運命の出会い 214 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

発表会で、

『o mio babbino caro(私のお父さん)』を、

歌ったあとも。

 

結局、しばらくの間は、

声楽のレッスンだけを続けていた。

 

 

・・・というのも。

 

声楽で習っていた発声法が、

まだ、身体に染みこみきって

いないうちに、違うボイトレをやったら。

 

身体が混乱するだろう。と。

 

そう思ったからだった。。。

 

 

*******

 

 

先生に、私の声はソプラノだと

言われた時は、自分では意外だった。

 

高い音は、まだまだ全然

出なかったし。。。

 

録音した自分の声というのは、

実際に、自分の頭の中で響いている声とは、

全然違う声に聴こえるものだけど。

 

 

録音の自分の声を聴くと。

 

「低いな」

 

・・・と、常々思っていたから。。。

 

 

だから、思わず。。。

 

「ソプラノなんですか???

アルトとか、メゾ・ソプラノではなく???」

 

・・・と、何度も聞き返してしまった(笑)

 

 

 

高音が出る出ないは、

関係ないんですよ。と。

 

先生は、言っていた。

 

それに高音は、訓練次第で、

ある程度までは出るようになる。とも。

 

 

ソプラノにも、いろいろ種類があって。

私はさすがに、一番高い、

コロラトゥーラではないけど。

 

でも、メゾ。ではなくて。

ソプラノですよ。と。。。

 

 

 

そして。

 

オペラの役というのは、

そういう声質で決まっていて。

 

この役は、ソプラノの人。

この役は、アルトの人。みたいに。

 

そんな風になっているのだと。。。

 

 

つまり。。。

 

高くて澄んだソプラノの人が、

「カルメン役」に憧れたとしても。

 

舞台でその役を演じるのはちょっと、

難しい。。。ということで。

 

 

こういうところはやっぱり。

 

ベリーダンスよりも、バレエの世界に

共通するものを感じたりもした。。。

 

 

ある意味、決まりだらけで、

ストイックで、ガチガチだけど。

 

でも、その分。

完成した全体像は、限りなく。

 

完璧な美。

理想の美。

 

・・・に、近づける。。。みたいな。

 

 

私は、ソプラノだけど、

でも、カルメンをやりたいのだから、

やりたい役をやってもいいよね?

 

・・・は、許されない世界。

 

 

そういう意味では、、、

 

「そのままのあなたでいい」

 

・・・は、通用しない世界。

 

 

でも、自分がソプラノであることを

自覚し、受け入れ。

 

それを存分に活かせる役につけば。

 

自分も輝き。

全体の絵も、輝き。。。

 

 

そういう意味では、、、

 

「そのままのあなたでいい」

 

・・・といえる世界でもある。。。と。

 

 

そう思った。

 

 

そういう点が。

バレエと同じだ。と。

 

 

*******

 

 

以前の発表会から、更に半年くらい

経った頃に、再び、プチ発表会があり。

 

また、歌う歌を決めなければ

ならなかったのだけど。

 

 

あの時、先生が。

 

「今度は少し、華やかな感じの

オペラのアリアなんかどうですか?」

 

・・・と、言って。。。

 

 

そして、薦めてくれたのは、

モーツァルトの『フィガロの結婚』の中の、

伯爵夫人のアリアだった。。。

 

ちょうど、私の声質にあっている役だ。と。

 

 

 

 

 

 

私は昔から。。。

 

モーツァルトには、あんまり

魅力を感じなかった。。。というか。

 

胸がときめかなかったので。。。

 

 

正直、、、

 

「うーーん。。。」

 

・・・と、思ったのだけど(苦笑)

 

でも、これもチャレンジかなと思い、

せっかくなので、歌ってみることにした。

 

 

歌を聴いただけだと、

何もイメージが掴めなかったし。

 

まず、『フィガロの結婚』という

オペラ自体をよく知らなかったので、

CDとかDVDをあれこれ買った。

 

