ゼニス・オメガ・ヒーリングを
学び始めた時期はたしか。
お姉さん先生のベリーダンス
スタジオを辞めた頃だった気がする。
あの頃くらいから、だんだんと。
自分のために生きる。ではなく、
誰かのために生きる。が。
自分の中で大きくなってきた
ような気がする。
自分自身のことに関しては、
ある程度のことはもう、
やり切った感じがしていて。
不足感。。。のようなものがもう、
ほとんどなくなっていた。
そんな中でも、まだ。
相変わらず自分の中に
残っていた「熱」は。
「踊ること」と「歌うこと」
・・・だったと思う。。。
*******
本当に。。。
物心ついた頃から。。。
バレエに夢中だった。。。
3歳か4歳くらいの頃の
記憶を思い出してみれば。。。
もう、その頃はすでに、
私の中は、バレエで
いっぱいだったな。と。。。
どうしてあれほど、
バレエが好きだったのか。。。
自分でも、不思議なくらいだ。
そして。
生まれてから今までの中で。。。
あそこまでの情熱を
傾けられたものって。
他になかったと思う。
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母にいくらせがんでも。
小学校にあがるまで、
バレエを習わせてもらえなかった。
やっとその時になって。。。
母がお教室を見つけてきてくれた。
初めてお教室に行って。。。
先生に、レオタードとか
バレエシューズのための採寸を
してもらった時。
あまりの嬉しさに、
自分が震えていたのを覚えている。
ある年齢になった時。
初めて、トゥ・シューズをはいた。
同じクラスの同じ歳の子達が、
みんな一斉に、トゥをもらった。
あの時。。。
他の子達のシューズはみんな、
サーモン・ピンクのサテンで。
それが、トゥ・シューズの
定番の色だったのだけど。
私のシューズだけはなぜか、
ピンクのサテンだった。。。
先生は。
「Lyricaちゃんのサイズだけ、
その色しかなかったの。
みんなと違うけど、我慢してね」
・・・と言った。
子供の私は。。。
自分だけが、みんなと違うことが
なんだかイヤだったのだけど。
今にして思えば。
自分だけが、
あんなレアな色のシューズを
履けたことは。
逆に、ラッキーだったな。と。
そう思う。
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女の子は。。。
年頃になって、第二次性徴期に入ると。
身体がふっくらしてくる。
あの頃、初めて。
体型のことで、悩み始めた。。。
今にして思えば。
ああいうのは、一時的で。
そこを過ぎれば、
いくらでも、身体は作れるのに。
あの頃の私は、、、
先のことなんて解らなかったし。
どんなに頑張っても。
以前のあの、子供の頃のような。。。
細くて、棒みたいな身体に
戻れないことが。
なんだか、悲しくて。
たとえば、足がX脚ではない。とか。
股関節が、イマイチ硬いとか。
そういう、自分の身体の
ダメなところばかりが。
やたらと、強調されて
見えてきて。
落ち込むことも多かったな。
そんな時期に言われた、
母からの言葉。
「太って、動きが重くなった。
それにあんたは、バレエを
やるには背が大きすぎるから、
プロにはなれないわよ」
・・・と。
物心ついた時からの、
自分の夢が。
将来は、バレリーナになること
だったから。。。
あの言葉は。。。
当時の私にとっては、大打撃だった。
もしあの時、母があんなことを
言わなかったら。。。
母があんなことを言ったから、
私はバレエを辞めてしまったのだ。と。
何度も思った。
母のせいだ。。。と。
でも結局は。。。
母のあの言葉を乗り越えるだけの
根性と熱意が。
私にはなかったのだ。。。と。
そうやって何度も何度も。
自分に言い聞かせた。
*******
バレエのことは、その後もずっと
忘れられなくて。。。
大人になってからも何度も、
バレエと繋がっていようとしたけれども。
心の中のいろんな葛藤を
抱えながらも。
ずっと、踊っていたいと、
そう思っていたけれども。
でも、あれは、40代に入った頃
だっただろうか。。。
「もう、無理だな」
・・・と。
そういう感覚が来た。。。
頭では納得していた。
けれども。
心が納得するまでには。
まだ、時間がかかった。。。
バレエに対する執着心を、
ベリーダンスで誤魔化し。
でも。。。
心の底で、ずっと。
ずっと望んでいたあの「熱」は。
子供の頃。
バレエに対して感じていたような
あの「情熱」は。
ベリーダンスではやっぱり、
燃やすことは出来なかったな。
なんだろう。。。
そういう「熱」が。。。
お姉さん先生のベリースタジオを
辞めたあの時点ではまだ。
自分の中で、
くすぶっていたのかもしれない。
「踊ること」
・・・に関してまだ。
完全に、燃焼しきれて
いなかったのかもしれない。
あのあと、結局。。。
私はまた、デバダシ・スタジオに
戻った。。。
そこにもう、ミシャールは
いなかったし。
そこでまた、
私が、熱くなれないことも
解っていたけれども。
以前の目標だけは、
果たしておこうと。
あの時、そう思ったのだ。
その目標というのは。。。
デバダシ・スタジオの
ソロ・ショーに出演すること。
それを果たして。。。
「踊ること」にはもう、、、
一区切りつけようと。
そう思っていた。。。
その。
人生最後のダンスに
選んだ曲は。。。
なぜか。
ディープ・フォレストの
『Sweet Lullaby』
選んだ。。。というより。
あの時、自然と頭の中に
浮かんできた。。。
・・・と言ったほうが、
あってるかな。。。
*******
つづく
