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スイカバー味のシャーベット


文吾:た、ただいま~。

仁:遅すぎる。

文吾:……はい、ごめんなさい。

仁:まったく、帰ってきて家の鍵が閉まってるなんて、いったいどこの家出少年だ。

文吾:い、いやだって……そんな時間になってるなんて思ってなかったんだもん。

仁:謝れ。全世界の貧困に苦しむ子供達に向かって謝れ。

文吾:……ごめんなさい。……って、なぜ!?

仁:糊だ。

文吾:字が違う!

仁:海苔だ。

文吾:またも字が違う! そこはカタカナ表記だろ!

仁:ふむ。日本語は難しいな。

文吾:そだね。

仁:で、昨日……じゃなくてもう一昨日に福岡に帰ってきたわけだな。

文吾:はるばる帰ってきたよー。

仁:で、早速実家に帰らず高専にいく、と。

文吾:だ、だって……たまやんが「合奏やってますよ」って教えてくれたから。行かなきゃ損みたいな感じがして。

仁:あれで合奏終わってたらおもしろかったのにな。

文吾:おもしろくないよ! ものすごく悲しい気持ちになるよ!

仁:哀愁ただよう文吾が見れただろうに。

文吾:本気で残念がってるんじゃない! 仁だってさみしくなるだろ?

仁:俺は大丈夫だ。気にするな。

文吾:なんでそんな余裕なんだよ。せつないなぁ。

仁:で、久しぶりの高専ブラスはどうだったんだ?

文吾:おぉ。なんかすごく懐かしかったよな。俺達は実際に高専ブラスに所属してたとは言い難いんだけど。

仁:まあ、身体の記憶ってヤツだな。あの頃はまだ本人が生きてたしな。

文吾:うん。それでも、ね。

仁:現役のメンバーも、俺達が何度か顔出してたおかげで覚えててくれてるからな。

文吾:なー。それから何人かが遊んでくれたし。

仁:メシくって、カラオケ行って、だな。ちゃんと奢ってやったところは褒めてやる。

文吾:まぁねー。それにしても、久しぶりにうまいイタリアン食べたなぁ。

仁:普段独りだから、安いメシばっかり食ってるからだな。さみしい生活送ってばかりだ。

文吾:それはお前も人のこと言えないだろ!

仁:……ふっ。

文吾:なぜか誇らしげだー!

仁:それにしても、あの「季節のシャーベット」ってヤツは……。

文吾:マンゴーと、パイナップルと、北海道メロン、だったな。

仁:ああ、マンゴーと、パイナップルと、スイカバー味だな。

文吾:北海道メロンだってば! 店員さんもそう言ってたじゃん!

仁:後輩のKが強弁に主張してただろ。俺は彼女の方を信じる。

文吾:いやいや、店員が嘘ついてたらものすごく嫌な店になるじゃん!

仁:でも、スイカバー味だったろ?

文吾:それは……確かにスイカバーっぽかったけれども!

仁:なら、スイカバー味だったんだよ。

文吾:ぐっ……。

仁:その後のカラオケは、本当にボカロ一色だったな。

文吾:うん。昨日にもぐっちょんとカラオケ行ったけど、延々ボカロで歌ってた。

仁:何歌ったかは後に回すとして、その後が重要だな。

文吾:あれ? ……言わなきゃダメ?

仁:お前のマヌケっぷりが判明する話題は、あますことなくこの場でさらす予定だ。

文吾:お前は相変わらずだな! そんなに俺が嫌いか!

仁:好きって思ってて欲しいのか?

文吾:いや、それはちょっと気持ち悪いだろ!

仁:なら良いだろ。

文吾:いやいや、そういう話ではなく。

仁:そういう話だ。それで、後輩達から別れて西鉄新栄町駅から久留米に行こうとしたら、だ。

文吾:ぐっ……そうだよそうですよ。久留米に行こうとしたら、すでに終電が終わってて柳川までしか帰れなかったんだよ!

仁:バカめ。

文吾:だから人のこと言えないだろ! それを言うならお前も同罪だ!

仁:文吾だけが、バカなんだよ。

文吾:自信満々に言ってんじゃねー!

仁:まったく、来てくれたリアルタクミに悪いとは思わんのか。

文吾:感謝しまくりだったよ。わざわざ柳川まで迎えにきてくれたし。

仁:ファミレス→リアルタクミの家で寝る→丸幸ラーメン→カラオケ(二人で四時間)→ファミレス→帰宅、って流れだったな。

文吾:そーだね。移動は全部彼の運転だった。マジありがとう。ホント助かった。

仁:ってか、またカラオケか。バカじゃねぇのか。

文吾:良いだろ! 行きたかったんだよ!

仁:四時間、ボカロとアニソンだけだったじゃねーか。どんだけカオスな空間だよ。

文吾:……。否定は出来ません。

仁:お前が歌ったのは?

文吾:全部ボカロだったね。リスト作ってみようか。忘れてるのがあるかもしんないけど。

Just be Friends
Fire◎Flower
ワンダーラスト
*ハロー、プラネット。
ワールドイズマイン
モノクロアクト
ロミオとシンデレラ
ミラクルペイント
裏表ラバーズ
下克上(完)
IMITATION BLACK
炉心融解
方向音痴
ダブルラリアット
RIP=RELEASE
magnet
ぽっぴっぽー
Eve
from Y to Y
サラリーマンのうた
ぜんまい仕掛けの子守歌
South North Story
園庭想空の女少(アンチ・ザ・ファンタジックガーデン)
ハト

仁:こんなところか?

