「何をもって高品質の精油?」南仏・グラース旅行記で知ったホンモノの話(1) | アロマ&心理カウンセリング 心とからだのセルフケア @東京 調布

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心とからだの健康はセルフケアから。セルフ・カウンセリング、AEAJアロマテラピーアドバイザー・アロマハンドセラピスト資格認定教室 アロマシオン主宰
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高品質精油って、どんな精油のこと?
 

AEAJ認定教室 調布アロマシオン主宰、アロマテラピー研究室でも活動し、
セラピストのためのホームページ制作も承ってます島田さつきです。

    

そのアロマの使い方 危険です

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アロマ関係者のみなさま

精油にはどんなこだわりをもっていますか?

「高品質の精油」と表現されることがありますが、

その説明、何を以って高品質と思われますか?

 

今回は、ある記事を取り上げますので長いブログになります。

いつもだけど…(笑)

 

ある記事とは、2024年4月に南仏のアロマ旅に出られていた方々の旅行記です。

アロマでお付き合いのある「CRYSTAL*TEA(クリスタル・ティー)」の永光さんと、在仏のアロマトローグ濱田さんらが、精油等の仕入れも兼ねて南仏やグラースの生産農家さんを巡る旅の記録です。

 

フランス アロマ授業ノートを主宰されている濱田さんは、以前、私も管理者の一人であるアロマテラピー研究室主催のセミナーをお願いしまして5~6年位のお付き合いになるでしょうか。
お二方ともに、私など足元にも及ばないアロマ道の大先輩です。
そして、そのオタク度がたまらない方々でもあります(笑)。

 

この旅の第一の目的は、永光さんのネロリを求めて…の旅だったようです。
その旅記録をお二方ともに、facebook(Meta)記事に投稿なさっています。
その濱田さんの記事の中で、ラベンダー農家さんを訪ねた時の非常に興味深い内容がありましたので、ここで取り上げたいと思います。(部分的に転記させていただきます)

 

 

グラースの生産者さんを訪問した翌日
ニースから約1時間半
たどり着いたのは、山深くに静かに佇む農場でした(略)

彼の植物たちへの愛情は深く、製品作りのこだわりは細部に渡るまで一貫していました
彼のお話を聞いているうちに、「何をもって高品質というのか」という問いが私の頭をくるくると巡り始めたのでした

誰もが求める品質のいい精油
ではその品質とは??
精油の品質を規定する基準などは『薬用エッセンシャルオイルの科学』にもいくつか示されています
商業的な規定
香料原料としての規定
ガスクロデータなど化学成分としての規定
どれも精油の品質を確かめるための大切な、そして最低限の規定でもあると思います

しかし、こちらの生産者さんのお話で最も感銘を受けたのは、
⭐️自分が自然の一部であることを踏まえた彼の植物に対する接し方(植物を刈り取るのではなく、切り整える手入れをするという意識)
⭐️その意識を、種まきから蒸留・瓶詰めまで妥協することなく一貫して持ち続ける丁寧な作業
ということでした

なるほど、こういった見えない想いや作業の先に出来上がった精油こそ、「最高の品質を持つ」という称号が与えられるのでは??と思わずにはいられません
そして、こんなお話をしてくださいました

「ローリエの葉と枝を蒸留する準備として、他の木の植物にもするように、その葉と枝をいつものように粉砕機にかけて細かくして蒸留していたんだけど、ある日日本人の「ネ」(調香師)が来て、ローリエ精油の香りを確かめ、顔をしかめたんだ。その香りに納得のいかない様子で、粉砕しないで蒸留してくれと言われ、葉と枝を手作業である程度細かく切って蒸留したんだ。するとその「ネ」は、とっても満足気に香りを気に入ってくれたんだよ。それ以来、ここの蒸留所では全ての植物を粉砕せずに蒸留するようになったんだ
例えば、葉から抽出される精油っていうのは、大抵の場合枝も含まれ蒸留されてる場合が多いんだけど、ここでは一枚一枚葉のギリギリで切って蒸留釜に入れているんだよ」

こういった作業は、ラベルからは窺い知ることは決して出来ません
しかし、そのラボでスメリングさせていただいた「アリババの宝棚」(笑)にしまってある黄金のように輝く精油たちの香りがその作業の成果を証明してくれていたのです
プチグレン(レモンとクレメンタイン)、ローリエ、サイプレス、ユーカリ、カラマツ。。。
それらの香りに全く雑味が感じられないっ‼️
衝撃でした
その中には、なんと2012年に収穫・蒸留されたサイプレスルシタニカ(ポルトガル原産)の精油も!
酸化しやすいと言われる炭化水素類を豊富に含む針葉樹精油が、10年経っても全く酸化臭もなく、逆に熟成しまろやかな香りを放っているなんて?!
どう説明できるんだろう。。。と考えるのも束の間、そうかあの丁寧な手作業で、出来る限り枝の部分を切り落とした針葉だけを蒸留しているからなんだろうなあ、と納得したわけなのです

これこそが品質の差として現れるものなのかも
オーガニック精油を望まれる方は多いですが、同じオーガニック認定を受けていても、その植物が機械を使ってガガーっと無機質に刈り取られ、ガガーっと無頓着に粉砕され蒸留されている精油と、彼のように植物に敬意を持って切り整えられ、きれいに余分な枝などが取り除かれて蒸留された精油では、自ずとその香りが違っていてもおかしくはないなあ、と
であるならば、どちらを選びたいか
それは私たち一人ひとりの選択にかかってくるわけで

通常精油を手にする際、私たちにとってその精油について入手できる情報は限られていますし、ラベルやメーカーのサイトなどが主な情報源となるでしょう
自身の知識と鼻で、信頼できる精油を扱うラボを探すことは大切ですが、そのラボの名前や認証ラベルだけに安心して選ぶだけでなく、もう一歩先の品質を求める選ぶ側の責任も果たしていきたいなあ、と思ったのでした

彼のような生産者さんは非常にこぢんまりと経営されています
でもその価値を認めて、消費者が自分は何を選択するのかという責任を全うするなら、誰もがWin-Winの循環する世界になるのではないかな、と小さな決心が湧き起こるのでした

 

引用というには、まるっと転記ですが(笑)、ご本人濱田さんの了解済みです。

 

永光さんは、CRYSTAL*TEA(クリスタル・ティー)という精油やハーブティーなど植物療法に関わる製品のセレクトショップをなさっています。

原料植物やその育成にも敬意を払って丁寧に取り組んでいらっしゃいます。

なぜそんなにこだわるのでしょうか? 

 

上記の濱田さんの旅記録にあるような、生産者の丁寧な作業は本当に意味があるのでしょうか?

 

ややもすると、自然への畏敬の念や精神論は、ヒトが美しく生きる道徳観念であったり、非現実的なスピリチュアル論とも取られがちです。しかし、私はここにも科学的な概念の証(あかし)をみることができると思ったのです。

 

長くなりましたので、そのお話は続きで綴ります。

つづく↓

 

 

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