運命の出会い 110 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

「Lyricaさんとは、もっとゆっくり話したいですよー」

 

・・・と、言ってくれたのは、お店の古株の

女の子だった。

 

 

古株。。。と言っても、その女の子と、

パートの彼女とは同期で。

 

ふたりとも、オープニング・スタッフだった。

 

そのお店は、私が入った頃でやっと、

オープンしてから1年経つか経たないかくらいの、

まだ、新しいお店で。。。

 

だから、一番古い彼女たちでも、

そこまで長く、そこに勤めていたわけではなかった。

 

 

*******

 

 

古株の彼女は、美大生。。。

 

・・・と言っても、年齢はもう、30歳一歩手前で、

店長のひとつ下か、ふたつ下くらいだったような。。。

 

 

普段お店でいつも顔を合わせていても、

ゆっくり話す機会はあまりなく。。。

 

なので、お休みの日にランチの約束をして。

 

その時に彼女は、いろんなお話をしてくれた。

 

 

たしか、大学の過程を普通に終えた後、院生になって、

それからずっと、研究生として在籍しながら、

たまに、個展とかを開いている。。。と。

 

そんな話をしていた。。。

 

 

彼女が美大生。。。と聞いて、、、

ちょっと、胸躍っている自分がいた。。。

 

 

「もしかしてこれは。。。

ちょっと、マニアックな話が聞けたりする???」

 

 

・・・と、ワクワクしながら(笑)

 

 

*******

 

 

あの頃、ちょうど、『ムンク展』をやっていて、

私はそれを、観に行ったばかりだった。。。

 

 

あの時は、有名な『叫び』は来ていなかったけど、

あれ以外でも、ムンクの絵は、ただならぬ

雰囲気が漂っているものが多くて、

とても面白かった。。。

 

 

でも、晩年に近づいていくにつれて、、、

絵が、マトモで、美しいものになっていき。。。

 

それはそれで、素敵ではあるのだけど、、、

いまひとつ、どこか物足りない感じもして。。。

 

 

・・・と、そんな話をチラッと彼女にしたら。。。

 

 

「あぁ、ムンクは頭が変になってた時のほうが、

断然、良いですよ」

 

 

・・・と、すごくサバサバと、

まったく飾らない返事が返ってきて。

 

 

私はそんな彼女のことを、、、

とても心地よく感じていたのを覚えている。。。

 

 

そう言えば、彼女も店長と同じく、

獅子座だったな。。。

 

 

 

「美大生って、個性的な人が多いんでしょ?

そういう所って、すごく面白そうだよね」

 

 

・・・と言うと、彼女は、、、

 

 

「はい。美大なんて、オタクと変人しか

いないですから」

 

 

・・・と、歯に衣着せぬ物言いで(笑)

 

 

なんだか私、大好きだわ、この子。。。と(笑)

 

 

彼女と話していると、ものすごく、

清々しい気持ちになったりもした。

 

 

そんな楽しい会話をしばらくしたあと、、、

ちょっと、持ち出してみた。。。

 

 

「〇〇さん(パートの彼女)のこと、

店長と一緒に苛めたんだってね」

 

・・・と。

 

 

そんなことを、本人に単刀直入に訊く私も私だけど。

 

でも彼女とは、本音トークをしても大丈夫だと、

そんな気がしたのだった。。。

 

 

その時、、、

普段はちょっときつめな、彼女の顔にふと、

弱さのようなものが見えたような気がした。。。

 

 

「誰がそんなこと教えたんですか?

〇〇さんですか?」

 

・・・と、恐い顔をしながら言った彼女に。

 

「風の噂で聞いただけ。

で、ホントなの?」

 

・・・と、私も少し、トーンを下げて言ってみた。

 

 

 

そうしたら彼女は。。。

 

「もう~~苛めたわけじゃないんですよぉ~」

 

・・・と言って、そのあと、いろいろ話してくれた。

 

 

 

彼女の話を聞いていたら、、、

私はますます、彼女に好意を持った。。。

 

かっこいいな、この子。。。と。

 

そんな風に思った。

 

 

なぜなら彼女は、何もごまかそうとは

しなかったから。。。

 

そして、パートの彼女に対して、

ものすごくイライラしていたのは、

事実なのだろうけれども。

 

彼女の言葉の端々からは、

なぜか、パートの彼女に対する

「慈悲の気持ち」を感じてね。。。

 

 

こういうのって、店長も同じで。。。

 

 

だから彼らは、、、

そのやり方がちょっとだけ「激しい」だけで。

 

本当は、優しい人たちなのだけど。。。

 

 

ただパートの彼女が、彼らのそういう表面的な

「激しさ」だけを見て判断し。。。

 

彼らは完全に「悪者」で、自分は完全に

「被害者」なのだと信じて疑わないから。

 

だから彼らは、余計にイライラしてしまう。。。

 

 

そういうところがきっと。

店長と、美大の彼女の共通点。。。

 

美大の彼女もやっぱり、「火の人」。。。

 

 

そういう人が、ふたり揃ってしまったから、

共鳴するエネルギーが暴走したんだろうな。と。

 

 

そんな風に思った。。。

 

 

相手を悪者にして、自分を被害者にするのも

「弱さ」だけれども。

 

 

その暴走するエネルギーをコントロールしきれずに、

相手にぶつけてしまうのもまた、「弱さ」。。。

 

 

だから、そこに「悪人」なんてものはいなくて。

 

ただただ、、、人間が弱いだけなのにな。。。

 

・・・なんて思ったら。

 

 

ちょっと、悲しくなった。

 

 

 

まだ学生であり、、、

社会経験も薄い美大の彼女に、、、

 

「あなたの立場だったら本来は、、、

店長に同調するのではなくて、彼の弱さ故の攻撃から、

〇〇さんを守ってあげなくてはね」

 

・・・なんてことは、さすがに言えなかった。

 

 

下手にそんなことをしたら。。。

今度は攻撃の矛先が美大の彼女に向きそうで。

 

そんなものを、背負わせるわけには

いかなかった。。。

 

 

かと言って、このままではますます、

パートの彼女は萎縮するだろうし。

 

店長や美大の彼女のことを誤解したまま、

「彼らは悪、私は被害者」という

思い込みを募らせていって。。。

 

そういう彼女の態度が、ますます、

店長や美大の彼女をイライラさせる。。。

 

・・・という悪循環は続いていきそうで。。。

 

 

その悪影響が、、、

お店中に広がっていきそうで。。。

 

 

なんだか、いろいろ、

こんがらがってるなぁ。。。と。

 

 

そんな風に思った。。。

 

 

*******

 

 

娘のほうのママ友のひとりで、

転校後も、しょっちゅう会っていた

仲良しママがいた。。。

 

あの、体脱ママとはまた違う人で、、、

 

その人とは、娘たちが同じバレエ教室に

通っていたせいもあったけど。。。

 

ホント、よく会っていた。

 

子供たちの手がだいぶ離れ、、、

私が、スピに気を取られていた頃もずっと。。。

 

 

ある時、彼女とランチに行った時に、

訊いてみた。

 

 

「美大って、変人とオタクしかいないって

聞いたけど、ホント?」

 

・・・と(笑)

 

彼女もまた、美大卒だったから。

 

 

 

「うん、そうだよ」

 

・・・と、彼女はあっさり答え。

 

そして、美大生の変人ぶりを、、、

小一時間語ってくれた(笑)

 

 

そして私はやっぱり。。。

 

こういうマニアックな話って好きだわ。。。と。

 

そんな風に思っていた。。。

 

 

*******

 

 

つづく