文吾:たぶん……こんなもんじゃないかなぁ。リアルタクミと四時間って事を考えるとまだあるような気がしないでもないけど。

仁:歌いすぎだ。しかもワールドイズマインとロミオとシンデレラの二曲は当たり前のようにアナザー版を歌いやがった。

文吾:ブラスの後輩と行ったときも歌ったけど、ちょっとぽかんとされてたよね。

仁:まぁ、あの歌詞をよく覚えてるとは俺も思った。

文吾:IMITATION BLACKは後輩がレンのパート歌ってくれて楽しかったなぁ。magnetでもハモれたし。ボカロスキーが複数いると楽しいね。

仁:裏表ラバーズなんかは人間が歌える曲じゃないだろ。息継ぎする間がないはずなのに……そうか、人間じゃないからか。

文吾:そこで納得するな!

仁:ニヤリ。

文吾:不敵な笑みで誤魔化そうとしやがって!

仁:で、ようやく家に帰ってきたら、家の鍵が閉まってる、と。

文吾:ホントどうしようかと思ったよ。

仁:かわいそうにな。

文吾:お前もだよ! ってかちゃんと鍵は開けてもらえたから家には入れたよ!

仁:チッ。

文吾:なんで悔しそうなんだよ。

仁:おもしろくない。

文吾:そこにおもしろさを求めるんじゃない。

仁:ところで、今回はあの女が見えないが。

文吾:……あの女? ああ、静佳さんね。だってほら、ずっと出てこられたらブログのレギュラーメンバーかと思われちゃうじゃん。だから今回は静佳さんには内緒でやってるの。

静佳:なに言ってるのよ! どー考えてもあたしはレギュラーじゃない!

文吾:……。

仁:……。

文吾:……。コ、コホン。で、でさぁ。静佳さんが毎回どこで俺達が話してるのを聞きつけてくるのか不思議でならないんだよ、俺。

仁:……。

文吾:……。まさか、お前が静佳さんに言ってたのか。

仁:そ、そんなわけないだろう。

文吾:わかりやすく動揺してるじゃん! お前がそんなにわかりやすいリアクションするヤツだとは知らなかったよ! 仁、お前が静佳さんにバラしてたのか!

仁:文吾をいじめる人員は多いほど楽しくなる。

文吾:あ! 堂々と認めやがった!

仁:ふっふっふ。

文吾:またも誇らしげだー!

仁:文吾、諦めが肝心だぞ。

文吾:自分で言うな! 説得力ゼロだ!

仁:と、こんなところで。

文吾:こら! さらっと流すんじゃない!

仁:それではまた。

文吾:聞けって!




周雷文吾/しゅうらいぶんご
周雷仁/しゅうらいじん

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文吾ちゃんにはナイショのコソコソ話


静佳:――っていうタイトルでいこうかと思うんだけど、どう思う?

仁:……。

静佳:ちょっと仁君、なんか言ってよね。

仁:いや、別にいいんだが……。ここのブログの載せる以上、文吾に内緒なんてムリだろ。

静佳:それは言わない約束って事で♪

仁:……。文吾の奴、後でブログ見たら驚くだろうな。

静佳:それがいいんじゃない。あ、でもばれたら消されちゃうかしら。

仁:文吾のことだからな……。いろいろめんどくさがって消さないままだと思うんだが。

静佳:そう? ならいいわ。思う存分言いたいこと言えるわけね。

仁:出番が少ないとか言う意見は却下だぞ。お前はどっちかって言うと出過ぎてるくらいだからな。

静佳:う……。じゃ、じゃあそれ以外にしとこーっと。

仁:言うつもりだったのか。

静佳:だって……あたし本編に出てこないじゃない。

仁:予定では……「Ⅱ」に出番はあるはずだが?

静佳:あれだけじゃ物足りないわ! あたしと慎司の愛の軌跡で長編一本くらい書いてもらわなきゃ!

仁:……。そういうことは、本人のいないところじゃなくて本人に面と向かって言わなきゃ意味ないだろ。

静佳:……! た、確かに! 文吾ちゃんを説得しなきゃ意味ないんだったわ!

仁:……。

静佳:ちょっと! 見下したような目でこっち見ないでよ!

仁:憐れな奴だな、と思って。

静佳:ひっどぉい! うら若き乙女をつかまえてなんて言いぐさ! あたしが傷付いたらどうするつもりなの!?

仁:別に? お前が傷付こうと俺はいっこうに構わんからな。

静佳:……。仁君のひとでなしー!

仁:言ってろ。

静佳:……もう、仁君ったら文吾ちゃんと違ってうろたえたりしてくれないもん。おもしろくないのね。

仁:俺は文吾とは違うからな。本質は同じかもしれんが。んなことより本題に入ろうぜ。わざわざ文吾の代わりに俺が文章書いてんだ。文吾と違って俺は文章書くのは苦手だ。

静佳:あら、仁君って文章苦手なの?

仁:ああ。得意だったら文吾の存在意義が微妙なことになる。俺と文吾が別々に存在する意味なんてないだろ。

静佳:うーん……確かに。でも、存在意義っているの?

仁:俺達はな。本物を模倣した偽物にすぎない以上、役目がなければ存在出来ない。

静佳:そうかなぁ。

仁:そんなことはどうでもいい。俺にとっても文吾にとっても言いふらすようなことでもないからな。で、お前はなんのために文吾抜きで話したいなんて言ってきたんだ?

静佳:それは――ねぇ。ほら、最近の文吾ちゃんってなんか調子おかしいみたいだったから、どうしたのかなーって。

仁:ああ……別に、いつものことだからそんな気にする必要もないだろ。

静佳:また仁君はそんなこと言うー。文吾ちゃんってば、最近まともに文章書いてないのよ? あたしちょっと不安なんだけど。

仁:自分のキャラに心配されるとは、文吾もかわいそうな奴だな。

静佳:もー。あたし、わりと真剣な話してるのに。

仁:お前が真剣な話なんて……なにかの冗談か?

