中学の時、友達に誘われて、
吹奏楽部に仮入部した。
あの頃は、バレエをやっていたので、
部活に入る気はなかったのだけど。
仮入部くらいなら、いいか。と。
誘われるままに。。。
私がそこに行った時はもう、
仮入部期間も半ばを過ぎた頃で。
人気の楽器はすでに
定員いっぱいで。
残っていたのは、
パーカッションのみ。
でも、もともと、
続ける気もなかったし。
適当でいいや。と。
パーカッションを引き受けた。
でも。
仮入部期間が過ぎても、
先生や先輩たちからのすごい
「圧」を感じて(笑)
抜けるに抜けられなく
なった私は。
結局、夏休みいっぱい
くらいまでは、そこに
留まる羽目になった。
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ドラムのスティックを買わされ。
毎日、毎日、放課後、
段ボールを叩かされる日々。
ホント、つまんなーい。と。
そう思っていた。
でもある時、やっと本物の
小太鼓を叩かせてもらえて。
その時、知らないうちに、
ドラムロールが出来るように
なっていたことに気づいた。
更にその頃、
それぞれの楽器のパートごとに
練習していた曲を。
初めて全員で合奏したら。
その迫力に、なんだか。
泣きそうなくらい感動した
記憶がある。
「すごーーーい」
・・・と。
あの時、思った。
バレエとの両立はやっぱり
難しく。
結局私は、
吹奏楽部を辞めたけど。
でもあの時。
たくさんの人達と一緒に、
それぞれの音を合わせた時の。
あの、何とも言えない
高揚感というか。
一体感。というか。
そういうものの、
素晴らしさを、初めて
体感した。
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高校時代、
バンドをやっていた時に、
スタジオで練習していた時も
そうだったけど。
ボイトレのライヴの
リハーサルの時なんかに。
あの高揚感をよく、
感じていた。
ライヴの本番ではなくて。
初めて、全員で音を
合わせた時。
その時に一番、
くるのだ。。。
あの、高揚感って。
で、本番では。
演奏者同士の一体感は、
どことなく、固定されている
感じがしていて。
でも。
今度は、そこから客席にまで、
その一体感が、広がっていく
感じがして。
それに、ザワザワする。
気持ちが昂るというか。
ライヴで。
その感覚を感じるのが、
好きだった。。。
その場にいる人たちとの、
何とも言えない、一体感を
感じることが。
それを、あの、
『スペース・オディティ』のような
タイプの曲で。
一発勝負のような場で。
あそこまで持っていくのは、
結構、難しいと。。。
でも、難しいからこそ、
やってみたかった。
結果は。
成功だったと思う。
そして私は多分、
あの時、完全燃焼したのだろう
とも思う。
今にして思えば。。。
「歌うこと」も。
あの時、終わっていたのだ。。。
でも、ベリーダンスでも、
そのあと少しだけ、引きずって
いたように。。。
ボイトレも、、、
そのあと、1年くらいは、
辞められなかった。
だからこっちもまた、
『スペース・オディティ』が、
最後にはならなかった。
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最後のライヴで歌った歌は、
デルタ・グッドレムの、
『Lost Without You』
これは昔。
あの、絵描きの彼が、
私のイメージだと。
そう言っていた歌で。
あの時、なぜか突然。
そのことを、思い出したのだ。
そうやって私はいつでも。。。
歌う歌にしろ、
踊る曲にしろ。
その時、ふと浮かんできたものを
選んでいたな。。。
なんだか。
考えれば考えるほど、
迷う。というか。
解らなくなってしまうから。
そして。
これが、人生最後のライヴになった。
あの時は、、、
娘もコーラスで入ってくれて。
娘の成長を、、、
しみじみ感じながら。。。
このあたりで、もう。
バトンタッチだな。。。と。
そう思っていた。
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つづく