運命の出会い 271 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

父が危篤だと、病院から連絡が来て。

私は急いで、夫と子供達を起こした。

 

 

あれはたしか、、、

もう、夜中の3時とか、そのくらい

だったような気がするのだけど。

 

私はその日、なぜか目が冴えていて、

布団の中でずっと起きていた。

 

 

布団に入って、眠れない。

 

・・・なんてことは、普段はほとんど

ないので、あの日だけああやって、

目が冴えていたこともまた。。。

 

何かの虫の知らせだったのか。。。

 

 

夫と弟が、それぞれ車を出して。

隣の伯母達ふたりも一緒に、

全員で病院に向かった。

 

 

*******

 

 

病院に着くと。

父はもう、息を引き取ったあとだった。。。

 

 

あのまま。。。

眠ったまま逝った父。。。

 

最期までとうとう。

目を覚まさなかった。

 

 

けれども。。。

 

死の間際、苦しむこともなかったので、

それは本当に、よかったな。。。と。

 

そう思った。。。

 

 

 

病院の人から、、、

今、エンゼルケアをしているので、

ロビーで待っていてくださいと

言われ。。。

 

私達はそのまま。

そこで、しばらく待たされることに。。。

 

 

 

誰も、何も話さずに、

私達はロビーの椅子に座っていた。

 

 

すると、いきなり、

病院の入口の自動ドアが開いた。

 

 

私達は、誰かが入って来たのかと思い、

みんなで一斉にドアの方を

向いたのだけれども。

 

そこには誰もいなくて。

 

しばらくすると、そのまま

自動ドアは閉じた。

 

 

私達はみんな。。。

 

「・・・・・・」

 

・・・と、なった。

 

 

でもその時は、

誰も何も言わなかった。。。

 

 

自動ドアの開閉後。。。

 

私は、ある一本の柱の陰に、

何かがいる。。。というか。

 

そういう気配を感じていて。

 

「いやいや。気のせいだから」

 

・・・と、自分に言い聞かせていた

のだけれども。

 

 

しばらくすると、その柱のほうから

何かがこちらに向かって、

一直線に向かってくるのが見えた。

 

黒くて、小さい何か。

 

 

「ん?あれ何?」

 

・・・と、ジーッと見ていたら、

なんと、それは。

 

ゴキブリ!!(汗)

 

 

しかも、そのGは。

 

なんだか、ヨレヨレで、

死にそうな感じで。

 

 

それが、ヨロヨロとこちらに、

向かってきたと思ったら。

 

私達の足元で、ピタッと

止まって。

 

ずっとそこから、動かなくなった。

 

 

ロビーでは。

 

前列の椅子に、母と弟と伯母達。

後列の椅子に、夫と子供達、

そして私で座っていたのだけど。

 

Gは。

 

後列の私たちのところに

来ていて。

 

 

だから私達は。

特に何も言わなかったけど。。。

 

お互い、目で合図しあって。

 

思わず、クスッと、

笑ってしまった(苦笑)

 

 

夫も、子供達も、そして

私も。

 

感じていることは、同じだった。

 

 

「これって。。。」

 

・・・みたいに。

 

 

普段だったら、Gなんて

出てきたら。

 

即行で逃げる私なのだけど(苦笑)

 

あの時ばかりは。。。

そういう気持ちにはならなかった。

 

 

前列に座っている母たちに、

それを話す気は起こらなかった。。。

 

 

こんな時に、余計なことを言って、

お互いイヤな気分になったり

するのは、ちょっと。。。と。

 

そう思ったからだ。。。

 

 

だからあの時、私達はただ無言で、

四人でそのGを見つめていたっけ。

 

 

今思い返してみると、、、

すごく、妙な風景だったと思う(苦笑)

 

 

けど。

私達って、そういう家族なのだ。

 

夫も、子供達も私も。。。

 

 

夫は昔は、そういう人では

なかったのだけど。

 

もう、すっかり。

感化されてしまったらしい。。。

 

こういう在り方に。。。

 

 

*******

 

 

エンゼルケアが終わり、、、

部屋に通された。。。

 

そこに、父は横たわっていた。。。

 

 

病院が葬儀屋に連絡を取り、

その業者が到着するまで、

私達はその部屋で、また待つことに。

 

 

なんだか本当に。。。

 

何もかもが、事務的なんだな。。。と。

 