静佳:ちょっと! そんなに本気で驚かないでよ! あたしだって真剣な話することくらいあるわよ!

仁:……。

静佳:もう! 言葉にならないくらい驚かなくたっていいじゃない! あたしのこと、いったいなんだと思ってたのよ!

仁:男を見る目がない脳天気女。

静佳:そーゆーこと、本人に向かって即答しないの! あたしだって傷付くんだからね! それに、慎司がどれだけいい子か仁君はなんでわからないのよ。

仁:「いい男」じゃなく「いい子」って言ってる時点で、かなり基準がおかしいんじゃないのか?

静佳:いーだっ! 仁君のイジワル!

仁:はぁ。

静佳:こらっ! やれやれって感じでため息つかないの! そんなに冷たい目でこっち見ないで!

仁:まぁいい。この話題してたら無駄に行数使うだけだからな。

静佳:あ。

仁:確かに、最近は文吾の奴は文章書いてないな。ここ1週間弱で、多く見積もっても数百文字くらいか。

静佳:なんか、あたしの誤解は解けてないみたいなんだけど。

仁:うるさいな。平行線にしかならない話題をいつまでも続けてられるか。さっさと先に進むぞ。

静佳:はいはーい。わかりましたよーだ。

仁:でも、前と違ってそんなに苦しんではなさそうだったけどな。ゲームやってたし。

静佳:や、でも休日一日ゲームに費やしてパソコン開かないのは文吾ちゃん的には異常事態なんじゃないの? ゲームだってあんまり精神衛生上よろしくないたぐいのゲームだった気がするし。

仁:ゲームのタイトルはなんだったかな。あー……、確か「コール・オブ・デューティ4 モダン・ウォーフェア」だったな。

静佳:そうそう、そんな名前。戦争ものじゃない。敵を撃ち殺しまくるヤツ。あーゆー野蛮な内容のゲームってあたし嫌い。

仁:お前な。洋ゲーをバカにするんじゃない。よく作り込まれたゲームだぞ。良作だ。

静佳:なによ。殺したり殺されたりするゲームなんてやるもんじゃないわ。あたし、慎司には絶対そんなのさせない。

仁:まぁ、慎司は好きにしろ。

静佳:それにしても、文吾ちゃんってばピアプロの方にまた2次創作の小説更新始めたくせに、あれ以来全然書いてないと思うんだけど。どっちかって言うと、書くことを放棄してるような感じもするし。

仁:書けないんだから仕方ないだろ。スランプみたいなもんだ。それに書くこと放棄してるってわけじゃないだろ。この前は応募用の「MARS ZERO」を修正してたじゃねーか。

静佳:それにしたって語尾いじったりしてたくらいじゃない。後半のクラリスちゃんのところだって書き直すつもりのくせに、手つけてなかったし。どうかしてるわ。

仁:お前、文吾のことよく見てるよな。感心する。

静佳:だって、我らが創造主様じゃない。

仁:その割には、前回と前々回と、この場で文吾のことはバカにしまくりだった気がするが。

静佳:そ、それは言わないで♪

仁:……。

静佳:……2次創作に、応募用の修正に、あたしも出てくるはずの「Ⅱ」だって控えてるのに、こんな時に限って文吾ちゃん、いったいどうしたの?

仁:……。時期的に考えると、身体の記憶がよみがえってきてるってのが1番わかりやすい原因だろうな。

静佳:あ、ああ……。もう2年前になるんだっけ? そろそろ立ち直っても良さそうなものなのに。

仁:立ち直ってたら、俺と文吾はもういないだろ。

静佳:そ、それは……。

仁:なんにしても、年末年始にはいりゃ高専がらみでいろんなヤツと会うから、なんだかんだ回復するんじゃないかと思ってるんだよな、俺は。

静佳:そうかなぁ。

仁:それじゃなくても、映画見たりvocaloidで良い曲見つけたりすりゃ、なにかしらイメージはわいてくるもんだ。

静佳:……。

仁:なんだ? 呆然としてどうかしたのか?

静佳:仁君が文吾ちゃんのことをちゃんと考えてるところって、初めて見た気がしたから、つい。

仁:お前な。俺はお前と違って文吾のことをただのオモチャとしてみてるだけじゃないんだ。たまにはそれくらいは考える。

静佳:たまには、なのね。

仁:それくらいがちょうど良いんだよ。文吾にはな。

静佳:ふーん。ま、いいでしょ。どうせあたしには文吾ちゃんにしてあげられることなんてそんなにないしね。

仁:そういうならわざわざこんな文章書かせるんじゃない。

静佳:もう、いいじゃないそれくらい。あたしだって文吾ちゃんのこと心配してるんだから。

仁:はいはい、わかったよ。じゃ、とりあえずこの辺で今回はお開きにしとくか。

静佳:そうねー。文吾ちゃんがちゃんと書けるようになってくれたらいいんだけど。

仁:それは、文吾次第だ。……と、最後に業務連絡でもしとくか。

静佳:なに、業務連絡って?

仁:また、結愛様よりメッセージをもらったからな。今回は文吾がいないから代わりに返事しとかないとな。

静佳:あ、そーゆー事ね。

仁:メールは、まぁ、文吾が上記の状態だから、またそのうちさせてもらうことになるだろ。今はまだこの場の報告で我慢してもらうってことで。

静佳:ごめんなさいねー。

仁:あと、前回の話題については文吾が1人で勝手に暴走しただけなので、そんなに気にしてもらわない方がいいだろうな。先方にも迷惑かけてるから、食いついてもらって申し訳ないが、進展するような要素はなにもない。

静佳:仁君。それだけじゃ、いったいなんのことなのかさっぱりわからないんだけど?

