サントリーホールでのベルリンフィルのコンサート。
指揮はサイモン・ラトル、
曲はマーラー交響曲第9番です。
先月行ったウィーンフィルの時と同じような盛り上がりです

その時お見かけした著名人が、今日もいらしていました。
きっと、
ウィーンフィルとベルリンフィル、どちらにも来ている方はたくさんおられるのでしょう。
たくさんの観客が席へ向かう中、
私たちはホワイエでお酒を飲んだりしているのが好きです。
ホワイエとは、エントランスからホールまでの空間を指します。
日本は土地の狭さのせいか
あるいは、社交的なことが得意でないせいか
ホワイエにあまり力をいれていないという印象があります。
サントリーホールもこじんまりとはしていますが、ギュッと凝縮されているとも見えて、好きです

さぁ、リラックスしたところでホールへ向かいます。
超超満席です。会場の外ではチケットを譲ってほしい方が立っていました。
マーラーの9番といえば、大ファンの方、これなしには語れない!という方がたくさんおられます。
しかしながら、おそらく、そのあまりの難しさのため、なかなか演奏はされない曲だと思います。
生演奏は私も主人も初めて。
緊張します。。。
この曲は「死」がテーマです。
作曲当時、精神的な病にも悩まされていたマーラー。
ウィーンにてフロイトの精神分析も受けています。
写真を観ても、なんとなくナーバスな印象です。
第一楽章から心を大きく揺さぶる旋律。着地点の見当たらない不安感や動揺が響きます。
各パートで不安定なメロディーが続くため、指揮者はとっても大変です。
ラトルさんはあんなにも細かく動く方なんだなぁと思いました。
第二楽章は・・・私はあまり好きではありません。
もしかしたら、それも彼の狙いなのかもしれません。
明るいようにみせて、カラ元気。そんな風に聞こえます。
第三楽章で、動揺が少しおさまってはっきりと、時に怒りのような感情も現れます。
この楽章、私は好きです。
ここまでは、楽章が終わるごとに、少し長めの小休止でしたが、
第四楽章へは続けて入りました。
怖い気持ちのまま進みます。
そして、第四楽章は、死を受け入れるような、でもまだ出来ないような・・
しかし、最後は「死に絶えるように・・」という指示通り、
息をひきとるように、音が消えていきます。
耳からの音が消えてから、なおも、静寂は続きます。
ラトルの中、演者の中、私たちの中に「静寂」が流れ続け、
30秒、いいえ、もっとでしょうか、息を飲む時間があるのです。
そして、ラトルが指揮棒を下げて・・・拍手、拍手、拍手!なのです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
小澤征爾さんが、ボストンフィルの音楽監督をした最後の曲がマーラーの9番でした。
就任したころ、ボストンフィルはフランス音楽、つまり、軽い音を得意としていましたが、
小澤さんは重い音を出させるようにしていました。
この超難曲を選んだということは、
きっと、
ボストンフィルはここまでできるんですよ、と世界にアピールしたかったのでしょう。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
いつもより高いテンションで
ちょっとおしゃべりになって家路につく夫婦なのでした

