運命の出会い 144 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

数日後、全員での話し合いを

することが決まり。。。

 

従業員、会社のお偉方、そして店長とが、

一堂に会することになった。

 

 

閉店後の店舗で。。。

夜の10時くらいからだったか。。。

 

そんな時間に家を出て。

電車に乗ってお店に向かうなんて。。。と。

 

普段とは全く違う状況を体験しながら。

 

なんだかとても。

変な感じがした。。。

 

 

普段なら、「めんどくさいな」と思いそうな

ところだけど。

 

その時はむしろ。。。

早くその場に出向きたい。。。と。

 

そんな気持ちだったのを覚えてる。。。

 

 

そして。

その場に欠席した従業員は、

ひとりもいなかった。。。

 

全員揃って、出席だった。。。

 

 

当日、遅番でお店に入っていた人以外は、

みんなで先に駅で待ち合わせをして。。。

 

従業員、全員一緒に。。。

まとまって、お店に向かった。

 

 

お店に着くと。。。

 

そこにはすでに、重役の人達は集まっていて、

その中に、店長もいた。。。

 

 

お店に入る前。。。

ガラス越しに店長と、一瞬目が合った。

 

でも私は。

すぐに目を逸らした。

 

 

あの時の彼の一瞬の表情から。。。

 

彼が、今の私の心の中を

探ろうとしているのを感じて。

 

 

あぁ。

こんな時でも、店長は店長のままか。。。

 

・・・と、思ってしまった(苦笑)

 

 

*******

 

 

話し合いが始まると、、、

 

だいたいのお偉方は、ただ黙ってそこに

座っているだけで、最初から最後まで、

ほとんど何もしなかった。

 

そんな中、

おそらく、一番階層が低いのだろうなと

いう感じのおじさんがひとりで、

一生懸命、会を進行させていて。

 

 

あのおじさんも、こんなめんどくさいことを

一人で任されて、大変だな。。。と思ったし。

 

だから、他のお偉方に対して、

多少、イヤ~~な印象を持ちながら(苦笑)

 

なんとなく。

この会社の体質が見えたような気がした。

 

 

 

話し合いが始まると、まずそのおじさんが。。。

ここまでの状況を説明した。。。

 

あのあと、自宅待機処分になっていた

店長を会社に呼び出して。

 

お偉方との話し合いの場を持ったことと、

その時に、店長から説明されたことを、

私達従業員に、伝え始めた。

 

 

 

店長は、あの小型カメラを仕掛けたのが

自分だということは、素直に認めたそうだ。

 

ただ。。。

 

なぜ、そんなことをしたのかという

その理由が。。。

 

ここ最近、金庫からお店のお金が

抜き取られていることが続いていたので。

 

その犯人を突き止めるために、

カメラをしかけたのだと。。。

 

そういう風に、店長は説明していた。。。と。

 

 

 

そんな話を聞かされても。

 

それを鵜呑みにして信じる人など、

従業員の中には、ひとりもいなかった。

 

 

ハッキリ言えば。。。

 

真実など、誰にも解らない。

 

 

だから。

もしかしたら、店長の言っていることは、

本当だったかもしれないけど。

 

従業員の中には、誰一人として。

店長を信じる人はいなかった。

 

 

おじさんは、一通り説明したあと。。。

 

「じゃあ、〇〇君(←店長)が、

本人からもちゃんと、皆さんに対して

謝罪と説明をしたいと言っているので。。。

 

みなさんとしては、複雑だと思いますが。。。

少しだけ、話を聞いてあげてください」

 

・・・と言った。

 

 

従業員は全員、黙っていた。

 

 

「ええと、いいでしょうか?

聞いてあげてくれますか?」

 

・・・と、おじさんはものすごく低姿勢で、

何度も何度も私達に頼んできたので。。。

 

 

結局みんな、最終的には渋々、、、

それを受け入れたのだけれども。

 

 

心の中では、みんなが思っていた。

 

「今更、店長の釈明など聞きたくない」

 

・・・と。

 

 

そして。

 

あのおじさんがどこかで、

店長を庇うような態度でいることが。

 

少し、腹立たしかったりもした。

 

 

「そういう優しさは、ここではいらない」

 

・・・と、私も、そして他の従業員も。

 

普段の店長を知る人はみんな。

そう思っていた。

 

 

あの店長は。。。

 

そういう優しさに、、、

情に、ほだされるような人ではない。

 

逆にそれを、賢く利用する人なのだから。。。と。

 

そう思っていた。。。

 

 

 

店長は、、、

おじさんと場所を変わると、突然。。。

 

「今回は、本当に申し訳ありませんでした!!」

 

・・・と言いながら、私たちに土下座をした。。。

 

 

そして。

涙を流しながら、事情を説明し始めた。

 

 

誰がお金を抜き取っているのか、、、

その犯人を捜すためだったとはいえ。。。

 

人として、やってはいけないことを

してしまったと思っています。

 

 

・・・と。。。

 

彼は、嗚咽しながら。。。

苦しそうな顔をしながら。

 

ずっと、土下座したまま、

頭を下げ続けた。。。

 

 

*******

 

 

そんな店長の様子を見て。。。

 

「さすが、演技が上手いな」

 

・・・と、ものすごく冷めた目で見ていた

自分も怖かったけど(苦笑)

 

チラッと周りを見ると、、、

従業員全員の目が死んでいて(苦笑)

 

そこには。

ものすごくシラケたムードが漂っていて。

 

店長のああいう姿を見ても。

心、ほだされている人が、誰一人

いないことが、見て取れた。

 

 

そして、心底思った。。。

 

 

日頃の行い。。。というのは、

本当に本当に、大事だな。。。と。

 

普段から、周りの人達と、

しっかりと信頼関係を築いておこくとって。

 

本当に大切なことだ。。。と。

 

 

ただ。

人間って、そんなに馬鹿ではない。。。

 

利己的な目的を持って、

誰かを操るために、嘘の信頼関係を

築こうとしても。

 

そういうのは、絶対バレるし。

長続きしない。。。

 

そして逆に、信頼を失う。。。

 

 

大事なのはやっぱり、「心」であって。。。

 

そこに「真心」がなければ。。。

 

その関係性は。。。

こんなに、薄っぺらいものになるんだな。。。と。

 

あの時、しみじみ思った。。。

 

 

目の前で、、、

大人の男の人が土下座して。

 

こんなに泣きながら謝っているのに。

 

彼を信じ、赦してあげようという気持ちが、

誰一人として湧いてこないこと。

 

そういう状況って。

ものすごく、悲しいことだ。。。と思った。

 

 

もちろん。

私も湧かなかったけど。

 

そういうことに対して、

罪悪感も感じなかった。。。

 

 

すべては自業自得。。。

 

 

今、誰も彼のことを信じようとせず。

 

こうやって、ものすごく蔑んだ目で。

ものすごくシラケた目で彼を

見ているのも。

 

今のこの状況は。。。

 

それは。

今まで店長がやってきたことの結果だ。。。

 

 

だから私も。

彼を赦そうとは思わなかった。

 

ここで受け入れることは。

結局、彼のためにもならない。と。

 

誰のためにもならない。と。

 

そう思っていた。

 

 

でも、本当に。。。

可哀想だ。。。と思っていた。

 

 

もし自分が、、、

今の店長の立場だったら。。。と

想像したら。。。

 

 

胸が痛くなった。

 

 

*******

 

 

つづく