仁:露骨に書きたくないだけだ。結愛様には、なんのことなのか頑張って察してもらいたい。

静佳:無理矢理な文章ねぇ。

仁:文句言うな。文章書くのは苦手なんだ。

静佳:はいはい、ごめんなさいってば。

仁:ついでにいうと、サイトに載せた詩も、文吾の心境的にはあんまりポジティブな内容じゃないので、申し訳ないところだ。

静佳:え? 「今わの際の、常世より」ってヤツだっけ? そうなの? 幸福とか言ってるのに?

仁:実は、な。タイトルを意訳すると「死ぬ直前の、現実から」だし、けっこう本人的には暗い気持ちでいっぱいの詩らしい。

静佳:なにそれ。わかりにくいわね。

仁:俺に言うな。文吾の文字の取り回しにはたまに俺にもわからんことがある。

静佳:なにそれ。運命共同体なのに。

仁:完璧に意思疎通が出来てたら、そもそもこの文章も全部文吾に筒抜けになっちまうぞ。

静佳:そっか。うーん、難しいところね。

仁:そうか?

静佳:あたしにとってはね。それで、結愛ちゃんに言うことってそれくらいなの?

仁:多分な。それにしても、お前は誰に対しても「ちゃん」付けなんだな。

静佳:いいじゃない。それに仁君は「ちゃん」じゃないわよ? 慎司だって「慎司」って呼んでるし。

仁:いや、俺達の身内と外部との境がないことを文吾は気にしてたんだと思うが……。

静佳:まあまあ。結愛ちゃんもそんなに嫌がらないと思ってるから、大丈夫大丈夫。

仁:それは、本人に確認とってから言ってくれ。文吾が怒るぞ。

静佳:文吾ちゃんに怒られたって怖くないもーん。

仁:それはそうだろうけどな。……言うだけ無駄だろうから俺ももう言わんがな。

静佳:よろしい!

仁:……。じゃ、今回はこんなところだな。

静佳:はーい。あは、文吾ちゃんの驚く顔が目に浮かぶわ。

仁:消されないといいな。

静佳:平気平気。仁君が業務連絡してくれたし、よけいに文吾ちゃんも消しづらくなったでしょ。

仁:あくどいヤツだ。

静佳:女はね、計算高いのよ。

仁:はいはい、じゃ、それでは。

静佳:それじゃ、またっ♪



周雷仁/しゅうらいじん
山口静佳/やまぐちしずか

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惚れちゃうかと思った。


文吾:というわけで、今日、蓮葉けろ様にリアルでお会いしちゃいました!

静佳:で「惚れちゃうかと思った」わけね。

文吾:そう! っておい! 早速出てくるんじゃない! 仁もまだ出てきてないのに!

静佳:いいじゃない。細かいこと気にしないの。

文吾:……。まあ、いいだろう。

静佳:あら珍しい。

文吾:今日は機嫌がいいからな。実に数年ぶりに。

静佳:そんなに?

文吾:まあね。

仁:で、どこであったんだ?

文吾:いや、それは先方にいろいろあるから、一応伏せときます。でもけっこう遠かった。そして寒かった。

仁:まぁ、それはいい。んなことよりもなんで会いに行ったかをさっさと説明しろ。この愚図。

文吾:なんでそんなに見下してくるのかなぁ。いつも以上に。

仁:うるさい。早くしろ。

文吾:はいはい。いやね、今日は蓮葉様の所属する吹奏楽団の定期演奏会があるって聞きつけたもんだから、それを聴きに来たんだよね。

静佳:ふうん。ってことは蓮葉ちゃんは遠目に見ただけ?

文吾:ちょっとだけだけど話したぞ。ってかお前まだ高2だろ。年上の人に対してちゃん付けするなよ。蓮葉様に失礼だぞ。

静佳:だから、細かいことは気にしないの!

文吾:だから、細かくはねーよって、慎司のセリフそのまま言っちゃったじゃん!

仁:まったく、芸がないな。

静佳:ホントホント。これだから文吾ちゃんには困っちゃうわね。

文吾:う……ごめんなさい。

仁:精進しろ。

静佳:しろ!

文吾:それは……まぁ。

静佳:で、蓮葉ちゃんとはどんな話したの?

文吾:……だからちゃん付けするなって……はぁ。

仁:文吾、気にしたら負けだぞ。

文吾:後で怒られるのは俺なんだぞ?

静佳:それくらいいいからいいから。はやく続き続き!

文吾:……。話したのは、えと、俺が文吾だってことと、今日の演奏会がホントすごかったよーってこと。これからどうするのか聞かれたから、明日仕事なんでまた帰りますーって。

仁:……。

静佳:……で?

文吾:え? でって……それくらいだよ。

静佳:なんでよ! もっといろいろ話すことあったんじゃないの? 初めて蓮葉ちゃんに会ったのに!

文吾:え、いやだって、なんか忙しそうだったし、蓮葉様には知り合いとか友達とかいっぱいいるだろうし、邪魔になりそうだったから……。

仁:ヘタレめ。

静佳:ヘタレー!

文吾:だ、だって内心「違う人だったらどーしよー」とか思ったし! 違ってたら死ぬほど恥ずかしいし!

静佳:それにしても、もっとこう……ねぇ? 写メ一緒にとるとかあるじゃない。

文吾:急にそんなこと言ったら引くかもしんないじゃん!

