表参道のレストランで、
夫とそんな話をしていたら。
その直後。
その勝ちゃんファンの彼女から、
連絡があった。
10年以上も。
まったく交流のなかった彼女から。
突然。
「また、虫の知らせだったんだな」
・・・と。
あの時も、そう思った。
この頃の私はなんだか。
自分の人生のパターン。
・・・みたいなものが、
ある程度、見えてしまうように
なっていて。。。
それもなんだか。
つまらないものだな。と。
そう思っていたけれども。
あのタイミングで彼女から
連絡をもらった時。
そういうことか。。。と。
そう思っていたのを
覚えている。
だからあの頃の私はもう。
口数も少なくなっていた。
今までどうしていたの?とか。
突然どうしたの?とか。
そういう、ありきたりな会話を
することに。
なんだかもう、あまり興味を
感じなくなっていた気がする。。。
私のこれまでの人生の
パターンからして。。。
こういう時、この先何が
起こっていくのか。。。
・・・ということが、
なんとなく、予想がついて。。。
いつものように、
「虫の知らせ」もあったし。
だから。。。
「そういうことか」
・・・と。
ただただそこに。。。
「必然」を感じていただけだった。。。
*******
彼女は、久しぶりに会いたいと
言ってくれて。
そのあとすぐに、
東京で会うことになった。
私達がそれぞれ住んでいた場所は、
近いとは言えないけれども、
でも、同じ関東圏内で。
こうやって、会おうと思えば、
すぐに会える距離であり。
でも。
自ら会おうと思わなければ。
こうして、10年以上も
まったくの他人でいられる
距離でもあった。
本当のご近所さんとか。
例えば、学校のクラスメイトとか。
仕事仲間とかだったら。
会いたくなくても、
会ってしまうものだけど。
10年以上前に、、、
彼女と一緒に、出口さんの
ライヴに通っていた時の私と。
今の私とでは。
ある部分では、
まるで、別人になっていた。
だからもし。
再会した彼女が、
あの時のままだったとしたら。
私達はその日、
久々に一緒にランチをして。
懐かしい想い出話に
花を咲かせて。
それで終わるだろう。。。と。
そう思っていた。
彼女との関係は、
その日、一度だけで。。。
また、会わなくなるのだろうと。。。
けれども。。。
それまでのパターンとか、
今の流れなどからして。。。
彼女はもしかしたら、、、
「次の人」
・・・なのかもしれない。。。と。
そんな気もしていた。
もしそうなのだとしたら。。。
この先、彼女との関係は、
どんどん深くなっていくのだろうと。。。
*******
昔から。
恋愛においても。
告白してくれた人を
受け入れる。。。
そういう付き合い方が
多かった。。。
もちろん。
誰でもよかったわけでは
ないけど(苦笑)
ある時彼氏に、
電話をしたら。
こう言われたことがある。
「やっと。。。
そっちから電話してきたね」
・・・と。
そう言われて。。。
びっくりしたのを覚えている。
彼曰く。
付き合いだしてから、もう、
かなり経っているのに。
私のほうから電話をしたのは、
それが初めてだったそうで。
私はそれまで。
そんなことを考えたこともなく。
あの時も何か、
用事があったから電話を
したのだけれども。
彼にそう言われて初めて、
そういうことに、気づかされた。
ある時。
その彼氏に、仲間と一緒の
飲み会に誘われた。
「その日は仕事だから、
私は行けない」
・・・と、答えると、彼はしばらくの
無言ののちに、こう言った。
「その日は、〇〇も来るんだよ。
いいの?」
・・・と。
〇〇というのは、
彼の元カノのこと。
あの時の私は。。。
彼が何を言いたいのか、
本当に解らなかった(苦笑)
だから、、、
「あ、そうなんだ」
・・・としか言わなかったし、
そこに、他意はなかった。。。
そうして結局、
その飲み会は行かなかったけど。
あとになって。
行っておけばよかった。と。
そう思わされる展開に
なっていった。
*******
あの彼と別れた時。
女友達とよく。
徹夜で飲み明かしたけど(笑)
その時に言われた。
「Lyricaってさ。
結局、アイツのこと、本当に
好きじゃなかったんだよ」
・・・と。
彼女達曰く。
もし、本当に好きだったら、
もっと会いたいと思うし。
電話だってもっとしたいと
思うし。
元カノが来る飲み会に、
彼を一人でなんて行かせない
はずだと。
あのあと。
元カノとのあれこれで
グチャグチャするのは
イヤだ。。。と。
あっさり身を引いた私に。
「それは、本当に好きでは
なかったんだよ」
・・・という、彼女たちの言い分が。
あの頃の私には。
本当に、解らなかったのだ。
自分と会っていない間は。。。
大好きな彼には、
彼の世界があること。。。
それが私にはなぜか、
ワクワクすることだった。
実際に会っている時は、
どこまでも、お互いの時間を
共有できる。
それが幸せだったし。
その時に、それまでの自分たちが
それぞれ過ごした時間のことを、
シェアし合えることもまた、
幸せだと感じていた。
そんな付き合い方が、
私は心地よかったし。。。
何よりも、疑っていなかった。。。
彼のことを。
自分たちは、、、
相思相愛なのだから。。。と。
でもそれが、
こういう結果になるんだ。。。
私のそういう在り方は。
「本当に好きではない」
・・・に、なるんだ。。。
・・・と。
混乱した。
その後、夫と付き合いだした時、
さりげなく、言ったことがある。
「会っていない時、相手が自分の
知らない体験をしてくれているんだ。と。
そう思うと、
ちょっと、ワクワクしない?」
・・・と。
夫は。
「俺は、そうは思わない」
・・・と答えた。
私もその後。。。
夫からの影響もあり。
随分と、自分の中にある
人間臭さを、自覚させてもらったけど。
*******
人付き合いに関しては。。。
私はそうやって、昔から。。。
「自分から行く人」
・・・ではなかった。
ほとんどいつも。
向こうからやって来ていた。
私はその、来た人を、
受け入れるのだ。。。
大人になってからは、、、
来た人を
受け入れることはしても。
その相手に、完全に心を開くことも、
ほとんどなくなっていたような。
そんな気がする。。。
処世術だけが、、、
どんどん、向上していったけど。。。
そんな中。。。
半ば無理矢理。
めんどくさがる私の
心の扉を開いて。
どんどん、私の中に
入ってこようとする人が。
いつも必ず、
一人だけ、現れていた。。。
私のこの、ドラマの中に。
その「一人」は、
ある期間、そこにいるのだけど、
時期が来ると、縁が切れていく。
でも、その人との縁が切れる頃、
必ず、「次の人」が現れる。
それが、パターンだった。。。
その人がどういう状況の時に
私の前に現れ。
どういう状況になった時に、
私から離れていくのか。
そのパターンももう、
だいたい、解っていた。。。
そういう人たちが、
どこまでもグイグイと。
私の心の中に入って来るとき。
私は最初、
それに抵抗する。
やんわりと。
そこから、逃げようとする。。。
だって、解っていたから。。。
関係性が深くなればなるほど。
めんどくさいこともまた、
増えていくものだ。。。と。
そういうものに囚われるのが。。。
イヤだったのだ。。。
でも。
ある時、諦める。
諦めた後はその人は私にとって、
「もうひとりの私」のようになる。
翔子ママなんかも。
そういう人のひとりだったと思う。
そしてあの時は。。。
10年以上経って連絡してきたあの、
勝ちゃんファンの彼女が。。。
私にとって、
次の、そういう人になるような。
そんな予感がしたのだ。
*******
つづく