そう思った。。。

 

 

病院にとっては。。。

 

人の死。。。なんて。

 

いつものことなんだな。。。と。

 

 

 

あの頃、既に。

 

あの、霊感の強い伯母の

認知症はだいぶ進んでいて。。。

 

私のことももう、誰だか解らない

状態だったので。。。

 

 

その伯母が、もう一人の伯母に。

 

「あの人は、誰?」

 

・・・と。

 

そう訊いているのが聴こえてきて。

 

 

あぁ。。。

おばちゃんにとっては。

 

ここに、他人がいるように

見えているんだな。。。と。

 

 

そう思ったらなんだか。。。

 

 

亡くなった父の横たわるその部屋で。。。

 

果てしないような。。。

何とも言えない気持ちになった。。。

 

 

 

霊感の強い伯母は。。。

 

私の中では昔から。

そのイメージが、美輪明宏さんと

かぶっていて。

 

まさに、あんな感じの。

派手な人だった。。。

 

 

若い頃はおしゃれで。。。

メイクも濃くて。

 

爪にはいつも。

赤いマニュキュアを塗っていて。

 

 

ジブリ映画の、『ハウルの動く城』に

出てくる、「荒れ地の魔女」。

 

あの魔女の若い頃もそうだけど、

歳をとって、おばあちゃんになった

魔女がまた。。。

 

同じように歳をとった。

霊感の強い伯母、そっくりだった。。。

 

 

だからよく、娘たちと。

 

宮崎駿監督の近くに、

うちのおばちゃんみたいな人が

いたりしたのかしらね?

 

・・・なんて(笑)

 

そんな話をしていたな。。。

 

 

その伯母が。。。

 

今では、私のことも解らなく

なっているのが。。。

 

 

なんだか。。。ね。。。と。。。

 

いろいろと、思うこと

たくさんあった。

 

 

*******

 

 

その部屋の中で、、、

あれこれ話していたのはその、

多少、認知症が入ってしまった

霊感の強い伯母だけで。。。

 

他の人は、ほとんど黙ったまま。

 

父のそばで。。。

葬儀屋の人達が来るのを

待っていた。。。

 

 

あの時私は。。。

 

「悲しい」とか、「寂しい」とか。

 

そういう感情が、

全然、湧いてこなかった。。。

 

 

多分、さっきのロビーの

一件で。

 

父の存在を、すぐそこに

感じていたからだと思う。。。

 

 

ふと、思い立って。。。

 

そこに横たわる父の、、、

オーラを視てみた。。。

 

 

この頃はもう。。。

普段はほとんど、人のオーラ

なんて見ようともしていなかったけど。

 

久しぶりに、、、

そんな気持ちになった。。。

 

 

こんな時に。。。

 

 

*******

 

 

父の身体には。。。

 

その肉体を作るための、

エネルギー体。。。

 

それを、ダスカロスはたしか、

エーテル・ダブルと。

 

そう呼んでいたのだったような

気がするけど。

 

それは、残っていた。。。

 

肉体を覆うような、薄い膜。。。

レーザー光線のような透明の

光がまだ。。。

 

父の身体を覆っていた。

 

 

でもやっぱり。

 

普段だったら、身体から

大きく広がっているはずの、

煙のようなオーラは。

 

もうすでに、そこには

なかった。。。

 

 

あの、煙のような身体は。。。

 

あれは、何なのだろう?

 

魂?

意識?

 

 

でもきっと。。。

 

父はそうやって、

肉体を離れた後もまだ。

 

そういう身体になって、

そのあたりにまだ

いるのだろうな。。。と。

 

 

そんな気がして。

 

 

だから私は。

部屋を見まわしたりしたの

だけど。

 

見つけることは出来なかった。

 

 

肉体というのは、ある意味。。。

 

脱ぎ捨てられた服だ。。。

 

 

けれども、人はやっぱり。

その服にも愛着を持つものだし。

 

それがやっぱり。。。

 

人として、自然だとも思う。。。

 

 

私はそこに横たわる父の、、、

その髪を撫でた。。。

 

ものすごく柔らかい。。。

 

ヒヨコみたいな髪だった。。。

 

 

そう言えば私は。。。

 

父の髪の毛なんて、

触ったことなかったな。。。と。

 

 

あの時初めて。。。

気がついた。。。

 

 

*******

 

 

つづく