静佳:惚れたくせに。

文吾:いや、そりゃ確かにそうだが……ってそういわれると恥ずかしいな。

静佳:じゃ、惚れてないの?

文吾:……。うんにゃ、惚れちゃいました。あのティンパニが格好良すぎました。それだけじゃなかったけど。

静佳:じゃ、なんで求婚しなかったの?

文吾:だから! いろいろ飛躍しすぎだ! そんなことしたら引かれるどころじゃ済まないだろ! 俺は慎司と静佳さんみたいにそんな積極的にはなれないの!

仁:つまり、ヘタレだと。

文吾:ぐっ……。

仁:挙句、テンパりすぎてわざわざ買ったお土産を渡しそびれると。

文吾:おい仁! それ言うんじゃない!

静佳:うわ、かっこ悪い。仁君、それホントなの?

仁:ホントじゃなかったら、こんなに文吾が焦るわけないだろ。

静佳:確かに……文吾ちゃん、かっこわるー。

文吾:うう……。

静佳:あ、泣いちゃった。

仁:バカめ。これだから文吾は。

静佳:ちょっと仁君、言い過ぎじゃ……。

文吾:どうせ俺なんか……。

静佳:あーあ、文吾ちゃんがすねちゃったじゃない。

仁:ったく、軟弱な野郎だ。思い出して戻ってきたら、もうどこにいるかわかんなくなってたしな。

静佳:あ、一回ロビーに戻ってきたんだ。

仁:ああ。残ってたのは知り合いがほとんどだったみたいで、周りの人が「こいつ誰?」って目で見てきてたぞ。

静佳:時すでに遅しって奴?

仁:そうだ。

静佳:あらら。ほら、文吾ちゃん! いつまでもすねてないでちゃんとしなさい!

文吾:いや、でも……だって。

静佳:もう! それならまた会いに来ればいいじゃない! 蓮葉ちゃんもイヤとは言わないと思うわよ。

文吾:そうかなぁ。

静佳:訊いてみればいいじゃない!

文吾:そう……だな。メールしてみる。

仁:文吾、無駄だ。あきらめろ。

文吾:ぐさり。ばたん。

静佳:ちょっと仁君! そんなこと言ったらダメじゃない! 今の仁君の言葉かなり深く刺さったみたいよ!? 倒れたまま起きあがんなくなっちゃったじゃない!

仁:へんじがない。ただのしかばねのようだ。

静佳:仁君、容赦なさ過ぎ。ちょっとはタイミングを考えてよ……。

仁:文吾のことだ。心配しなくても大丈夫だぞ。

静佳:あのねぇ。たった今、文吾ちゃんをばっさり切り捨てといてなに言ってるのよ。

仁:50Gをみつけた!

静佳:こら。文吾ちゃんの死体をあさらないの。それにしても50Gって……文吾ちゃん、お金もってないわねぇ。50Gじゃひのきのぼうも買えないんじゃない?

仁:そんなことは知らん。

静佳:ならドラクエで話を引っ張らないでよ。わざわざのってあげたっていうのに。

仁:チッ、たいしたもんもってねーな。こいつ。

静佳:……。仁君、思いやりの心を持ったら?

仁:重い槍? 確かに持ったことはないな。

静佳:……そうね、あたしもないわ。うん。訊いたあたしが間違ってた。

仁:わかればいい。

静佳:……。

仁:で、とうとう蓮葉様の本名まで知っちゃったわけだな。

静佳:あ、文吾ちゃんは置いて話を進めちゃうんだ。

仁:……? 問題あるのか?

静佳:仁君がないならないけど。かわいそうに文吾ちゃん。ってあれ、文吾ちゃんはもしかして蓮葉ちゃんには「文吾ですー」としか言ってないの?

仁:ああ。人の本名は知っておいて、自分の本名はばらさない。どこまでも卑怯な奴だな。俺の相棒は。

静佳:仁君の相棒は、誰かさんのせいで倒れ伏したまんまだけどね。でも、それじゃ、ちゃんと文吾ちゃんも名乗らなきゃ失礼なんじゃない?

仁:それくらいは言っておく。まぁ、文吾が生き返ればの話だが。

静佳:うん、そうね。

仁:ったく、文吾のヘタレっぷりには参るぜ。

静佳:まぁ……こういうのってなかなかない機会だしねぇ。仕方ないんじゃない?

仁:それにしても、限度って物がある。

静佳:それは……。ホント、蓮葉ちゃん、ごめんなさいねー? うちの文吾ちゃんがご迷惑おかけしました。この場を借りて、あたしが文吾ちゃんの代わりに謝ります。

仁:そうだ。もっと頭を下げろ。

静佳:あのねぇ。どっちかっていうとあたしよりも仁君が謝らなきゃいけないんじゃないの?

仁:気にするな。

静佳:……あたしは仁君達に逆らえないから、別にいいんだけど……。あーあ、文吾ちゃん、久しぶりに機嫌がいいとか言ってたのに。

仁:じゃ、そろそろお開きだな。

静佳:そーね。それじゃ、蓮葉ちゃんまた機会があったら文吾ちゃんに会ってあげてねー!

