アロマ&カウンセリング 心とからだのセルフ・ケアをあなたに、アロマシオンの島田さつきです。
前回「「家庭内暴力」のこと 暴力の奥にあるもの…その1」の続きです。
初期の家庭内暴力を鎮静化させる方法が記されています。まとめると…
- 暴力を呼ぶ悪い刺激をしないこと。
- 皮肉やいやみ、本人を傷つけるような冗談、決めつけるような断定的な話し方、これらは悪い刺激である。
- 本人の劣等感を刺激せず恥をかかせないこと。
- 暴力をふるわずにはいられないほどの悲しみ、葛藤を共感的に理解する。
- 過去のうらみつらみに十分に耳を傾ける。
- 暴力は完全に拒否するが、言葉による訴えは完全に受容する。
相手の話すことを「聴く」様子をカウンセリングでは「傾聴」といいます。
この傾聴は、話の内容を聴き取ることです。
事情聴取という言葉がありますね。あれととても似ていると思うとわかりやすいかもしれません。
もし、何かの事故に巻き込まれた。痴漢に遇った。盗難に遇った。見ず知らずの人に暴力を振るわれた。
その時のことを説明したとき、聞き手がどんな様子だったらあなたは落ち着くことができるでしょうか?
事実を事実としてしっかり聴くとともに、不安な気持ち、悔しさ、恐怖感などをわかってくれたなら、
落ち着きを取り戻すきっかけになりませんか?
耳を傾けることと言いなりになることは違います。本人の恨みを言葉として十分に聞き取ること、同時にその言葉に振り回されないことが大切です。
言いなりになるとは、相手の欲求通りの言動をすることです。
ですから、相手の言っていることはわかったが、その通りの言動をするということとは違います。
相手の言葉に振り回されないとはどういうことでしょう?
暴力をふるってしまう子どもの話に耳を傾ける時、子どもはわざと親を怒らせ試そうと罵ったり、必要以上に恨みつらみを重ねることがあるかもしれません。
過去の出来事を引き合いに、あの時ああだったこうだったと話してくるかもしれません。
そんなとき言い訳をしたり、事情を説明したりするのは、すでに相手の言葉に振り回されている状態です。
また、子どもの話にカチンときて怒りだしたり、ビクビクしすぎたりするのも同様です。
傾聴と共感的理解とは、
動じずに相手の話を漏らさずに聴くこと。
相手の身に何が起きていた(起きている)のか、どんな気持ちだった(今現在もどんな気持ち)のか、
その言っている内容がわかったということを伝えることです。
場合によっては、こうして話し合う姿勢をみせ、コミュニケーションが十分になされるだけで、暴力が沈静化することもあるといいます。
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それではさらに重症の、長期にわたって続いている暴力についてはどうでしょうか。こちらはいうまでもなく、対応が格段に難しくなります。慢性化に至っている場合、小手先の対応を変える程度では、びくともしないことが多いからです。いや、それ以前に、対応を変えることすら難しくなっている。親がそれこそ、蛇に見込まれた蛙のようにすくんでしまい、身動きがとれない状況におかれてしまうのです。
何でも病でも、心の問題でも早期対策が重要だとはわかっていても、そこまで必要なのだろうか…?
