翻訳者の彼に、WMFJの仕事を
手伝って欲しいと言われてすぐの頃。
彼からある、頼みごとを
されたことがあった。
ウイングメーカーには、
「ランゲージ・オブ・ライト」(光の言語)
というものが出てくるのだけど。
これを基にした、
シルバー・アクセサリーを
作ってみたいのだ。。。と。
で。
東京のほうが、そういうお店は
たくさんあるだろうから、
Lyricaさん、お願いします。
・・・と。
今だから言うけど、正直。
「えーー、めんどくさっ!」
・・・と。
あの時は、そう思った(苦笑)
自分でやってよ。。。と。
けれども、頼まれるとイヤとは
言えない性分というか。
その頼まれ事を、
引き受けることにした。
*******
引き受けたからには、
気合を入れていこう。。。と。
最初は、ネットでお店を
探し始めた。
シルバー・アクセサリーを
作ってくれる職人さんを。
何件かのサイトで、
作品を見ているうちに。
ピン!と
来る人を見つけた。
ピンと来た。としか
言えないけれども。
あ、ここだったら、
すごいの作ってくれそう。と。
彼の作る作品を見て。。。
そんな予感がしたのだ。
なので、そのホームページに
立ち止まり、
サイト内を、より詳しく見てみた。
そして。
「あぁ、やっぱり、ここで
あってる。。。」
・・・という、そういう確信に
至ったのだけれども。
なぜ、確信したのかと言えば。
そこの店主さん。
シルバー・アクセを作る
職人さんが。
なんだか、出口さんに
そっくりだったからだ(笑)
こういうことを言うと、
大抵の人は笑うけど。
私にとっては、
こういうことが、実は一番
大事だったりする。
だって、何事も。
「縁」
・・・だと。
私は。
そう信じている人だから。
*******
その後、直接お店に出向き、
その職人さんと、アクセ作りに
関する、打ち合わせをした。
顔が似ていると、
声も似るのか。。。
本当に、一瞬。
出口さんと話しているのかしら?
・・・と、錯覚してしまうくらいで。
まぁ。。。
私のフィルターもかかって、
余計にそう思ったのだろうけど(笑)
でも、話しているうちにますます。
「やっぱり、ここで間違っていない。
この人だったら、絶対に、
素晴らしいものを作ってくれる」
・・・と。
そう思うようになった。
アクセサリーを作ってもらう上で。
ランゲージ・オブ・ライトの
背景を。。。
つまり、ウイングメーカーの
世界観を、ある程度は
説明しないとダメかな。。。と。
最初は、そう思っていた。
でも。。。
職人系の人に、
そういう小難しい説明って、
必要なのだろうか?
・・・と。
・・・というよりも、私自身が、
そういう説明をするのが、
めんどくさかった。。。
・・・というのが、ホントの
理由かもしれないけど(笑)
だから私は、あまりくどくどと、
詳細を説明することなしに。
ウイングメーカーの絵画を、
いくつか見せることにした。
「こういうイメージです」
・・・とだけ伝えて、
あとは、ランゲージの細かい
モデルだけ渡した。
*******
その後、職人の彼と、
少しだけ、雑談した。
彼はその身体に、
かっこいい、タトゥーを入れていて。
それが本当に、
妙にかっこいいので、訊いてみると。
「実は、ホピ族が好きなんです。
だから、そういうイメージで」
・・・と、彼は答えた。
その言葉を聞いて、
私はますます。
ここでよかった。。。と。
そう思った。
ネイティヴ・アメリカンの
ホピ族。。。
アナサジ族は。
ウイングメーカーとも、
大いに関係あり。
だったからだ。
そういう感性の人だったら、
あれこれ伝えなくても多分。
イメージ通りのものを
作ってくれるはず。。。と。
妙に、確信していた。
ホピが好きだという彼は、、、
ウイングメーカーの絵画を観て。
「こういう感じ、結構好きです」
・・・と、そう言ってくれた。
そしてその後。
ホピの話を少ししていたのだけど。
なんだか彼は。。。
本当に、ホピに惹かれているんだな。
・・・ということが、
ヒシヒシと伝わってきた。
もともと。
シルバーアクセを作る人は、
ネイティヴ・アメリカンに惹かれる人が
多いような気がするのだけどね。。。
でも、私が。
「じゃあ、いつかは。
ホピの地に、実際に行ってみたい
とか思っていたりするんですか?」
・・・と、訊くと、
彼からは。
意外。というか、納得というか。
そういう答えが返ってきた。
「いや。。。
実際は、あんまり行きたくはないんです。
だって、現実を見たら、
夢が壊れてしまいそう
じゃないですか。
夢は夢のままで、
とっておきたい。。。というか」
・・・と、彼は言った。
あぁ、この人。
私と同類だ。。。と。
ちょっと、そう感じた。
だから。
この人に頼んで。
本当によかったな。。。と。
作品を見る前からもう、
そう思っていた(笑)
実際に出来上がったものは。
それは、ペンダント・トップだったけど。
それはもう。
予想通り。
申し分ないのない
ものだった。。。
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出口さんの石鹸教室に
通うことが決まった時。。。
私はなぜか。
あの、銀細工職人の彼のことを、
思い出したりした。
出口さんもやっぱり。。。
イメージだけの遣り取りで、
何かが伝わるような人
なのだろうか。。。と。
ちょっと、ワクワクした。。。
物作りをする人って。
理屈で生きているわけでなく。
感性で生きている。というか。
言葉ではなくて。
もっと違うところで、
コミュニケーションする感覚がある。
・・・というか?
そういう遣り取りって。
私にとっては本当に、
心地よいものだ。。。
言葉のない、バレエの世界で
育ったせいか。。。
時々。
言葉が、わずらわしく
感じる時がある。。。
あの時。。。
今頃になってまた、出口さんと
関わる流れが起こるなんて。
本当に世の中。
予期せぬことが起こるものだ。と。
そう思いながらも。
出口さんと。
今までとはまた、違った形で
会うことが出来る機会に。
どこかで。
ワクワクしていた。
*******
つづく