仁:それでは。

静佳:それではまたっ♪


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周雷仁/しゅうらいじん
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モノガタリ


蓮葉けろ様のブログの日記にコメントしようとしたのですが、書こうと思った時点でタチ悪いくらいの分量になることが目に見えたので、ここで書いてみます。

トラックバックやらなんやら、たぶんうまいブログの使い方があると思うんですが、わかんなかったのであきらめます。

うん。蓮葉様は見てくれるって信じてる!(なんて身勝手な)

そして結局、やっぱり長文になってしまいました。お気をつけ下さいませ。


◆◆◆◆◆


モノガタリ、とカタカナで書いたのは、自分の場合は物語、という漢字を当てることができなかったからだ。

だから、物騙り、などと書くことがある。

漢字の誤用、と言ってしまえば否定はできないのかもしれない。

けれど、自分がどれだけ文章を書き連ねてみても、どうやっても「語って」いるようには感じられない。どうしても「騙って」いるようにしか感じられなくて。




こんなことを書くと怒られるかもしれないが、正直な話「ピアプロって自分のオリジナル小説を載せる場所じゃないよね?」と思ってもいる。

オリジナルの小説を載せるために、キャラクターを亜種にする人なんかもいたりするのかな? もしいたとして、それって本末転倒なんじゃないのなかあ?

ピアプロに自分の書いた小説を載せるのって、かなり大変なことだと思う。

なぜなら、その小説っていったいどこまでが自分の物でどこまでが自分の物ではないかがわからないから。

著作権がどうこうという話ではなく、あくまでも自分の感覚の話だけれど。

自分がピアプロで「ロミオとシンデレラ」の2次創作小説を載せたのは、その小説はあくまで自分の物ではなかったからだった。

そりゃ、2次創作なわけだから、doriko様がこんな風に考えたんじゃないかな、と自分が想像した部分はある。

でも、結局のところ、いくら自分が書いたところで、自分にとってはそれはdoriko様の物語であって、自分の物であるような感覚にはならなかった。なれなかった。


◆◆◆◆◆


「伝える」ということ。

文章を通じて、他者になにかを「伝えたい」と思うこと。

それって、すごく難しい。自分でも、未だになにかをうまく伝えることができたためしなんか一度もない。

自分の書いたオリジナル小説を読み返したとき、やっぱり伝えることができていなくても、それでも自分がなにかを伝えようとあがいた痕が見て取れることがある。

自分自身にしかわからない、些細な痕跡だけれど。

でも、2次創作だった「ロミオとシンデレラ」は、“自分が”なにを言いたかったのかは未だによくわからない。

ただ、doriko様の「ロミオとシンデレラ」という曲を通して自分に見えてきた二人の軌跡を追いかけてみただけだから。そこに自分の意志が介在しているような気があまりしない。

ピアプロで小説を書いていたり、同人誌なんかで漫画を書いている人は、いったいどんな気持ちで物語をつむいでいるんだろうなあ。

きっと「おもしろそうだったから」という以外にもなにか気持ちがこもってるんじゃないかと思うんだ。


◆◆◆◆◆


ケータイ小説を、小説として認めていいものかどうなのか。

正直な話、自分はケータイ小説をまともに読んだことがない。いつだったか映画化したなんとかいうケータイ小説を読もうとして、数十行で挫折したことはあるけれど。

そのときに思ったのは、「ああ、これでも物語として成立するんだ」という驚きだった。

描写がほとんど無いとどうもそのシーンを想像することができなくて、あっさりした文章に物足りなさを感じた。

「書かなくても伝わる」というのは書き手の技量だと思う。けれど、そこに感じたのは必要最低限のことしか書かなかったのか、それとも書けなかったのか。そんなことだった。

もしかしたら、キャラクターの仕草を長々と書きすぎるのは、早く続きを知りたい読み手にとっては苦痛なのかもしれない。でも、自分の中にあるその光景を誰かに伝えようとしたら、文章でなんていくら書いても足りないと思う。

キャラクター達が言葉にしない思いを伝えるのは、描写しかないから。全てがセリフだけで伝えられるわけがないから。

自分の造った、自分の構築した世界で生きているキャラクター達の浮かべる様々な表情は、自分にはどれだけ言葉を尽くしても伝えきれない。

未熟なのはわかってる。けれど、それを伝えようとあがいている。


◆◆◆◆◆


自分は、そういった描写が自分の思いを伝える手段の一つだと思っている。

自分のサイトに載せているオリジナル小説、特に「MARS ZERO」と「MAZE file:1&2」では、人によっては不必要とも思える描写もあるように感じられるかもしれない。

それはたとえば、主人公が戦っている最中なんかにある死体や怪我についての、やけに細かい残虐な描写。

それはたとえば、主人公の妹が敵の兵士に犯されていたり、主人公と記憶喪失の女の子がセックスをしているような描写。

それは別に、自分の書いている小説をグロくしたかったわけでもエロくしたかったわけでもなくて。

ただ、それは目をそらしていいものではないと思ったから。

RPGのように、敵を殺して、殺しまくって強くなって喜んだりすることなんて、あり得ないと思うから。人を殺してしまった感触に苦しむと思うから。死体を見て吐き気がこみ上げると思うから。

あまりにも深い心の傷があったとするなら、それは他者が目を背けたくなる出来事に違いないと思う。

相手の苦痛を和らげるために、自分の差し出せる物が他になにもなかったのだとしたら、きっとそれを差し出すと思う。

そこに目をそらしてごまかしてしまったら、自分の書いた物に“リアル”を感じられないと思うから。

自分の書いたものを読んで、気分の悪くなった方も、もしかしたらいるのかもしれない。でもそれは、きっと自分の伝えたかった“なにか”の一部なんだと思うんだ。

物足りない未熟な文章を必死につむいで伝えたい“なにか”のひとかけらだと思っているんだ。

だから、惨いストーリーを書く。生々しい話を書く。そうすることで、自分のあやふやな思いに近付いているような気がするから。


◆◆◆◆◆


自分が文章を書くのは、そうすることで自殺願望をごまかそうとしていたからだ。

けれど、実際にはうまくいっていない。

心臓のあるあたりがキリキリと痛んで、苦しんでのたうち回ることがまだたまにある。

いくら書いても、いくら考えても納得のいく文章なんて書けたためしがない。だから、ごまかすことができていないのかもしれない。

文章を書くことと生きることが同義になりつつある自分にとっては、へたくそな文章ばかり書いていることが苦痛でしかなくて。

それはまるで、息をすることもつらい感覚に似て、いっそのことビルの屋上から飛び降りてしまった方がいくらか楽だろうと、死んでしまった方がどれだけ楽だろうと思ってしまうほどに。