大げさじゃないか?と見過ごしてしまうことが多いのでしょうね。
こんな時、気軽に相談できる場所があれば良いのですが、親しい人に相談しても、表面的な慰めや安易な解決策を提示されるだけで、気晴らし程度にしかならないことが多いでしょう。
相談上手になるために、公共機関の相談を受けるというのも一つの手でしょうかね。
蛇に見込まれた蛙…とありますが、これもDVが蔓延する家庭では日常茶飯事ですね。
すると、傍目では、抵抗すれば良いのに…と思っても、恐ろしさのあまり身動きが取れないのです。
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比較的穏当な方法として考えられるのは、他人を介在させることです。これはもちろん、誰かに暴力の仲裁役を頼むということではなく、ただ家庭の中に他人が入ってくるというだけでよいのです。母親へ激しい暴力をふるっていた息子が、妹の婚約者が同居するようになってから、ぴったりと暴力をふるわなくなったというケースを経験したことがあります。
確かに第三者が家の中にいることで、その人物の存在が抑止力になるということですね。第三者は関係ないので、その人を不快にさせたり不安にさせることは、本人にとって本意ではないということでしょう。
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ここでいう「他人」には、「警察」も含まれます。暴力の程度によっては通報も考えるべきです。ただしこれは、「警察が何とかしてくれる」からではありません。家庭内暴力の場合、家族が通報して警察官が駆けつけてみると、暴力はすっかりおさまっていることがほとんどです。ご存じの通り警察は、現行犯でもない本人に対して、せいぜい説諭するくらいしか出来ません。しかし、それでいいのです。要は「家族は場合によっては警察に通報するほどの覚悟が出来ている」ということが理解されればいい。「そんなことをしたら、後の仕返しがこわい」と考えて踏みきれない家族も多いのですが、これは家族の態度いかんです。通報すべき時は断固として通報し、それを繰り返すこと。このような毅然とした態度があれば、「仕返し」のおそれはほとんどないといえます。
なるほど…本人からの仕返しを恐れるのもありますが、世間体から警察沙汰を恐れる人が多いと思うので、これはかなりハードルが高いでしょうね。けれども、暴力が続いている場合、たいていは隣近所に知れています。私自身、隣人にDV一家が住んでいたこともあり、その物音や叫びなど丸聞こえでしたからね。オートロックのマンションゆえ、警察には通報しませんでしたが、DV被害に遇ったら…を啓発するチラシをポストに撒き入れました。その時はそれくらいしかできませんでしたが…公共機関に相談すると良い知恵を授けてくれることもあります。
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もう一つ、暴力の拒否のために私がもしばしば採用しているのは「家族の避難」です。 暴力と対決せずに、暴力を拒否するためには、暴力の場面から避難すること。適切に行えば、かなり確実な効果が期待出来ます。これらの方法は、効果も大きいぶんだけ、リスクも伴います。またタイミングを誤れば、失敗する可能性も十分にあります。したがって、治療としての「避難」を実践する場合には、専門家と連携することが必要となります。
繰り返し強調しておきますが、避難が有効であるのは、あくまでもそれが適切になされた場合のみです。くれぐれも「ただ逃げればいい」という短絡的な理解はしないでください。
以下に避難のポイントを整理しておきますので、参考にしてみて下さい。
- 治療者と両親の間で、避難の方針と方法について十分に打ち合わせをする
- 大きな暴力をきっかけにして避難する(きっかけなしに避難することはむしろ危険)
- 怪我をしたような場合、しょうしょう大げさでも入院した方が良い
- 避難は必ず、暴力のあった当日のうちに完了する
- 当日中に、必ず親から本人に電話を入れる
- 電話では「これから定期的に連絡する、生活の心配はいらない、いずれは帰るがいつになるかは判らない、どこにいるかも教えられない、暴力が完全におさまるまでは帰らない」と伝える
- この方針は本人の治療のために専門家と相談し、家族全員の同意を得て決めたことを伝える
- その後は定期的に電話を入れ、必ず五分間だけ話す。時間が来たら途中でも切る
- 本人が落ちついたタイミング見計らって、一時的な帰宅や外泊を繰り返す
- 外泊時の様子で、特に暴力もなく、また母親と穏やかに会話できる状態で安定したら、帰宅する
- 以上のことを、専門家との密接な連携のもとで行う
- 親の側は、暴力や脅しに屈せず、誠実で毅然とした態度でことに当たる
- 帰宅までに要する期間はさまざまであるが、軽いものであれば一カ月程度でも十分に有効であり、長くても半年ほどで帰宅できることが多い
以上 「こころのドア船橋」さんより引用
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