その伯爵夫人がどんな人で。

この歌が、どんなシーンで

歌われているのか。とか。

 

そういうことを知りたかったのだ。。。

 

 

でも。。。

勉強のために、、、と、何度繰り返し

そのオペラを聴いたり観たりしても。

 

いつも、途中で寝そうになっている

自分がいたりした(苦笑)

 

 

あの頃、『フィガロの結婚』以外にも、

いろんなオペラを観たけれども。。。

 

最後まで、飽きずに観れたのは、

プッチーニのオペラくらいで。

 

他のは、、、

どんなに壮大なものでも、だいたい、

途中で眠くなってしまっていた(苦笑)

 

 

昔から。。。

父や母が楽しそうにオペラを

観ている隣で。

 

私はいつも、

睡魔に襲われていたけど。。。

 

こうして、歌を習い始めた今でさえ、

それは、変わらないのか。。。と(苦笑)

 

 

バレエの発表会のリハを観ながら、

眠そうにしていた娘の気持ちが、

少し、解ったような気がした(笑)

 

 

 

そのせいか、この歌も。。。

 

発表会で歌うために、

かなり長い間、真剣に取り組んだ

はずなのに。。。

 

今、あまり覚えていない。

 

『フィガロの結婚』も。

あれだけ観たのに、ほとんど

うろ覚え。。。

 

 

おそらく、そこに。。。

 

私自身の「情熱」というものが、

ほとんど、なかったからなのだろうと

思う。。。

 

 

時間をかけて、一生懸命

レッスンを重ねて。。。

 

先生からも、「もう、大丈夫」という

お墨付きをもらって。

 

なので、ある程度には、

歌えていたはずなのだけど。

 

 

あの時、自分が何を考え、

何を感じたのかとか。

 

そういうことすら、ほとんど

記憶に残っていない。。。

 

 

そうやって、何というか。。。

 

あの発表会のことは、

全体的に、印象に薄く。。。

 

私自身がそうだったせいか。

 

観に来てくれていた家族も、

この舞台のことは、記憶に薄いらしい。。。

 

 

 

でもそれで、

なんだか、気づいたこともあった。

 

自分が本当に歌いたい歌はやっぱり、

こういう、純粋なクラシックでは

なかったのだろうな。。。と。

 

 

そして多分。

あの頃から、少しずつ、

「自我」が芽生え始めたような気が

しないでもない。。。

 

 

「私が、本当に歌いたかった歌は、、、」

 

・・・と。

 

 

「私」が、出てきた。。。

 

 

それまではただ、先生の言うことを、

素直に聞いて、その通りにやっていた。。。

 

でも、あの頃はそれでも、

楽しかったし。

 

ある程度は、満足感も

得られていたのだけど。

 

 

あのあたりを境に。

 

「私は、こうしたい」

 

・・・みたいな気持ちが、

少しずつ、強くなり始めた。

 

 

「どうしたい」というイメージは。

 

あの時点ではまだまだ、

ハッキリと掴めてはいなかったけど。。。

 

 

*******

 

 

そんな感じで。

モーツァルトのアリアを歌い終えた頃。。。

 

例の、ボイトレのクラスを

受ける決心が、やっとついたの

だったような気がする。。。

 

 

あの発表会の、ほんの少し前に。。。

 

娘のボイトレクラスでは、

プチ・ライヴがあり。

 

私はそれを、観に行ったのだけど。。。

 

 

その時、娘はボカロの歌を

歌っていて。。。

 

娘も弾けていたけど(笑)

私も、すごく楽しくて。。。

 

 

なんだか。。。

 

ライヴを観ていた時のほうが、

オペラのアリアを歌っていた時よりも、

 

心が、、、ワクワクしていたな。と。

 

 

そんなことにも、

気づいたりした。。。

 

 

 

 

 

つづく