その度、仁に怒られてしまうんだけど。

仁がいるから、自分は文章を書いていられるんだから。

けれど同時に、自分が文章を書いているからこそ、仁もここにいられる。

仁が仁の為すべきことを為すために、自分が文章を書かなければならない。

周雷文吾と周雷仁は、運命共同体のようなものなんだから。


◆◆◆◆◆


自分が死にたいという思いをごまかすために書いているのだとしたら、書くことが生きることであるのだとするなら。

なら、いったい自分は文章を通してなにを他者に伝えたいんだろう?

“なにか”を伝えようとしていることまでは、自分でもわかっているつもり。

けれど、その“なにか”がいったいどういう物なのかまでは、自分でもよくわかっていない。

情けない話だと、自分でも思う。

けれど、いくら考えてみてもその答えは未だに出てこない。

こうして自分のサイトを作ったり、ピアプロに2次創作物を載せてみたりして、なにかを他者に伝えようとしているのだから、そこには思いがあるはずなんだけれど。

「俺はこんなことを思ったんだ。みんなもそうは思わない?」

と、共感を得たいのか。けれど、それならなぜ絶望の話ばかり書いているのか。書こうとしているのか。

平等だとか、純愛だとか、幸せだとか。そういった気持ちのいいであろう言葉がイメージできるような話を書かないのはなぜなのか。

喪失だとか、罪悪だとか、苦しみだとか。そういった気持ちが悪くなるであろう言葉ばかりイメージしてしまうような話を書いているのはなぜなのか。

なぜ、自らの造る天使達の世界には、そうやって傷つき苦しみながら、それでもなお絶望へと向かって這い進む者達の物“騙り”しか見えてこないのか。

幸せなんてクソ食らえだ。幸福なんてクソ食らえだ。自分は幸せになってはいけないんだ。自分は幸せになる資格なんてないんだ。……なんて、そんな風に考えてしまっているからなんだろうか。


◆◆◆◆◆


けれど結局、その自分が頭を悩ませている多くのことに答えなんか出てくることはないんだって、薄々気づいている。

もしかしたら、その問いの答えが結論ではないのかもしれない。その答えが見つかったからといって、それが到達点ではないのかもしれない。

もしかしたら、そうやって考え続けている行為そのものが結論であり、到達点なのかもしれない。

いつまでも考え続けているということこそが、重要なことなのかもしれない。

自分はもしかしたら、答えのでないまま、悩み続けながら文章を書き続けるのかもしれない。

彼ら、天使達の世界をのぞき込み続けるのかもしれない。

それが正しいことだとは、とても思えないけれど。



周雷文吾
しゅうらいぶんご

「AROUND THUNDER」
http://www.justmystage.com/home/shuraibungo/

初登場!


文吾:やあみんな! AROUND THUNDERで連載していたMARS ZEROは最後まで読んでくれたかな?

仁:いや、どうだろうな。

文吾:おい! 俺が紹介する前に登場してきてどうする!

仁:うるさいヤツだな。いちいちそんなこと気にしてるんじゃねぇよ。

文吾:いやいや、俺とお前だけならいいけど、これ読んでくれてる人からしたら「仁って誰だよ」ってなるじゃん!

仁:気にするな。

文吾:そこは気にしてくれ!

仁:で、なんで俺がわざわざこんなところにこなきゃならねぇんだよ。メンドくせぇな。

文吾:初っぱなからやる気ゼロなオーラ出すなよ。ま、なんで仁を連れてきたかっていうと、ほら、サイトのプロフィール欄にも「周雷文吾」と「周雷仁」の二人の名前が書いてあるし。

仁:それがどうした。

文吾:……。いや、みんな不思議に思ってるだろうから、そろそろ仁にも出てきてもらおーかなと思っただけです。はい。

仁:前から出てきてるだろ。サイト下部のロゴにもなってる。

文吾:まーね。でも仁の名前使ってるページはあとがきなんかの隠しページのみなんだよね。ってか、隠しページの場合には仁の名前使うようにしてるし。

仁:俺自体が隠しキャラってわけか。

文吾:まぁ、そう言えなくもないな。

仁:ふざけやがって。文吾のくせに。

文吾:え、ええ? なにそのけなしっぷり。

仁:気にするな。

文吾:そう思うなら言うなよ!

仁:隠しページといやぁ、MARS ZEROの隠しはちょっと特殊だな。

文吾:(ご、ごまかそうとしてるな……)まぁ、隠しの付録が2・3・4とあるからね。特に付録4は隠しの隠しだから、さりげないことこの上ない。

仁:まぁ、隠しつってもわかってる人やケータイから見てる人にはなんてことないだろうけどな。

文吾:まぁね。でもそんなにわかりにくくし過ぎてもどうかと思うし。これぐらいでいいと思うんだよね。

仁:いいならいいがな。

文吾:でも、この付録4はこのマルス編こと「天使達の憂鬱Ⅲ」のかなり重要なことについて書いてるから、読んでもらえるとちょっと嬉しいな。

仁:聖書の話なんて、5年以上前からあった設定だったのに今まで出てこなかったからな。

文吾:ホントホント。本編じゃないとはいえ、やっとこの話ができたよって感じ。

仁:でもこの「Ⅲ」の本編はまだかかねーんだろ?

