応対してくれた。
とても優しそうな、素敵なおば様だった。
そして、デビーを見て、
「あなた○○(日本人B)のお友達だったわよね?あなたが私のおうちに来るのかしら?」
と、覚えられていたようだった。
D「私じゃないんだけど、私と今一緒にステイしているこの子、シュリなの。
今からここのおうちにご挨拶に行くというから、私、よく知っているから彼女を案内してあげたのよ」
そして
軽い自己紹介をして、リビングでランドレディが丁寧に入れてくれたおいしいミルクティを頂いて、とてもいい印象を持ってそこを後にした。
もちろんデビーもずっとそばにいて、一緒にリビングでお茶をいただいた。
D「どうだった?あそこにシュリ、引っ越す?」
私「そうね、とても感じのいいランドレディだったし、おうちも素敵だったし、あそこに引っ越すわ」
D「そう・・・そうよね、誰でもそうするわよね。あんないいおうち、ボーンマスではなかなかないわ。
シュリ、あなたラッキーね。
私は・・・本当についてないわ・・・
私はこれからもまた、今度は1人であのおうちで我慢して過ごさなきゃいけないのね・・・」
私は
今回の事は少しだけ良い機会だと思っていた。
クラスも、ステイ先も一緒。
シンの入学によって少しだけデビーと私は距離を置くことが出来てはいるけれど、それでもハミッドの件以来また私とデビーの距離は戻りつつあった。
やはりしんどい。
だから
何が何でもステイ先を変えたかったわけではなかったけれど、みんなが背中を押してくれてこう言う事になって、うまく乗ってみようと思った。
クラスが一緒なだけ、クラスメートなだけなら、ずいぶん楽だし、再び彼女ともっと気持ちよく普通に仲良くできるかもしれない、とも思った。
しかし、かなり落ち込んでいるデビー
私がいなくなることが悲しい、あのおうちに自分だけになるのが辛い、と
何度も何度も、悲壮な顔でつぶやく・・・
気持ちは
分かる、あのおうち、悪過ぎないけど決して良いわけでもなく。
そしてとうとう。。。
読んで下さってありがとうございます~