文吾:一応、「MARS ZERO」で応募してみよーかなって画策してるからね。今はまたボカロで一本2次創作をして、それから「Ⅱ」を書こーかなって思ってるよ。

仁:「Ⅱ」ねぇ……。あいつらか。

文吾:うん。和彦と楓の二人の話。

静佳:あたしもあたしも! あたしも出てくるわよ!

文吾&仁:あんたは引っ込んでろ。

静佳:なによ! 仁君はともかく、文吾ちゃんに言われる筋合いなんてないわよ!

仁:ああ、その通りだ。

文吾:ちょっと待て、なぜ俺だけそんなに虐げられてるんだ?

静佳:仕方ないじゃない!

仁:そうだ、仕方ない。あきらめろ。

文吾:はぁ、ってか静佳さんとか突然出てきても読んでる人はなおさら誰だかわからんでしょうが。

静佳:そんなことないわよ! だって三本もあたしがヒロイン話がサイトに載ってるのに、わからないわけないでしょ! 「熱い気持ちは突然に」「室生慎司の、少なくとも本人にとっては不幸な一日」「mysweetheart」に出てくる山口静佳よ!

文吾:はい、自己紹介をありがとう。ほら、向こうが出口だ。出てった出てった。

静佳:なによ! 仁君と文吾ちゃんだけじゃ話が弾まないみたいだからわざわざ出てきてあげたのに!

仁:つまり、最近出番が少なくて暇だった、と。

静佳:まぁ……否定はできない、かな。

文吾:あのなぁ。静佳さんの登場回数めちゃめちゃ多いじゃん。「Ⅱ」の和彦も楓もまだ名前が出てきてるだけだぞ? 主役じゃないくせにどんだけ出しゃばって来てんだよ。

静佳:ワガママばっかり言わないの!

文吾:いや、ワガママ言ってるのはあんただ。あんた。

静佳:うるさいわねー。そんなこと言ってると男の子にもてないわよ?

文吾:男の子にもてなくても全然困らないよ! どさくさに紛れて変なこと言ってんじゃない!

仁&静佳:チッ。

文吾:仁、お前の差し金か!

仁:まぁ、落ち着け。

静佳:そうそう。落ち着きなさい、文吾ちゃん。

文吾:ぐっ……。

仁:それにしても、高校2年の女の子にたしなめられる23歳の男ってどうなんだろうな。

静佳:確かに。こら文吾ちゃん! もっとしっかりしなさい!

文吾:「ちゃん」付けで呼ばれてるのになにより凹むよ……。

仁:そろそろ収拾がつかなくなってきたから、なんとかしてくれ。

静佳:そうだそうだー!

文吾:収拾がつかなくなってきた原因は間違いなく静佳さんの乱入にあるんだけど。

静佳:あ、そーやって人のせいにする。

文吾:間違いなくあんたのせいだ。

静佳:ひっどぉい!

仁:最低だな。お前は。

文吾:だから、なんで仁は静佳さんの味方しちゃうのかなぁ。

仁:決まってる。その方がおもしろいからな。

静佳:だって、文吾ちゃんいじめると楽しいもん。

文吾:テメェら……。

静佳:文吾ちゃんってMっ気あると思うんだよねー。

仁:とある人からはSだって言われてたけどな。

静佳:じゃあ文吾ちゃんってどっちなのよ。はっきりしないわねぇ。そーゆーのはダメよ。慎司みたいに完璧にMだったり、あたしみたいにSっ気強かったり、わかりやすくないと。キャラクターが目立たないじゃない。

文吾:だから、俺をキャラクターっていうくくりに入れるなって前も言ったじゃん。

仁:……。

静佳:……。

文吾:二人そろってかわいそうなものを見る目で見るんじゃない! 俺はそんなにイタい奴じゃないだろ!

静佳:生きてれば、きっといいことあるわよ。一円玉拾うとか、駄菓子で当たりが出るとか。だからあきらめないでね。

文吾:俺に起こるいいことは、そんなささいなことだけじゃない! もっと他にもいろいろあるよ!

仁:……。かわいそうにな。ほら、十円やるからこれで――。

文吾:仁! お前までなに言ってる!

静佳:あら、一円玉拾うよりもいいことじゃない。

文吾:人の言葉の揚げ足ばっかりとってんじゃねぇ!

仁:文吾……そろそろあきらめろ。人生を。

文吾:あきらめる規模がでかすぎるわ!

静佳:お墓にはちゃんと書いておくから安心して。「エイズ募金にご協力ください」って。

文吾:そのネタは聞き飽きたわ! それはどー考えても墓じゃないだろ! それにいろいろ勘違いを引き起こしそうじゃないか! そーゆーことしまくってエイズになったみたいな感じになるだろ!

静佳:あ、それ偏見よ。偏見。全世界のエイズ感染者のみんなに謝りなさい。

文吾:あ、ごめんなさい……。

静佳:うん。よくできました。

文吾:どう致しまして。ってそうじゃない! それならそもそもあんたが俺に謝れよ!

静佳:はいはい。そーゆーのはいいから。それじゃ、あたしはこれで。

文吾:逃げやがった!

仁:このまま居座って欲しかったのか?

文吾:いや、そうじゃないけど! 納得はいかないだろ!

仁:……あきらめろ。お前じゃ静佳には勝てん。

文吾:……。

仁:と、こんなところで、それではまた。

文吾:納得いかない……。


周雷文吾/仁
しゅうらいぶんご/じん

「AROUND THUNDER」
http://www.justmystage.com/home/shuraibungo/